バンダ・バソッティ @ パルコ・デグリ、ローマ(17th Apr. '06)

 正直言って、このライヴがなにのために開催されていたのか、明確には理解できなかった。まともに会話ができないもどかしさがその裏にあるのだが、あえて今回使用したこのイヴェントのポスターから、このイヴェントのキーワードが、戦後60余年、そして、1944年だというのがわかる。イタリア語も理解できず、彼らも片言でしか話すことができない英語でなんとか会話をして想像できたのは、強制収容所から多くの捕虜、市民が解放されたことにこのイヴェントが絡んでいるということ。
 イタリアではナチスに戦いを挑んだ抵抗勢力をパルチザンと呼んでいるのだが、これまでもパルチザンに絡んだイヴェントでのバンダ・バソッティを幾度も見ている。そのたびに思うのだ。日本では、東条英機のファシズムに対して闘って、抹殺されてきた人たちが一向に評価されず、誰もなにも語ろうとはしていない。ところが、イタリアのみならず世界中で、ファシズムに闘ってきた無数の市民達が、必ず評価され、あの時代の愚かしさを反省した上で、新しい時代に向き合おうとしていることを体験するのだ。なぜ、そうなんだろうか?というよりも、なぜ、私達はわずか数十年前の歴史に向き合うことをしていないんだろうか? と、そんな疑問がわき起こる。
 どの時代も切り取られて、独自に存在しているわけではない。明らかに私達はその連鎖のなかで生きている。が、はたして私達はそれを感じとり、理解しているんだろうか? 日本を離れて、さまざまなバンドを取材している時に思うのは、いつもそういったことのように思える。
 すでに数度の来日を経験し、フジ・ロックでも好評だったバンダ・バソッティ。ヨーロッパではオルタナティヴなバンドとして大きな評価を獲得している彼らも、日本での知名度はまだまだだと言っていいだろう。が、過去20余年にわたってさまざまな音楽を取材してきた筆者にとって、これほどまでに「身体を震わせ、エネルギーを感じさせる」バンドはいなかった。これからも、彼らを追いかけ続けようと思う。なぜなら、彼らの音楽には「なぜ音楽なのか」という問いかけに応える鍵があるように思えてならないからだ。
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Amore E Odio

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