Primal Scream @ Akasaka Blitz (12th Feb. '00)
-------PRIMAL SCREAMに撃たれた-------
初めて聴いたからSCREAMADELICAから何年たってるだろう? 凄い衝撃! かっちょい〜っ! ロックとかテクノとかが入り乱れてごっちゃになった世界。だけどこのA級のかっこよさは超ロック的!私が色々なジャンルに手を出す節操のない耳を持ってたのは昔からだったけど、それが決しおかしな事ではなくて、こーゆーヤツもいていい、と開き直ったのは他でもないSCREAMADELICAがきっかけの様な気がする。それも滅茶苦茶かっこいい方法で肯定してくれたのがボビーだった。そして、私だけでなく多くの人が同じ思いを抱いていたんじゃないかな。ひとつのカテゴリでは括りきれないグルーブがあるって事。
それから何年たったのか。秀作VANISHING POINT(あのポール・ウェラーにして、我が家から二千光年はなれた素晴らしい未来の音、といわしめた傑作)を経て、今作のEXTERMINATER は一部ではモロケミカルじゃん!等といわれたりしてるけど、かっこ良さにはかわりないぜ?
ボビーのどよ〜んとした、まるで死んだ魚の様な目(失礼!ボビー)を想像しながらブリッツへ向かう途中そんな事ばかり考えてる。風邪で頭が朦朧としている。これじゃあ、あのかっこいい針の先の様なPRIMAL SCREAMを堪能できないじゃないか。ブリッツについて早々にビールを買い込み、焦って風邪薬を流し込む。空きっ腹に酒と風邪薬。大丈夫かな?でも、そんな事は構ってはおれないのだ、今日は何が何でもボビーの目の前に陣取ってやる!
会場は既に1/3程度に人が埋まっており、ボビーが使うであろうマイクスタンドの真ん前、3列目くらいに陣取る。まわりは女の子ばかり。意外。ステージ上には軍用の様な、無骨なアルミ色のライトスタンドが等間隔に並んでいる。その後ろにはアルミ箔の様な銀色の生地みたいなものが。2月にでたばかりの新作exterminaterのCD表面にプリントしてあるものと同じタイポグラフィがステージ両サイドのスクリーンに写し出されている。PRIMAL SCREAMのアルバムにはいつもコンセプチュアルなものが嗅ぎとれるのだがステージも同じイメージで統一している様だ。
あぁ風邪薬が効いてきたみたい、ちょっと楽になったなぁ〜と伸びをした瞬間にフッと照明が消えた。ウオオオオオオオオ〜!! と歓声が沸き上がり、客席に緊張と期待がみなぎる。そこへフラ〜〜〜〜リとボビーをはじめとするメンバーが次々登場。ウプププ、このかっちょいーステージセットに似合わないラックスな登場の仕方♪ でもそこがまたかっちょいーのだが。
彼らが姿を現すやいなやオーディエンスは熱狂!!皆、どっと前に押し寄せてくる!キャ〜〜〜〜、まだ始まる前なのに死にそう〜!! ボビーは最近お気に入りなのか雑誌でもしょっちゅうサングラスをかけているけれど、この日もイカしたサングラスをしていた。
「F**K U.S.A!! F**K U.S.A!! F**K U.S.A!!」とボビーが煽って私達に言わせるといきなり怒涛のマッハ・ソング、SWASTIKA EYESでフロアは一気にビート天国へ!最初にこの曲もってくるなんて反則ですぜ、と言いたくなるくらいにオーディエンスは熱狂、一瞬身動きがまったくとれなくなる。す、凄い。どこかで誰かが「音に殺される」と言っていたけどまさにそのとおり。「音」というものがまるで掴んで触れるくらいの重量感をもって私達を直撃してくる。意志を持った空気の固まりを体の正面にぶつけられている様な感じ。
そして皆大合唱のYou got the money, Igot the soul♪のフレーズ、KILL ALL HIPPIES。そう、私達にはソウルがあるぜ!ボビーが客席にマイクをかたむけ、私達の合唱を拾い上げながら、彼の口の端がニヤリと笑っている。超クール!! (余談だが、この曲名がクレジットされたイカスTシャツが会場で売られていたのだが、ライブ終了後買いにいったら売り切れだった。無念。)
