特集 : South by Southwest Music Festival

Electric Eel Shock 「逆輸入はカッコ悪いぞジャパン」 - part1 -
 2、3年前UKに訪れ電車にゆらゆら揺られて郊外へ向かうさなか、おかんに追いかけられ親に向かって中指立てる児童がいた。「このキッズは将来パンクスか何かになってストリートでふらふらとクラブに通いUKガラージにのめり込んで友人に騙されトレインスポッテイング…」なんて将来像を勝手に描いていたのだが、衝撃の事実に直面し一瞬たじろんだ。児童が誇らしげに着こなすTシャツのプリントはシド・ヴィシャスでもユアン・マクレガーでもなく、"ポケモンのピカチュウ"だったのだ!児童に未来はあるのか!?いや、逆にいいのか?SXSWでElectric Eel Shockを観たとき、ふとこの体験を思い出した。なぜならメンバー三人はみな個性溢れる悪童であり、ピカチュウさながらキュートなパフォーマンスを展開するポケットモンスターなのだから!と言い切ってみる。しかも、メタル貿易大国ジャパン発の海外大活躍バンドときているから嬉しくなるのも当然。こんな素敵なバンドをないがしろにするのは日本のシーンの低迷に繋がる。海外での活動を断固支援するとともに日本での活動の場をもっと広げてあげたいと思う。
 SXSWでボクが目撃したライヴは2本。確か5、6本はライヴをしていたと思うがさすがに全部カバーし切れなかった。しかし、どこでやっても物凄い反響。この光景には鳥肌が立ってしょうがなかった。はじめに観た会場はBigsbysというところ。昼間。以前、渋谷屋根裏でライヴを一度体験していたので楽しみにしていたところ、ドラムのジャイアンさんがやってきて「今日は昼間だからかなわんねぇ」と言うので「そうですね、アレが丸見えですからねぇ」と軽いコミュニケーションをとった。アレとはつまりナニである。ジャイアンさんはライヴコスチュームがソックスをナニに被せるといったスタイルのため、明るいところは苦手のようである。今日も長いソックスをシンバルに叩きつけ、勇壮な佇まいであった。
 ライヴが始まると続々とひとが集まっていくのがわかる。Electric Eel Shockのサウンドはメタルを基調としているが、メタルと一概に言えない多様性を持っている。ガレージにも近いがそうとも簡単に言い切れない。ハードロックのユーモア性とメタルの…やっぱりユーモア性と極上のガレージが持つ"ジェット感"を混合して撹拌し、そこで渦を巻いてる感じ。グルーヴ的なものも抜群、スクリュー状に観客を吸い寄せるのだ。
 とにかくパフォーマンスからサウンドから観客の心を掴みっぱなしで、飛び散れ筋肉ビーム受け取れ牛丼パワーといったところ。さっきから脱線ばかりしている気もするが、根っこにあるサウンドの迫力は超スゲーのです。リフ一本でゴリゴリもっていくエレクトリックギターサウンドと、ベリッベリの低音ベース、ハードかつフリーキーなドラム、どれを外しても成り立たない美しきトライアングル。ライヴ中に観客が突き上げた"ヤギの頭"の数だけサムライの魂は伝わったのだと確信している。ライヴ後の物販大反響から、海外におけるバンドの評価の高さがうかがえた。というよりライヴが凄かったのだから当然か。
 しかし、Electric Eel Shockは海外だけに受けるバンドではない。アメリカ人だろうがドイツ人だろうが日本人だろうが必ず魂に響くロックなのだから、日本でもたくさんライヴが観れるようになったらいいと思う。かっこいいバンドに限って逆輸入なんてのは日本的にカッコ悪いけど、ギターウルフみたいに世界的に有名な日本のバンドのひとつとして頑張って欲しい。切実。
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report by toddycounter
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