ブンブンサテライツ @ 大阪ビッグキャット(25th Jun. '06)
踊れよ
日本が世界に誇れるバンド、ブンブンサテライツ。ソニック・マニア2005で初めて彼らのライブを目撃し衝撃を受けた。数ヵ月後、発売直後だった前作『Full of Elevating Pleasures』を「お土産」として数枚を英国へ持参したのだが、あちらの人々の反応は上々。もっとも、日本国内よりも先にヨーロッパをはじめとした海外で評価を得てきたバンドなのだから今さら驚くことではないのだろうが。あれからわずか1年足らずで発表された最新作『ON』。遠い知人に郵送した数日後、"Beat It"が実際に海外のラジオから流れてきた時は正直、驚いた。
「アルバムも良いかもしれないけれど、とにかく彼らはライブが素晴らしいから」と、いつも決まって手紙等に書き添えているのだが、自分自身、先に述べた昨年2月のフェスティバルと7月のフジ・ロック・フェスティバルでしか彼らのライブを体験していない。それでもそう言えるだけの確信はあったのだが、果たして単独公演ではどんなライブを見せてくれるのだろうか。
日曜日ということも関係するのだかどうだか、いつもに増して身軽な格好の若者たちがズラズラと階段に列を作り入場待ち。あまり数の多くないコイン・ロッカーはあっという間にいっぱいで、会場内は入り口付近から既に湿度が高く蒸し暑い。フロアー内は早くから場所を確保する若者が床に座り込み(へたり込み、という方が合っているかも)、だんだんと人が増えてきて係員が立って前に詰めるように促してもまだ座ったままの者も数名いたのが目に付いたのだが、ソールド・アウトだったこの日、客電が落ちた瞬間から割れんばかりの大歓声が沸き起こった。
6月8日の東京公演のレポートにもあるように"Kick It Out"で幕を開けた。始めの一音が鳴ると同時にフロアー全体が大きく縦に揺れ始めた。その後はひたすら踊りまくり跳ねまくりで、ビートに合わせて汗だくになっていきながらもみんな一様に満足した表情。豆粒サイズよりも大きい彼らを見たのは初めてだったが、序盤、淡々と演奏するその姿は熱すぎる客とは対照的で、しかし、終盤には中野、川島、両名がステージ前方まで出てきて弾いてみせたりする場面も。観客のエネルギーを吸収しそれを彼らに返す、というところにまでは至っていないようにも思えたのだが、踊らされっぱなしの観客は全く休んでいる暇などない曲順で、これが楽しくないはずはない、といったところだっただろうか。
そんな様子を見ながら、ふと、以前に雑誌か何かのインタビューで彼らが使っていた「フロアー・フレンドリー」という言葉が頭をよぎった。確かに、このところは「ロックな」楽曲ではあるし、そこが個人的には気に入っているのだが、少なくとも、この日のライブを見ている限りでは、「あぁ、みんな踊りに来てるんだなぁ」と感じざるを得なかった。彼らの音は「聴く」ものではなく「踊る」ためものというだけではないとは思うのだが。会場が小ぶりで客とステージの距離が近い分、伝わるものも多いのかと思っていたが、むしろ彼らの場合はもっと広い場所で遠くまで爆音を飛ばす方がより多くのことが多くの人に伝わるのではないだろうか、そんな気がしたライブだった。
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