遠藤賢司
不滅の男、エンケンの声を聞け
-- part5 --
●デビュー当時、エンケンは、プロテスト・ソングを歌ういわゆるフォークのメイン・ストリームからは浮いていた気がするのだけど?
「俺は、音楽として人の前で歌って言葉にしたときに、同じ土俵に立つんだったら、後ろに何かの運動体を率いては闘いたくないんだよね。やっぱり一人でやりたいんだ。でなくちゃ嘘だもん。俺は一人で自分のことをきちっと歌うのが、本当のプロテストだと思ってる」
「俺はボブ・ディランの“風に吹かれて”って曲が反戦歌だとは全然思ってないんだ。ただ“いい歌”としか俺は捉えたくないんだよね。ボブ・ディランは『あの歌は反戦歌だ』って言ったかは全然知らないし。ピート・シガーは、人民の運動として、人々の本当のフォーク・ソングとしてやってるから、それはまだ分かるんだけど、ボブ・ディランは違うと思うんだよね。でもどちらにしても俺にとって大事なのは良い歌か…つまらない歌かだから。」
10代、そして20代前半のエンケンが過ごした時代は、今の日本からすると信じられないが、学生運動がさかんだったという、あの60年代だった。
「学生運動のまっただ中の頃、『何で俺たちが正しいのに、お前はわからないんだよ』って、女の子に多勢に無勢でいじめてるのを見たことあるんだよ。そんなのすごくいやだよね。その時、俺はギターを弾き始めたばっかりだったんだけど、『俺は絶対こういうのはいやだな』って思ったの。俺は、国民の一人一人が自分のことをきちっと歌うのが、本当のプロテストじゃないのって思った。それはあんまり言わないでずっとやってきたんだけど、最近はよく言うようにしてるんだ。危ないしね」
「(当時のプロテスト・ソングが)どういう歌かは全部聞いたわけじゃないからわからないよ。いい歌もあったかもしれないしね。一生懸命やってた人もいたし、きちっと一人で戦っていく要素も含めて良い歌を歌ってた人もいたよね」
では、エンケンにとってのプロテスト・ソングとは、いったいどんな曲を指すのだろう。
「そういう意味じゃ、岡林信康の“手紙”と“チューリップのアップリケ”、あと三輪明宏の“ヨイトマケの唄”は、根本的な、本当のプロテスト・ソングだと俺は思ってる」
当時は放送禁止歌というものが数多くあったというが、ここでも名前のあがった岡林信康の名曲、“手紙”もそのひとつだ。ところで、エンケンの曲が放送禁止歌になったことはあったのだろうか。
「俺は、ない。昔は時代が時代だったから、これは放送禁止になるだろうなって言葉をわざと使ってる人もいたね。放送禁止になるのが売り物の人もいたような気がする。それはそれでいいけど。でも、本当は俺の歌のほうが恐いと思う。俺はね、国民一人一人が自分はこう思うんだって言ってる国が一番素晴らしいし、為政者にとって一番恐いことだと思うから」
遠藤賢司ロング・インタビュー、前半はここまで。エンケンが、さらに音楽への思いを語る後半は、まもなく掲載です。お楽しみに。
interview by rad and photo by hanasan |
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*岡林信康のデビュー・アルバム
いわゆるプロテスト・ソングといえば、名前がでてくる曲が収録されている岡林信康のデビュー・アルバムなんだが、そういった偏見や前提なしに聞いてほしい、日本のフォーク・ロック史を考えるときに最も重要な意味を持つ傑作アルバム。ただ、もうひとつの名曲「チューリップのアップリケ」は現在では入手不可能のようで、当時、ビクター音楽産業から発表された作品集に収録されている。詳しくは当サイトのレヴューをチェック。また、関連記事として役者、有馬理恵の芝居釈迦内柩唄(しゃかないひつぎうた)もあります。 |
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*三輪明宏
17歳でデビューしたアーティストで、57年に「メケメケ」が大ヒットしているのだが、なんと言っても、衝撃だったのは「ヨイトマケの唄」だろう。この歌に関してはこんなページを発見したので、ここを読んでもらえれば歌の背景や意味がよく理解できると思う。日本屈指のシンガー・ソングライターとして当時から異彩を放っていた。演劇人として作家として作詞家としてとてつもない影響力を持った寺山修司の劇団、天井桟敷の67年の作品、『青森県のせむし男』などに主演したり、割腹自殺を遂げた作家、三島由紀夫に劇化された『黒蜥蜴』に主演するなど、その活動は多岐にわたる。三輪明宏の公式サイトはこちらです。 |
mag files :
photo report (04/04/08 @ kameria hall) : photo by izumikuma
photo report (04/01/31 @ Kichijoji Star Pines Cafe) : photo by hanasan
エンケンは... 永遠に不滅です! (00/9/13 @ Shibuya On Air West) : review and photo by hanasan
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The official site of
Kenji Endo
http://www.enken.com/
live schedule : (予定)
guest : Shigeru Suzuki
5/25 (tue) : Kyoto Takutaku
5/26 (wed) : Shinsaibashi Club Quattro
5/27 (sat) : Nagoya Tokuzo
6/3 (thu) : Shibuya Club Quattro
*詳しくはこちらでご確認ください。
previous albums :

"東京ワッショイ" (傑作中の傑作です)
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The latest album is ;

"純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集"
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