Eastern Youth & Jimmy Eat World at 渋谷AX(2001年6月22日)
 

Jimmy Eat World

Eastern Youth

Eastern Youth

BEastern Youth

Eastern Youth

Eastern Youth

 

 

 

 満員のAX。まずはジミー・イート・ワールド。1994年にアメリカのアリゾナで結成されたバンドで、メンバーの外見も出している音も、いかにもカレッジ/インディー然とした格好の4人組である。自分はジャンル分けして音楽を聴かないのでよく分からないけど「エモ」というシーンの中での中心的なバンドだそうだ。いかにもアメリカの学生が好きそうな自然体の音を出していた。適度にメロディアスで適度にビートが効いていて、真面目な性格が伝わってきそうな演奏である。お客さんの受けもまずまず。

 

 

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 バンドのチェンジの間は現代音楽風のピアノの独奏曲が流れる。それが映画音楽風の大仰でシンフォニックな音に変わり、イースタンユースが登場する。まずはMC無しで新曲の「踵鳴る」。この日のバンドは絶好調だ。3人の演奏はがっちりとまとまり、吉野は機嫌もよかった。イースタンユースというバンドは、調子が悪かったなら悪かったなりに凄まじいライヴをみせてくれる稀有なバンドであるわけだけども、やはり、この日のように彼らの充実した姿を観るのは嬉しいものだ。観客もモッシュやダイヴや合唱で応える。

 

 

 演奏された曲は「踵鳴る」「ギラリズム夜明け前」の新曲や、今の季節によく似合う「青すぎる空」「雨曝しなら濡れるがいいさ」など、男気溢れる歌詞を迫力あるプレイで展開された。特に「梅雨の晴れ間にどこか行きたくなるんだよなあ。でもどこにも行けやしない」というMCの後で演奏された「青すぎる空」で吉野の拭いきれない孤独感が聴く者の心を刺す。 

 

 吉野はいくら調子よくても機嫌がよくても「たとえばぼくが死んだら、そっと忘れて欲しい」(オリジナルは森田童子)や「サヨナラダケガ人生ダ」と歌ってしまうように、人間が抱えるどうしようもない孤独感から目を離さない。それがイースタンの鬼気迫る演奏と吉野の叫びを支えているものである。それがこの日の会場のように多くの人の支持を得てしまうのである。ちょっとしんどいけどね。

 

 

 本編が終わり、観客はメンバーのそれぞれの名前をコールしてアンコールを要求する。そしてアンコールのラストは「夏の日の午後」。まあ、この曲で締めなくちゃいけないということで。もちろん大いに盛り上がる。なんだかんだ言ってちゃんとサービスをしてしまうところに、吉野に信頼できるアニキ像を見てしまうのだ。このバンドは人間のいろんな面を見せてくれるわけで、本当に憎めないし、心を捉えて放さないところである。というわけで、1ヵ月後の苗場で会いましょう。

 

 

--- setliest ---

1.踵鳴る
2.木枠の窓
3.浮き雲
4.男子畢竟危機一髪
5.青すぎる空
6.ギラリズム夜明け前
7.たとえばぼくが死んだら
8.雨曝しなら濡れるがいいさ
9.徒手空拳
10.いずこへ

--- アンコール ---

1.サヨナラダケガ人生ダ
2.夏の日の午後

Reported by Nobuyuki Ikeda.


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