直撃してくるボビーの空気銃が私達をノックアウトしながらも筋肉を波立たせ脳みそを刺激してアドレナリンを放出させ、ドラッグのごとき恍惚感を与えてくれる。そのアドレナリンはROCKSでフル生産、フロアの熱はヒートウェーブ!!そして重苦しいグルーブのKOWALSKIで最高潮を迎える。人の波が凄い勢いでアタックしてくる。それを防いで自分を守るのが精一杯。しかし気持ちは昂って抑えがきかない!前のニーチャンの肩を借りながらジャンプ、ジャンプ!気がつくと人間の足が目の前にある。私の上をボディ・サーファー達が過ぎていく。(この夜、計3人が頭上を通過していった。)そしてそのダイヴァー達のはるか頭上では渦をまいて音がグルグルとまわっているのが眼に見えるようだ。ボビーは登場した時からつけているサングラスを外さない。「眼を見せて〜!」と絶叫するも無視。まぁ、私の声なんかかき消されて届いていないんだろうけど。マニが嬉しそうに演奏している姿が妙に印象的。なんだかいいヤツそうだな、マニって。
時間の感覚が狂ってしまったのか、ボビーが「Thank you!」と言って彼らがスーテジから去って行く姿でハッと我にかえる。え?もう終わり?なんだかまだ15分くらいしかたっていないんじゃない?(そんなハズはないのだが)え〜〜〜〜〜っ、まだ足りない!騒ぎ出した私達を哀れに思ったかの様に、すぐにステージに戻ってきてくれた彼らはいくぶんか熱気がひいたオーディエンスにまたも火炎瓶のごときグルーブを投げてよこす。そしてブリッツ中に炎上、爆発。
しかしその頃にはあまりのモッシュの凄さに、私は前列に留まるのが辛くなってしまい後方に下がろうと人波をかきわけ進んだが、いけどもいけどもモッシュピットはく...という感じでなかなかクールダウンしているゾーンへ辿りつけない。どんなに盛り上がったライブでも後方は意外に冷静に見ている人が多かったりするものだけど、今夜はボビーのマシンガンにやられてしまったのか、後方も前方と変わりない盛り上がり。私は途中であきらめて、少しでも体を楽にする為に、よりかかれる柵の前に安住の地を見つけてもたれかかりながらも拳をあげたり奇声を発したりして楽しんだ。
そして点火させられた私達の火はなかなか消えなくて、アンコール曲が後わってしまっても、もっともっと! とせがむ。彼らが去った後のからっぽのステージはまだまだ余韻を残して、まるで一晩中活躍しそうな雰囲気を漂わせている。そこへフラリ(ホントーにフラリという表現がぴったりの飄々とした足取りで)とボビーが帰ってきた。メンバーも次々に戻ってくる。わぁっと歓声があがる。「もう1曲ききたい?」「もちろん!」「じゃあMC5の曲で....(この後何と言ったのか聞き取れなかった)」とのヤリトリがあった後、KICK OUT THE JAMSで昇天。「カリスマ」という言葉が日本においては本来の意味と反対にかなり安っぽい響きを持ってしまったことが残念だ。ボビーに痛いほどのカリスマ性を感じながらそう思う。他にどうやって彼の凄さを表現すればいいのか?
そんな私の思惑とは関係なく「Thank you! Good night!」と言い残してボビーとマニは肩を組んで笑いながらステージを後にした。
ライブ終了後、当然のごとくTシャツはぐしょ濡れ。着替えを持ってきてよかった〜〜と心から思うほど、脱いだTシャツは脱水機にかけ忘れた洗濯物の様に重くてもってかえるのに閉口してしまった。大量の汗と共に風邪の熱もどこかに去ってしまった様子。(気のせいだったけど(笑))そして一緒に大量生産されたアドレナリンを失った脳は、会場を後にする頃至福のドーパミンで満たされたことは言うまでも無い。 |
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