The Stereo / Husking Bee at 渋谷クアトロ(2001年6月5日)
 

Husking Bee

 

 

Husking Bee

 

 

 

The stereo

 

The stereo

 

The stereo

 

The stereo

 

 この日、どちらのバンドも「青春だなあ〜」という感じだった。きれいなメロディライン、ザクザクしたギター(しかもレスポール・モデル)、疾走感のあるビート、そしてハーモニー。「青臭い」と揶揄されてしまうくらい、思いっ切り青い。

 ハスキング・ビーは今年のフジロックの1日目、レッド・マーキーのトリを務めることになっているバンドだ。自分がこのバンドを観るのは去年のAIR JAM以来である。その時は3万人の前で堂々と演奏していたのだけど、彼らの佇まいはクアトロのような狭いところでも全然変わらない。同じAIR JAM系といえども、「本家」ハイスタ、「孤高」ブラフマン、「ミクスチャー」バックドロップ、「お祭り」スキャフルもしくはLOW IQ、「トランス」レンチ、「ヒップホップ」シャカゾンビ、「デジタル」マッドカプセルとバラエティ豊富だけど、その中でハスキンは「青春」担当だろう。去年のAIR JAMでもトリひとつ前のステージを立派に務め上げ、ハイスタによる大団円に上手くつないだのである。

 ハスキング・ビーの歌詞は基本的に英語である。メインで歌う磯部とコーラスをかぶせたりや時折リードを取って歌う平林の2人のボーカルが上手くアクセントになり、その使い分けで切なさを演出している。多くの疾走するナンバー中に挟まれた、イントロでハーモニカを使い日本語で歌われた「欠けボタンの浜」は、スローでじんわりとくる曲で奥行きを感じさせて良い。フロアでは小さな子供を肩車して観ている姿が微笑ましい。始まる直前は結構周りに隙間があり、大丈夫かなと思っていたけど、時間が進むにつれてお客さんで埋まってかなりの盛り上がりとなった。

 

 

 

 そして、THE STEREO。この人達はハスキンに輪をかけて青春だ。2ndアルバム『NO TRAFFIC』の曲を中心に演奏されたライヴは元気一杯である。覚えている単語はすべて言ったんじゃないかと思うほどたくさん日本語で話しかけ、「How many タナカ?」とお客さんの中にいる田中さんに手を挙げさせポラロイドで撮影したりして(こんなに田中さんっているの?)、お客さんを楽しませようという思いが強く伝わってくる。

 音楽的にはウイーザーやグリーンデイが好きな人なら気に入るはず。「エモコアとパワーポップの融合」というキャッチフレーズがついていたけど、まさにそういう感じ。メンバーは地味なアメリカの学生風の外見でウイーザーのメンバーと入れ替わっても(リヴァース以外)誰も気がつかないと思う。そういや、始まる前にウイーザーの新譜がずっと流れていたな。

 ハスキング・ビーにしても、STEREOにしても、自分の青さや愚かしさや痛さや、その他いろいろあるけど、とにかく走り出そうとする気持ちが伝わることが、彼らの魅力であり、その姿を感じとって、楽しんでくれたらOK、というライブだった。別に青春でない年齢の自分にも充分伝わった。

 終演後、クアトロの前の道路に出てメンバー全員が一人一人のサインや握手に応じていた。本当に彼らのいい人ぶりには頭が下がる思いだ。

--set list--

1.JUST A GAME
2.CAN'T LOOK BACK
3.YOU'VE GOT SOME NERVE
4.STRING YOU ALONG
5.UNORDINARY
6.4 AM
7.I CONFESS TO ALL THIS MESS
8.GET SET FOR SOUND
9.NEW TOKYO IS CALLING
10.RAMONA
11.ON THREE
12.SHE NEVER
13.DEVOTION

--encore--

TOOK A WAY
ONE DAY, SOMEDAY
MOUTH

Reported by ノブユキ.


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