特集 : 朝霧ジャム - It's a beautiful day

Ryukyudisko - RYUKYU流星号着陸 -
 世の中にはニッチなもの・こと探しに没頭している人のなんと多いことか。ファッション、アート、音楽…こと音楽に関しては、音楽業界自体がジプシーのごとき放浪を繰り返しているようにも思える。最高にニッチなアーティスト(?)であったマツケンや、マイヤヒがまさかの大ブレイク。今や、自分だけが知っている楽しみを愛でるなんて趣味は、多大なエネルギーを伴いつつも時がくれば手元を離れてしまう、虚しい作業になってしまったのかもしれない。
 と、ここでRYUKYU DISKOの名前を出してしまうと「もうメジャーだよ」なんてジプシー達に一喝されてしまいそうだ。しかし、別の角度から見てみるとどうだろう?RYUKYU DISKOのサウンドには、いわゆる「〜系」では括れないスキマ産業的な魅力に溢れている。そう、とってもニッチな音であると言えるのではないだろうか?
 フジではじめて耳にした時、このユニット名に今ハヤリの民俗調メロディをちょいと頂いてアレンジした、よくある「禁じ手」を使ったサウンドなんだろうな〜と、シニカルな目線でいた。どうも、この日本人という民族のDNAに訴えかける音階や曲調を前面に打ち出すサウンドが好きではない。確信犯すぎる。日本古来の音楽が嫌いなのではない。先人の豊かな文化を受け継ぐことも必要だが、クリエイトする力も大事だ。借り物ばかりでは情けないではないか。日本的でいながら、その民族性に属し過ぎない、もっと世界観の大きなサウンドはないものかと常々思っていた。
 しかし、ひょんなことから観ることのできた、朝霧でのRYUKYU DISKOはまさにそんな私が求める多彩な世界観に満ちたサウンドだった。
 夕暮れのMonnshine stageでの沖縄兄弟は、遠目からは、まるで烏帽子をかぶった殿上人がターンテーブルの前にいるようにも見えたけれど、近寄ってみると、どうやら沖縄の民族衣装に身を包んでいるようだ。
 胃に響くようなレトロなリズムが有無を言わさず体を浸食する。独特な南方音階だからかもしれないが、湿っぽさのまったくない、見事にテクノと融合してキャッチーさを醸し出したフュージョンサウンドはアッパレ!なくらい人々を高揚させる。扇子ふりたい程にカッコイイではないか!盆踊りDNAも手伝って、体がムズムズしてとめようがない。背後には、頭に雲の帽子をかぶった富士山が夕日に照らされている。ステージの青白い照明と、黄昏時のピンクがかった空とのコントラストがあまりに綺麗で、過酷だった今年のフジを遠い過去のように思い出す。
 お祭りムード漂うハッピーチューンは、親しみやすさに溢れているが、馴れあう様なベタベタな展開は見せない。予定調和ではないサウンド、この微妙な感覚が秀逸だ。みんなもきっと大好きな、このニッチな部分、これがイイ。
 途中、沖縄民謡の女性ボーカリストも参加して、サウンドにも深みが増し、ますますもってステージは沖縄一色に染まる。圧巻でもあるが、私個人としては、さっきまでのレトロスタイルなテクノに沖縄リズムやキッチュなゲーム音楽のようなテイスト、他のアジアの国までも連想させるような空気感につつまれた曲の方が好きだ。私がほしいのは、沖縄というピンスポットな地域であり日本全体でもあり、テクノでもあり南方音階でもあり、現代でもあり過去でもあり、全てを感じさせながら、その中のどれでもない、枠にはめることができないRYUKYU DISKO独自のサウンドなのだ。
 この細〜いスキマの様な未踏の地を求めている人は多いのではなかろうか?奥の細道をRYUKYUパワーでぐいっ!と押し広げてワールドワイドにブレイクしてほしいぞ。
 このラッキーな出会いとこれからのRYUKYU DISKOへの期待などを胸に抱き、すっかり暗くなった夜空の星を見上げる。あ、一番星、と心で思った瞬間、後ろの方で誰かが「一番星だ!」と嬉しそうに言うのを聞いて、こんなに楽しいステージ、誰かと一緒に観たかったな〜と、思ってしまった。うーん残念。
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RYUKYUDISK O TECH

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