Elliott Smith @ Shinjuku Liquidroom (4th Dec '00)

生ギター1本、生身のエリオット・スミス

 

 

 

Elliot Smith  

 

 

Fishbone  

 

 

Elliot Smith  

 

 

 今年のフジロックでは、なごみのライヴを披露してくれたエリオット・スミスが、ソロアコースティック・ライヴをおこなった。ステージにはマイクと椅子だけで他には何もないシンプルなセットであった。

 会場のお客さんの入りは9割くらいで、かなり埋まっている。いかにも英米のインディーズ・ギターサウンドが好きそうな人が集まった。最近、モッシュ&ダイヴとかテクノで踊りまくるライヴにばかり行っていたので、この日のお客さんはちょっと新鮮だった。

 開演時刻を20分ころ過ぎたあたりでエリオット・スミスが登場。簡単な挨拶のあと、ギターを手にして歌い出す。今のテクノロジーが発達したこの時代に敢えてアコースティックをやるというのは、いろんな意味付けをされてしまう。曰く、人間の声とギター一本で、新たな音響を構築するのだ、自分の存在をギリギリまでさらけ出して観客と対峙する、など。

 ところが、エリオット・スミスはそんな過剰な意味付けも関係なく、飄々と歌っている。良いメロディと、良い声があればそれでいいのだ、というように。それは、自分の部屋にエリオット・スミスがギターを持って遊びに来たとか、新宿で飲んで次の店を探してビルの階段を上ったらそこにたまたまエリオット・スミスがいて歌っていたという感じなのだ。殊更、エキセントリックに叫ばずとも心に届くのである。演奏は「Son of Sam」のようにアコースティックならではのアレンジだったり、原曲に近いものなど様々であった。

 そんなリラックスした、ステージは中盤に差し掛かった頃、急に演奏を止め「(曲を)覚えてないんだ、ごめん」と言いながら別の曲を弾き始めるという場面が何度かあって微苦笑を誘っていたし、ブーイングもあった。エンターテイメントの意識に欠けて、プロじゃないじゃんと言う声もあり、自分もそう思ったりするのだけど、それでも許せてしまう雰囲気が確かにあった。フジロックで見せたようにバンドでやれば素晴らしい音を出すわけだし。

 他にも何か喋ってくれと何人かのお客さんにマイクを渡し(その渡されたお客さんの中には二日連続で喋ることになった女性もいて、ニューヨークまで追っかけたというエリオットへの思いを語った)、「良い話だった?グッド。言葉はわからないけどね」と笑わせたり、客に「早い曲と遅い曲のどっちが良い?」とか「悲しい曲とハッピーな曲のどっちが良い?」と尋ねたりしてした。

 アンコールは二回(前日はジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」をやったそうだけどもこの日はやらなかった)。フジロックの時には観客が静かなことを気にしていたけど、お客さんも暖かい拍手を送り心を癒されたような感じであった。ただ、次来るときはちゃんと曲を覚えておいてね。
report by nob and photos by nishioka
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