|
ナパーム・デス。高校のときに「メタリカよりも速い世界最速バンドだ」と聞いたので、友人からテープを借りたことがあるんデス。確かに速かったデス。どれも1分くらいで曲が終わってしまうんデス。当時の自分はそれを聴いて笑い転げたのデス。
その少し後に立ち読みした『DOLL』に彼らのインタビューが載っていて、それによると「俺たちの目的はみんなを楽しませ、世界中に友達の輪を広げることだ」というようなことを語っていて爆笑したことがあったのデス。「殺人」とか「骸骨」というタイトルの歌を作って何を言ってんだこの人達は、と彼らの頭のブっ飛びぶりに最高のユーモアを感じたのデス。
それから十数年の月日がたち、自分がまさかナパーム・デスのレポートを書くために渋谷クアトロにいるとは思わなかったデス。 お客さんはメタルやハードコアが好きらしく、その系のTシャツを着ていることが多いデス。しかし考えてみたら自分にテープを貸してくれた友人はメタル、しかもスラッシュメタル好きで、この日のカメラマンの西やんも昔、ナパーム・デスのライヴに行ったことあったらしいデスが、彼はハードコアパンクから入っていったみたいデス。つまりナパーム・デスはメタルとパンクという2つのお客さんを融合させたわけデスね。あと、この日の会場に女性のお客さんも思ったよりは結構居たのデス。
前座はEdge Of Spiritという日本のバンドで、声はデスだけど、音は割と正当派メタル寄りでツインギターがハモるところにアイアン・メイデンぽいと感じたのデス。自分はなんだかんだ言ってもああいうギターのハモりとバスドラの連打とか好きデスのでなかなかこのバンドには好感を持ったのデス。
「〜デス。」と書いていると「スカはいかがでスカ?」のようなお約束感溢れるオヤジギャグっぽい物言いデスが、気にせずに行きますデス。 さて、真打ち登場デス。すぐ目に入るのはベーシストで、凄い体形デス。歩くビア樽みたいデス。メンバー皆大柄デス。演奏も凄かったデス。その体格で音の塊をこれでもかとぶつけてくるのデス。ダレたところは一切なし、世界最速の名に恥じぬスピード感デス。思うに、このバンドには中身がない、何を言っているのか分からない(まあ、NAZI PUNKS FUCK OFFというタイトルの曲をやるくらいなんでアンチ・ファシズムの主張はあるみたいデス)、だけど中身がない代わりに凄まじい音の強度を獲得したのデス。もう、迫力は本当に凄いデス。凄いデス。 曲が終わるたびに、ヴォーカルの兄ちゃんがさわやか笑顔で「サンキュー」と言い、やけにクリアな声でMCをするのデスが、次の曲のタイトルを告げるときからいきなりデス声になって曲に突入して行くのデス。そのギャップがたまらんデス。お客さんもステージダイヴの嵐、金髪の姉ちゃんも果敢にダイヴしていましたのデス。ステージダイヴをする奴らはちゃんと演奏者の邪魔をしないように気を使っていたのが好感デス。 曲の間は「ボー」だか「ゴー」だか判別不能なデス声で野郎どもが叫んでいたのデス。あと演奏が始まると両手を挙げてドラムを叩くまねをしていた人がいたのデス。エアギターならよくあるのかも知れないデスがあれは相当疲れるんじゃないかと思うのデス。それと、たくさんのフォロワーを生み出したと言われる、あの一秒で終わる曲もやったのは当然デス。といってもその他の曲については、自分にはあまり違いが分からなかったデス。 アンコールに応えたあとでメンバーたちが多くのお客さんと握手する光景が微笑ましかったデス。 ---SET LIST---
1.TASTE THE POISON ---Encore---
21.MASS APPEAL MADNESS Reported by Nobuyuki.
|