世界中のアーティストとコンタクトをとり、わずか1分の長さで曲を作ってもらう... そして、そんな曲を集めて1時間のアルバムにしてしまう... というコンセプトで生まれたのが『ミニチュアーズ2』だった。そのタイトルからもわかるように、これはそのシリーズの2枚目であり、当然ながら、1枚目が存在する。では、どこからそんなアイデアが浮かんできたのか、まずはそのあたりから始まるのがこのインタヴューのパート2だ。 「このアイデアがどこから拾ってきたかって? 別にどこでもないんだよ。もちろん、インスパイアさせてくれたものはあるんだけどね。例えば、マルセル・デュシャンって、1920年代のフランス現代芸術のアーティストさ。驚異的な作品を作って、現代芸術の世界に衝撃を与えた人なんだけど、彼が晩年に面白い作品... ミニチュアを作っているんだ。スーツケースのなかに約50の主要作品のミニチュアを作って入れたんだよね。彼にとって重要なのはそれぞれの作品のコンセプトであり、『もの』ではなかったということで... だから、彼がそのスーツケースを開けて、『さぁ、これが僕の作品なんだよ』って見せることができるわけさ。 それと、ピート・シーガー(ウッディ・ガスリーと並び、アメリカのフォーク史を語る上で欠かすことのできないアーティスト)の作ったアルバムがあってね。彼がよく知られた曲を全てバンジョーで演奏しているんだよ。フォークじゃなくて、クラシックとか、ジャズとかの曲や... ベートーベンの第九をバンジョーでやったり... しかも、約1分ぐらいの長さでね。それにくすぐられたってのかな。荘厳で厳粛っての、大嫌いでね。あれほどまでに有名であがめられている曲をこんなタッチで仕上げてしまうなんてのが最高に思えたんだよ。思うに、この二つがアイデアの基盤だね。 それに、チェリー・レッド・レーベルでは、本当に自由になんでもやってもいいということになっていたしね。だから、いろんなミュージシャンと一緒になにかできないかってずっと考えていたんだ。僕自身とのコラボレーションでもいいし、コンピレーションでもいい。でも、ものすごい数のミュージシャンと一緒にやりたかったんだ。だったら、彼らに1分間を与えるって感じでやれば、数多くのミュージシャンと仕事ができる... もちろん、ミュージシャンじゃなくても、アーティストであればいいんだけど。というので、100ぐらいのアーティストの名前を書きだして始めたんだ」 加えて、彼の音楽に対するどん欲なまでの欲求がこの背後にある。 「昔から、全く違ったヴァラエティに溢れているアルバムが大好きなんだよね。例えば、ビートルズの『サージェント・ペパーズ』や初期のフランク・ザッパさ。1曲1曲が全く違うんだよね。素晴らしいと思うんだよ。どんなタイプの音楽でも大好きだけど、腰を据えて同じようなタイプの音楽をアルバム通して聞くなんて退屈なんだよ。ホント、いとも簡単に飽きてしまうんだ。どれほど素晴らしいアーティストの作品でも... 自分の頭がどこか他のところに行ってしまうというか... それに対して、『サージェント・ペパーズ』なんて、とんでもないと思うんだ。それぞれの曲が物語のようで、これを聞いていると、離れられなくなっちゃうんだよね」