遠藤賢司 @ Shibuya On Air West (13th Sept.'00)
エンケンは... 永遠に不滅です!
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エンケンこと、遠藤賢司のライヴを初めて見たのは、今から四半世紀以前に遡る。それから幾度彼のライヴを見たことか... が、いまだかつて一度も退屈だと思ったことはない。いつでもステージから放たれているのは100%以上のエネルギーとパワー。今回のライヴでは彼の口からしきりに「歳」を気にしているかのようなコメントが漏れていたが、あの迫力は、この日、同じステージに立った「くるり」よりはるかに濃厚であり、衰えどころかますます鋭く尖ってきたエンケンを感じることができた。実にあっぱれ... というか、それこそがエンケンの魅力なのだ。ライヴのみならず、アルバムに関しても常に全力で立ち向かうのがエンケンだ。だからこそ、いつでも新鮮で衝撃で、感動を誘う。それはまだ10代の頃に見たエンケンと全く変わってはいない。
あのころのエンケンと言えば、10代の終わりか、二十歳になった頃だろう。トレードマークはカウボーイ・ハットと、かなりニール・ヤングを意識していたのを覚えている。後に、彼自身に話を聞いたら、実際にニールに会ったときにサインをもらおうとアルバムを何枚も持っていったというほどの惚れ込みぶり。結局、サインをもらえたのは1枚(『ハーヴェスト』か『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』じゃなかったっけ?)だけだったと、ちらりと無念さを見せて楽しそうに語っていた表情が、エンケンのニールに対する思い入れを十二分に物語っていた。そんな当時の彼にニール・ヤングを重ねるのも無理はない。さらに、その前に影響を受けていたのはボブ・ディラン。といっても、当時のいわゆるフォーク系のアーティストなら、誰でもそうだった。というか、誰もがそんなヒーローたちに影響されて音楽を始めていたのだ。
ただ、エンケンには、どこかでディランに影響を受けた一連のフォーク系アーティストとはひと味もふた味も違った微妙な輝きを持っていた。例えば、デビュー・アルバムとなる『Nyago』に収録されている「夜汽車のブルース」もアコースティック・ギターを使ったロックンロール。フォーク系の人たちの、いわゆる弾き語りと比べれば、彼の音楽にはもっと肉体的な響きを感じていたし、もっと直感的な音楽へのアプローチをしていたように思える。
あまりここに昔話を持ち込みたいとは思わないのだが、そんな彼の特質は続く『満足できるかな』のタイトル・トラックあたりでも感じられるし、一方では、「カレーライス」や「ミルクティ」といった曲で、ニール・ヤングのような線の細い声が「歌」にどうしようもない魅力を与えていたものだ。
そして、70年代後半に見せ始めていたアナーキーなまでの音楽センスがそんなエンケンにますます輝きを与えていく。特に傑作と名高い『東京ワッショイ』や『宇宙防衛軍』という2枚のアルバムだ。実に日本的な「踊り」を感じさせるタイトル・トラックから硬質な鋭さを持つロック・ナンバー「UFO」。あるいは、クラフトワークの元祖テクノに触発された「哀愁の東京タワー」(後者のアルバムでは演歌ヴァージョンとして再録音されている)、それに8分30秒近くの長さを微塵も感じさせないラヴ・ソングの傑作「ほんとだよ」(といっても、これが生まれたのはずっと昔なんだけど)など、名曲が収められたこのアルバムで、誰もが彼のピークが来たと思ったものだ。
ところが、それで終わらないのがエンケンだ。あまりにインパゥトの強いアルバムを制作すると、どうしても続く作品にかげりを感じさせたり、自ら作った世界にはまりこんでそれをコピーしていくアーティストが多いなか、彼はつねに変化しながらその世界を広げていった。残念ながら、80年代にはそれほどアルバムも発表していないし、目立った動きはしていなかったようだけど、(ひょっとして、そう思うのは、日本を離れていた自分が帰国して、仕事を探したり、執筆業に必死になったりと、自分に余裕がなかったからかもしれない)90年代以降のエンケンは、そんなことおかまいなしに一直線に突っ走って魅力をましているって感じかな。特に「夢よ叫べ」なんてたまらんぜ!
-- setlist -
-----遠藤賢司、アコースティック・セット-----
1. 夜汽車のブルース
2. ミルクティ
3. 早く帰ろう
4. 満足できるかな
----------くるりのセット---------
1. 惑星づくり
2. トレイン
3. もののけ姫
4. ブルース
5. 傘
6. (蒼い涙)
---------遠藤賢司、バンド・セット--------
1. 史上最長寿のロックンローラー
2. 東京ワッショイ
3. 荒野の狼
4. 踊ろよベイビー
5. 不滅の男
---------遠藤賢司、アンコール--------
1. 夢よ叫べ
2. 俺は勝つ
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report and photos by hanasan
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