SONIC YOUTH at 赤坂ブリッツ(19th February 2001)
 

 

Tamio

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Sonic Youth

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全存在を凝縮させたソニック・ロック


 

 会場にギリギリに到着したので前座の一組目、Tamioさんのアクトを頭ちょろっと聞き逃してしまった。今回初めて知った人なのだけれど、エレキギターのみを使った約10分ほどのパフォーマンス、正直もっと聴いてみたかったなぁ。徐々に掛かってくるエフェクトの気持ちよさが波に乗る前に終わってしまって残念。気になる存在なのでチェックしてみようと思った。

 

 二組目はOOIOO。これは素晴らしかった。彼女らだけの演奏でまず元を取った、と思った人も多かったのでは。今回全公演に出演するというので、これからSONIC YOUTHのライヴを見に行く人はとにかく開演時間に間に合うように行くべし。

 

 私の脳裏に見えたものはズバリ沖縄。音はエレクトリックだし、よくニューウェイヴと言われているけれど、生み出しているものそのものに日本的なものを感じずにはいられなかった。鳴り止まないドラム(一昨年のフジロックでのDMBQ時よりも断然表現力がUP)、上手く使い分けられたギター、地を這う様に、しかし時に激しく地をも揺るがすベース、そして腹の底から爆発するヴォーカル。彼女達の体全体から溢れ出るパワーがズブズブとこちら側の体内に入り込んできて、そこから作りされたエネルギーと一体化して、誰も体験したことのないグルーヴが会場全体にうごめく。

 

 私が沖縄の民族音楽を感じたのは、恐らくギターのメロディラインとヨシミちゃんの歌い方のせいだと思うけど、SONIC YOUTHの面々が彼女達を高く評価するのも良く分かる。音やリズムの組み入れの仕方が巧みだからだ。OOIOOの単独公演も見に行かなければなるまい。SONIC YOUTHの前座にふさわしい約一時間弱のライヴだった。必見。

 

 

 そしていよいよ本命。TamioさんとOOIOOのパフォーマンスですっかり頭がボーっとしている私の目を見事に覚まさせてくれたよ。最初から飛ばしまくって、新旧実においしいとこ取りの選曲。しかしキムは一段と若返ったのか?今まで見たことのないような激しい動きだ。楽器も持たずにマイクをスタンドから取り外し、グルグル振り回す。そんな彼女の過激なアクションに反応し、前の方の観客はダイブするわ、見た目あんなに大人しそうなジム・オルークが、髪の毛振り乱してついには頭でギターを弾き出すわ、ステージ客席とも最初から最後まで興奮しっぱなし。相変わらずスティーヴのドラムさばきが素晴らしく、一応ドラマーの端くれである私の両腕両足もその動きについていかんと必至。これには自分でも笑ってしまった。(これはOOIOOの時も同じだった。)

 キムが叫べば、私は何か殴られたように怒りのようなものに駆られるし、サーストンらの轟音が普段私の中で眠っている、滅多にお目に掛かることのない自分を呼び起こす。同じように呼び起こされてどうしようもなくなった連中が人の上でコロコロ転がっている。本当はやってみたいんだけどやっぱり怖くてできないからどうぞ私の分まで暴れてくれ〜。

 さらに時折下から黄色いライトで照らし出されて明るみになるステージの全貌にはゾクゾクだ。全体的に明るくなるから黄色い部分と黒い部分のコントラストでこちら側も浮き彫りになり、轟音の中で繰り広げられる一瞬の芸術に息を飲んだ。

 私も押さえつけられない衝動に駆られて暴れまくる。暴れると言っても見た目じゃない。暴れるのは身体の内部だ。このまま死んでしまうんじゃないかと思ったくらいバクバク鳴り響く心臓。会場中で狂ったようになだれ崩れるものすごい勢いのノイズは、体内に蔓延る血管を流れる血液の流れとリンクする。脳味噌すら考えることよりも感じることを優先にし、アドレナリンとかとにかくそこら辺のものの全ての スイッチがオンに切り替わる。その瞬間、暗闇の中でしか存在し得ない、外界とは全くの別世界が目の前にブワっと現れた。

 ロックだ。これこそまさに私のロック以外の何者でもない。ロックは私の日常であり、UNDERGROUND、実験的だとか言われる彼らの音楽も、私にとってはいたってこれで普通なのだ。理屈抜きの格好良さ。人の心を駆り立て、いけるところまで引っ張っていく力強さ。口に腕を突っ込まれて心臓をえぐり取り出されたような衝撃。人に言ったら気持ち悪るがられそうだけど、そんな事に感動する自分。

 演奏とともに巨大バックスクリーンに淡々と映し出された、何の変哲もない町並み、電車の車内、星屑を思わせるライティング。今ここで私が楽しんでいるライヴも日常のほんの一時であり、目の前にいるSONIC YOUTHにとってもそれは同じであり、今もそこの赤坂駅に電車は行き交うし、星も常に瞬いているし、海で魚は泳いでいるはずだし、地球の裏側は昼間だ。そしてそれは全くもって同時進行している。そんなことがあまりにも当たり前過ぎて、普通過ぎて意識できないでいるが故に、逆にこんな小さな一点で行われているライヴ会場で、私は抱えきれない、否定できない、沢山のとてつもなく大きな生命をずっしりと感じた。世界中のありとあらゆる全ての存在を、集中させまた凝縮させた音で表現できるバンド。それがSONIC YOUTHに他ならない。今日赤坂ブリッツがほんの数時間別世界になったけれども、実はそれも周りと同じく同時進行していたのだ。涙さえも溢れ出た。まさに生きている証拠だと感じた。

Reported by satomi takada

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