ボタン 遠藤賢司

不滅の男、エンケンの声を聞け vol.1

-- part1 --
●一番最初の音楽って何でしたか?

「一番最初の音は、雨垂れだね。俺が1947年生まれだから、親父とお袋が敗戦後北朝鮮から引き上げて来て、茨城県の勝田市ってとこに住みはじめて。市営住宅だと思うんだよね。そこで生まれたの。雨漏りのすごい家だったから、雨降って来たなって思うと親父とお袋が、鍋とか釜とか茶碗とかありったけの物を置いて。五、六ヶ所でポツポツポツポツ始まって。その音が、なんて奇麗な音なんだろうって思った。自分の中で意識した音はこれが初めてかもしれない」

「日常の音がすごくきれいだった気がした。うちのお袋がおばあちゃんと喧嘩して、うちのお袋は気が強いから、おばあちゃんがお袋に追いかけられて、木のたらいをバーンとひっくり返して逃げてく音とかね。そういう光景も、全部いい音だね。今でもすごい好きだね、音は」

遠藤賢司  そんな風に、音の原体験を話してくれたエンケン。インタビュー場所として招かれたエンケン仕事室には、ちゃぶ台、白黒テレビが置かれ、ソノシートの付録付きの雑誌まである。エンケンが育った日常はこんな風だったのだろうかと、ふと思う。

「うちは別に音楽一家でもなんでもない。ただ、お袋は色んな音楽を聞かせてくれてたね。外国の曲とか日本の童謡とか。あとハーモニカを教えてくれたんだよね。ラジオから流れてくる、『新諸国物語』っていうラジオドラマがあったんだけど、そういうのを聞いて、『いいメロディだな』って思った記憶はあるね。うちの親父は演歌や軍歌が好きで。俺も好きだけどね。島倉千代子とか、五月みどりだね。あと、なんて綺麗な歌なんだろうなって思ったのは、三橋美智也とザ・ピーナッツかもしれない」

 幼少から音や歌にふれていたエンケン。楽器がエンケンを呼んだのだろうか、少年時代のエンケンは、家を飛び出してこんなことまでしている。

「家の近所に小学校があって、まだ小学校に行ってなかったんだけど、夏休みで、誰もいない教室に入っていって足踏み式オルガン弾いたんだよね。弾いたっていうか、立ったままパカパカパカって。それで、ものすごい興奮して来て。そのうち雷がビャーって鳴って。普通だったら恐いじゃない。それがまた相乗効果で、立ったままパカパカパカパカやって。楽器を弾いたっていうのは、それが初めかもしれない。今思えば、ジミー・スミスの"ザ・キャット"の世界だよ。すっごい興奮してたから」

 まだ入学もしていない小学校に忍びこむエンケン少年には恐れ入るが、そのときから音を出すことの基本は変わらないというのにも驚く。

「(オルガンを弾いたときは)ただ叩いてただけだと思うけど、それは今でも変わらないね。音は叩くものだと思ってるから。『奏でる』っていうよりも、『叩く』。叩くのが強弱であるだけで、それが『奏でる』って言葉が優しい音がするように聞こえるけど、実はみんな、ただ叩いてるってことで。それは自分の心を叩くってことだから。自分の心に響くかどうかっていう問題。ただそこしかないから。俺は自分の心を叩くっていうのは一番正しいと思ってる。根源はそれしかないと思うんだよね」



interview by rad and photo by hanasan

vol.1 Intro / part1 / 2 / 3 / 4 / 5
vol.2 Intro / part1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6

The Incredible Jimmy Smith

The Incredible Jimmy Smith

"The Cat"
国内盤 / US import
*The Incredible Jimmy Smith

 言わずとしれたオルガン・ジャズの代名詞のような人物、ジミー・スミスの名作中の名作。これを聴かずしてオルガン・ジャズなんて語れません。名門レーベル、ブルーノートでも最も多くのアルバムを録音した人物で、ファンキーでブルージィな、ほとんどR&B的なジャズはどれを聴いてもいい。ジャケットの好みでは『Back at the Chicken Shack』あたりがおすすめで、UFOやKyoto Jazz Massiveあたりがジャズを再発見していったとき、このあたりのアルバムがDJのこのみとして、大きな脚光を浴びている。しかも、ここでアレンジをしているのはブルース・リーの映画『怒りのドラゴン』などでおなじみ(か? 普通、そんなことまでチェックしないと思うけど)ラロ・シフリン。他にもオリジナルの『スパイ大作戦』とか『ダーティ・ハリー』も有名どころ。

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Kenji Endo

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live schedule : (予定)
guest : Shigeru Suzuki
5/25 (tue) : Kyoto Takutaku
5/26 (wed) : Shinsaibashi Club Quattro
5/27 (sat) : Nagoya Tokuzo
6/3 (thu) : Shibuya Club Quattro
*詳しくはこちらでご確認ください。


previous albums :

遠藤賢司

"東京ワッショイ" (傑作中の傑作です)



The latest album is ;

Kenji Endo

"純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集"


previous works...

compilationなど
"1969フォーク・ジャンボリー" (live 3trax)
"1970フォーク・ジャンボリー" (live 1track)
"アシッド・フォーク・ヴィジョン" (compilation 3trax)
"1971フォーク・ジャンボリー vol.1" (live 3trax)
"第4回フォーク・キャンプ・コンサート" (live 1track)
"黎明期ライヴ!" (初期のライヴ10曲収録)
"GOOD MORNING JAPAN~ハガクレTHE BEST" (compilation 1track)
"ニューロックの夜明け 番外編9 キング・ニューロック・シングル集" (2trax)
"ニューロックの夜明け番外編3 Toshibaエキスプレス・ニューロック・シングル集" (3trax)
"ニューロックの夜明け番外編 Polydor・ニューロック・シングル編『 自由に歩いて愛して 』" (2 trax)
"パック・イン・ミュージック" (1 track)
"URCアンソロジーVol.1 URCの誕生" (1 track)
"ニューロックの夜明け番外編4 『 URC“発禁”ライブ・セレクション 』" (2 trax)
"テクノ歌謡コレクション*King編 エレクトリック・ラブ・ストーリー" (compilation 2 track)他

DVD
"ROOTS MUSIC DVD COLLECTION Vol.6" (7 trax)
"FANDANGO NIGHT 2003@新宿LOFT" (1 track)
"ROOTS MUSIC DVD COLLECTION Vol.9 ROOTS MUSIC 音楽祭1 " (4 trax with 中川五郎、高田渡)

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