聞く人の心を揺さぶりたい...
80年代初期以降、フォーク・アーティスト、シンガーソングライターと呼ばれる人たちが進むべき方向性を確立するのに一役買ったのは、エディ・リーダーその人だった。1988年に自身のバンド、フェグラウンド・アトラクションがリリースした曲"パーフェクト"が大ヒットし、天使のような彼女の歌声と前向きな考え方は英国のミュージック・シーンの定番にまでなっていた。
フェアグラウンド・アトラクションが解散してからは、エディはソロとして活動を続行。ファンのみならず、音楽評論家をも歓喜ている。そのエディが今月、アコースティック・セットで来日を予定しているのだが、これはその直前の電話インタヴューだ。.
グラスゴー生まれの彼女は、叔父や叔母の60年代シングル曲やラジオを聴いて育っている。家族の集まりがある時には必ず親戚中で歌を歌うような、"歌うたいの家族"だったと彼女は言う。みんなが己の魂を歌に込め、「まるでオーケストラの中にいるみたいだった」。「誰も譜面なんて追いやしないの。でもその方がいいのよ、自分たちの持っているものすべてを歌に込めることができるんだから。」と思い出を語るエディ。
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エディは幼い頃に歌い始めている。11歳で既に地元のバーに忍び込み、昼下がりから一杯やっている酒飲みたちの前で歌っていたというのだ。また、彼女は団地の階段の吹き抜けを掃除する仕事をしていたことがあり、その音響が自分の発声の技術に磨きをかけるのに効果的だったとも語っている。その後ストリートで歌い始めたこと、それが彼女にとって本当の意味での"現場実習"になっていた。大人になると、グラスゴーからロンドンへ、パリからベルギーへと移り住んでいる。そこでは市場で小銭稼ぎのために演奏するということも経験。
「どういう風にすれば受けるか、人々はどんなものが好きなのかをそこで歌うことによって学んだわ。どんなのが好きで、コインを投げてくれるのか知ることができたの。」
人生を歩む中で、変化は誰にでも訪れる。同時に何も変わらないものもあるだろう。今では2児の母であるエディは、自身の音楽のキャリアと、母親としての生活とでうまくバランスを取る努力をしている。そんな変化の中でも、彼女の基本的な生き方は何も変わっていない。
「みんなの前で歌うのがただ好きなのよ」
行ったことのないところでどこか歌いに行ってみたい場所はありますかとの問いに彼女はこう答えている。
「場所はあまり関係ないの。どこで歌おうが、誰に対して歌おうが、わたしが歌うことを楽しんでくれることでその人たちの感情を揺さぶることができるし、それはわたし自身にも伝わるから。人を感動させることができるんだって思うし、自分もそれを共有できるってことがうれしいのよ。」
作曲の過程について質問すると、「何でもアリね」。メロディが先に出てくることもあるし、歌詞から作ることもある。曲作りのパートナーであるブー・ハワディーンと一緒に、時にはトーンやテーマを変えながら、曲を組み立てていく。彼らが曲を作るときはほとんどの場合完成したら即レコーディングに入るという。
「できたばかりの歌詞を持ってそのままスタジオに入って録音してしまうこともあるわ。」
ニューアルバム『ドリフトウッド』(2002年1月日本発売)に関して、エディは次のように語ってくれた。
「『ドリフトウッド』は、あらゆる意味で『シンプル・ソウル』(2001年にリリースされたアルバム)の片割れのようなアルバム。実際、レコーディングした時期は一緒だし、両方ともブーの家のリビングで作ったの。」
『シンプル・ソウル』に収録されなかったのはどうしてかというと、
「...暗かったから。『ドリフトウッド』の1曲目("オールド・ソウル")は『シンプル・ソウル』に入っている"魂を感じて(I Felt A Soul Move Through Me)"の別バージョンなのよ。『ドリフトウッド』のバージョンの方がわたしは良いと思ってるんだけど。」
ブー・ハワディーンはもう長いことエディの音楽の一部となっている。ふたりが出会ったのはフェアグラウンド・アトラクションの解散と、エディの結婚などの出来事があって間もなく。エディにとって少し辛い時期だった。その頃、NYのソーホーで暮らしていたエディは、彼の演奏を耳にして自分と彼との音楽に未知なる可能性を感じて、一緒にやらないかと持ちかけたのだという。その後は歴史が物語る通り。
「わたしはどちらかというと自分の音楽に対して自然体でいる方。一方ブーはより体系的ね。」
エディは言う。7年以上も一緒にプレイしているのだから、その違いも良い方に働いているのだろう。
エディとブー・ハワディーンはギタリストのコリン・リードと共に日本のファンのためにアコースティック・セットの"真髄"を披露することになるだろう。
「もっと新しい曲も演るかも」
と彼女は語っているのだが、とにもかくにも、ライブならではの彼女らしい突発的な演出が見られるはずだ。
「もちろんセット・リストはあるけど、もし突然歌いたくなる曲があったら歌っちゃうわ。バンドが気づかなくても自分ひとりで歌うわよ。」
今回のショーは、熱心なフォーク・ファンにとっても入門編としても必見のライブだ。彼女のポジティブさと自信に満ち溢れた雰囲気はきっとオーディエンスに伝染し、ライブが終わっても笑顔で会場を後にすることができるはず。
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interviewed by jinki &, translated by kaori and photos by hanasan
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