赤犬 vs DMBQ / Guest 水中、それは苦しい @ 新宿ロフト(5th May. '06)

変態どもの宴
 この危険極まりないブッキングにGOサインを出してしまった責任者は誰だ。赤犬&DMBQという組み合わせの時点で反核団体辺りからクレームがついてもおかしくないのに、オープニング・アクトを務めるのは例のあのバンドである。何が起こってもおかしくない。ロックンロールに死に場所を求めている人間としては行かざるをえないメンツだ。少し早めにロフトの店舗前に着くと、そこは変態どもをわざわざ金払って観にきた大変態どもの行列ができていた。そろそろ本当に世界は終わるのかも知れない、と思わざるをえない光景だった。
【水中、それは苦しい(OPENING ACT)】:
 このバンドについて書くのは本当にいつも困る。どう頑張っても、あの微妙すぎる空気感を文章で再現できないのだ。自らのMCで窮地に追い込まれ、それでも土俵際でなんとか凌ぎきるジョニー大蔵大臣の底力には相変わらず感心させられるが、その失笑ネタをここでもう一度書いてみたところで面白さは絶対に伝わらない。はてさて、どうしたものか。
 まあいい、仕方ないので思い出せることから書いていく。まず、曲タイトルを言う度に、客から意味不明のざわめきが起きる。"まんがで読む日本の北斗の拳"とか"鹿の大群 VS 鹿"とか、客が題名に思わず突っ込もうとする矢先のタイミングで演奏を始めてしまうから、会場はますます微妙な雰囲気になる。ハードコアと壮大なロッカ・バラードの融合曲"安めぐみのテーマ"、密かな美メロ(歌詞で台無しだが)を聴かせる"カミングアウトの撤回"など聴き所がたくさんあったが、それよりもむしろ、終演後に物販席で叫んでいた「塩コショウの塩と胡椒を分けるバイトをしてます〜」という呼び込みに魂を抜かれる気がした。
【DMBQ】:
 まずは新ドラマー・和田シンジに注目。いきなりほとんど全裸で登場、しかももったいぶってなかなか演奏も始めないその様子は、明らかにキングブラザーズ時代より変態っぷりに磨きがかかっている。フロントの連中も全員が全員、友好性のかけらも感じられない不適な面構えで、ロックがいつの間にか失ってしまった'70年代あたりの「あの」危うさを嫌でも思い出させてくれる。
 演奏は爆音でサイケ。終盤には分解したドラムキットを客席にぶちこみ、客の頭の上で組みなおして、果敢にもさらにその上で和田が演奏に挑戦する。この時下でバスドラやスネアを支えていた人は、大変だったろうが幸せだったと思う。遠巻きに観ていただけではいつしかその記憶は風化していく。しかし、和田がぶっ叩くドラムパーツから、自分の体に直接伝わってくる振動は、まるで石版に彫ったかのように記憶領域に確実に刻まれるはずだ。自分はその時そこにいたのだと確かに実感できる感覚。それこそがリアルなのだ、と思う。
【赤犬】:
 こういう変態連中の変態行為をわざわざ全世界に発信しているオレの仕事ってなんなんだろう。よく知らない、という人はこことかこことかこことかを参照してみてください。周りに人がいる所では絶対にクリックしないほうがいいですけど。堅い会社だったら下手すりゃクビになりかねん画ですから(ま、そんなところに勤める人がスマッシング・マグを巡回してるとも思えんが……)。
 この日の赤犬も相変わらずのおバカ路線まっしぐら。ボン・ジョヴィ"You Give Love a Bad Name"のコール・アンド・レスポンスから始まって、いつもの大仮装大会(この日は最初バイキングから始まった)、でも選曲は一年前にここで演った時とほとんど同じ。MCは、小林ひとみのDVDは声がイイとか、メンバーの風俗通いがどうとか、とにかく救いようのない話をひたすら延々と続ける。バンドがステージを去った後、呼び戻す客が一体となって叫ぶのはアンコールならぬマン(さすがに自主規制)ール。なんなんだろう、オレの仕事って。
check the album?
赤犬20世紀

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