バンダ・バソッティ @ フィレンツェ・フロッグ(29th Mar. '06)

 例年だったら、日本からのバンドやヨーロッパのバンドをゲストに、この時期に彼らが開催していたのがStreet Beat Festivalというツアーだった。が、彼らにとって最も重要な場所、ローマのヴィラジオ・グローバレに設置されていたテントが警察に没収され、そこでの開催が難しくなったことから、今年は単独でのツアーとなった。なにせ、その会場とはスクォッティング(廃屋などを占拠して活用する、一種の市民運動)から発展したイタリアの「セントロ・ソシアル」。全国に150を超える、コミューンのような場所の中心的存在だ。なんでも彼らは警察に抵抗して、撤去から五ヶ月後に、ちょっと場所を変えて新たにテントを設置。が、フィレンツェでのライヴが開かれた時点でさえ、「再び警察に没収される可能性がある」と、不確定要素の大きさから他のバンドを招かなかったということだ。
 そういったオルタナティヴな世界に生きる彼らのライヴが圧倒的な迫力を持っていることはこれまでに幾度もレポートしている。まるでバンダ・バソッティを核に、そして、共に「声を上げる」のが目的であるかのようなオーディエンスの熱狂やその迫力は、おそらく、現場で体験してみないと、本当にはわからないだろう。バスクやカタロニアといった、独立を求める国々の旗がはためき、農民の鎌、と労働者のハンマーをシンボライズした旧ソヴィエト国旗も目にはいる。虐げられた民の象徴である、それは、彼らにとって抵抗のシンボルであり、バンダ・バソッティの音楽はそのエネルギーを昇華させるになくてはならない武器のようにも思える。特に、この時点で総選挙が間近だったこともあり、会場ではベルルスコーニ首相を罵倒するシュプレヒコールが頻発し、それがライヴの波にのまれていくのだ。
 久しぶりに地元イタリアで彼らのライヴを体験して、再び身体が震えることになる。すでに十分わかっているつもりでいても、現実にそれを体験すると、その異常なまでの熱気に、「なぜバンダ・バソッティなのか」を再び考えさせられるのだ。過去5年ほどだろうか、彼らを追いかけ続けているのは、そこに「さけられない衝動としての、ロックの原点のようなもの」を感じるから。と、言葉にすればそうなんだろう。実をいえば、ここ数年、イギリスやアメリカのバンドにそういったことを感じたことはない。後に彼らの前座として演奏したイギリスのバンドも「何かがイギリスとは全然違うんだ」と聞くことになるんだが、バンダ・バソッティの音楽は、ただ音楽ではないからなんだと思う。それが政治や社会的な問題への意識なのかもしれないが、それだけじゃないだろう。それに、それだけを取り上げて彼らを語る前に、当たり前の人間が抱える喜怒哀楽からそういった意識が生まれ、歌が生まれ、ライヴがあるのだということを認めるべきじゃないだろうか。いずれにせよ、チャンスがあれば、彼らのライヴを是非体験してもらいたい。すでに日本でも同じようなリアクションが生まれつつあるが、ヨーロッパで見る彼らの迫力は想像を遙かに絶するはずだ。
 なお、彼らのフジ・ロックへの思い入れたっぷりな「Fuji Rock」やブルーハーツの「情熱の薔薇」のカバー、あるいは、スカ・ファンにはおなじみの、そして、ライヴでも定番となってしまった「レヴォリューション・ロック」のカバーも収録された新しいアルバムが"Vecchi Cani Bastardi"。どうやら、日本での発売も決まっていないようで、入手も難しそうだというので、数枚でも日本に持ち帰ろうかと思う。もし、購入希望の方がいるようだったら、hanasanまで「バンダ・バソッティの新しいアルバム希望」と書いてメールで申し込んでください。多くの数には対応できないと思いますが、送料込み2500円を目安にお譲りしようと思っています。なお、手持ちの枚数がなくなた時点で、この応募については終了させていただきます。
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Amore E Odio

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