特集 : 朝霧ジャム - It's a beautiful day
Sun Paulo - 溢れる想い-
パーティー? レイヴ? ほど遠いぜ! と思っていたあの頃、ボクはまだ限りなくキッズだった。高校の頃からライヴに金の糸目を付けていなかった(もちろん金には限りあるキッズだったが)せいもあって音楽の場に自分は存在している気だったけど、やはりまだまだ甘かったのだなと感じる出来事、それは何のあれだったか忘れたけど中目黒で催されたシアター・ブルックのパーティーに顔を出したことがきっかけで突如として起こる。
そこではシアターというかきっと佐藤タイジさんの交友関係で集まったひとたちが食事・お酒をたしなみ優雅に会話を楽しむという自分には見慣れぬ光景が待ち受け、その場のオシャレぶりに若干21才はタジロギの色を隠せなかった。しかし、そんな動揺すら霞む衝撃的なライヴをそのとき体験した。どんなものにも増して脳裏に刻み込まれる体験、それがサンパウロのライヴであったことは約2年経った今でも忘れない。
サンパウロというバンドは上で触れたようにシアター・ブルックに深く関わりのある... というかメンバーの佐藤タイジさん(vo、g)と沼澤尚(dr)さんはシアターとサンパウロを両方兼ねていて、タイジさんはやっぱあの存在感だからふたつのバンドが別物とは考えにくいわけで、両バンドは兄弟関係のようなものかと。他のメンバーとしてキーボードの森俊之さんがいるのだけど、彼の存在はギンギンなサンパウロに必要不可欠。サウンド的にはなんだ、トランス直系の生々しいロックかね、それともロック直系のトランスかね。や、そのへんは今からレポしましょ。
朝霧にサンパウロ。ヤヴァいでしょ。トランスという言葉をさっき出したけど、彼らはロック・バンドでありながらレイヴに出演したりしていて、取って付けたようなトランス気取りではなく血肉に渡ってあっちの音楽が巡っている。そんなひとたちの野外演奏はそら恐ろしい力を持っているわけで、普段ボクが「レンチやアブラハム・クロスを野外で演奏させろ」と息巻いてるのもそこからきていて、山奥系のロック・バンドは野外の元気を借りてエネルギーに還元できるのだ、きっと。その証明にもなったサンパウロのライヴ、かなり溢れたよ。
琉球ディスコ明け。同じダンス・ミュージックなれどレコードの針からドラム・スティックへ、リズムの指揮棒が大きく形を変えた瞬間。しかし大きく変わったのはそれだけじゃなくて、あのビジュアルだ。おそろしく怪しいひと... そうとしか言えん白さ。そして怪人仮面が奏でる音楽はそれ以上に印象的で、果てしなく大きい。 煌めくキーボードのサウンドから完全に空間系の歪みをみせる浮遊感のギター、そっから遅れて強制力バリバリのドラムが入るという流れ。あり得ないくらい正確に刻み込まれるタイトなハイハット、常に胸部を強く打つバスドラの振動... 踊るしかないよ! ライヴ完結と言っていいくらい完璧な流れでもって1曲目を走らせた。それはあのとき、あのパーティーのとき体験した完璧さと同じだった。しかしそのときと違うことと言ったら開放感を誘う朝霧というこの状況。その高揚感といったら! 観客の狂熱にノッてどこまでもいけそうなトランスレーションした自分、日の出を待つくらいの勢いで楽しく踊り明かした。
いつの間にか時間だけが勝手に過ぎ、次のライヴSTS9へと足を伸ばすことに。後ろ髪引かれつつサンパウロを途中で後にするしかなかったが、その流れは限りなく幸せで贅沢なものに思え、遠くから"After The Eclipse"なる最高潮にバウンシーな曲が聴こえてきてさらに胸が熱く... 。ハコから飛び出し中目黒から山奥へ連れて行ってくれたあのパーティーのこと、同時に思い出したあのときの熱、溢れる想いは今でも加速していくばかりだ。
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After the eclipse
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