特集 : 朝霧ジャム - It's a beautiful day

Mo'some Tonebender - どこへ行くモーサム、どこへ行く武井-
 朝霧JAMで何年か振りの再開を果たしたモーサム・トーンベンダーは、いつの間にやら色んな意味でとんでもない変貌を遂げていた。たまに妙なこともやるが、本質的にはシンプルなロックンロール・バンド…といった印象だったのが見事に覆された。いつからこうなってしまったんだ。特にベーシストの武井靖典。この男はいつからあんなに開き直ってしまったんだ!!
 武井は今時エルビスばりのリーゼントに開襟シャツを思いっきりはだけ、下はこのクソ暑いのに皮パンツ。おまけになぜかケツに花が一輪見事に突き刺さっている。どう考えてもやりすぎだと思うのだが、武井の目には迷いがない。一曲目から全開。ベースは打ち込み音に任せていきなりの演奏放棄、ガイコツマイクを片手に(※注・彼はヴォーカルではないんですが)今流行の「フォーッ!!」の雄叫びを連発する。もう一方の手はしっかり腰に添えられ、そうでない時は富士山にも負けじと天を高く指差す。サタデーナイト・フィーバー? というかベース弾けよ!!
 ずっと追いかけ続けてるファンにとっては「何を今更」なんだろうけど、大体モーサムが打ち込みを大幅に取り入れていること自体が意外であり衝撃的だった。アルバムが実験的な方向に行ってる、という噂は聞いてたけれども、ライヴでもここまで大胆に取り入れているとは正直ちっとも思わなかった。レトロな音を好む人とかが混ざってくるとこの変革は賛美両論になってくるんだろうが、とりあえずオレは「賛」、この見事な盛り上がりも判断材料に込みで。プラス、武井のもう二度と引き返さない覚悟に敬意を表して。
 あっ、ただし、百々のヒステリックなギターや歌声は数年前のまま健在だった。むしろ拍車がかかていた。メロディーを綺麗になぞるとか、歌詞が聞こえるように割舌を良くしようとか、そういった心配りはおよそ皆無。とにかく内側にある感情を0.1秒でも早く音にしてぇ、という切迫感が、擦り切れるような声となってメチャクチャに襲ってくる。このキチガイじみた迫力は相変わらず見事だった。この部分を不変の軸として、これからも変わり続け、転がり続けていくんだろうか。
 新たなファンを多く獲得したライヴだったと思う(オレのような出戻りファンも 。
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