ライヴハウス巡り 〜 千葉レーダ、漁港、鳥肌実、百怪の行列 〜 @ 秋葉原CLUB GOODMAN(2003年5月9日)

 5月9日の秋葉原グッドマンで千葉レーダ、漁港、鳥肌実、百怪の行列が出ると聞いて「うわっ、めちゃめちゃ豪華なメンツじゃん」と反応してしまった。
 当日はお客さんが一杯。やはりこのメンツが満員にさせたのだろう。お客さんは、会社帰りのサラリーマン、なんちゃって制服と思われる女子高生、モヒカンのパンクス、ヴィジュアル系などいろんな人が来ている。早めにドリンクチケットをビールに換えて飲んでいるうちに、ピコピコした電子音が鳴り始める。千葉レーダだ。ヴォーカルの茂木がフロアから人をかきわけて現れる。ムーディーな声で、
そんなに〜
きついズボンじゃ〜
ご飯が食べられない〜
 と歌う。客席からバラの花をプレゼントされて片手に歌い踊る姿が良く似合う。サングラスにオールバックで髪を決めて、ホストを思わせる銀の三つ揃いスーツ。ダンディなのかチンピラなのか。声はどことなく吉川晃司にも似ている。「千葉レイダァ〜、千葉レイダァ〜」と呪文のように繰り返されると、催眠効果みたいにハマってしまう。80年代エレポップを思わせる電子音を繰り出す須永は、茂木とは正反対のカジュアルさで、サンバイザーを被り「電気街口」と書かれたTシャツを着ている(まさに秋葉原だ)。
 茂木の発するうさんくさくてムーディーな雰囲気とナンセンスな歌詞が笑いを生み出していく。そして、華やかなピコピコサウンドを聴いていると、なんか春が来たかのようなウキウキした気分と、平家物語の「祇園精舎の鐘の声〜」みたいな日本人的な無常観を同時に感じるのだ。途中ジャンケン大会をはさみつつ、千葉レーダが作り出す世界に酔わされる。最後は、茂木がフロアに入って周りの客に梅ガムを配りつつ、バーカウンターでお酒をオーダーして飲みながら帰っていった。
 千葉レーダが終わった直後から演歌が流れ、ステージに提灯とのぼりが飾られる。そして「漁港、始めます」と荒波寛之がサンプラーを操作して港の情景を音で作り出し、和太鼓らしきドラム音へ。メンバーが次々と登場して、最後は、船長の森田釣竿が包丁を振り回してフロアから現れる。そしてマイクに一言、
「音楽で泣いたことあるか」
すると、メンバーの深海光一が、
「あります!」
「じゃあ、魚はどうだ」と船長。
「いえ、ありません」
 という、いつものオープニングから始まり、あとは魚づくしのステージが展開される。電撃ネットワークのような体を張った芸、ヘビーメタルぽいギターソロ、世代的にはおれにピッタリのガンダムネタが次々と披露される。フロア全員(PA、照明、バーカウンターも含めて)に振り付けさせたり、最後はいつものようにまぐろの頭をさばいて、刺身をお客さんにプレゼント。基本的にいつも同じだけれど、ちょっとずつ変えて来て笑いのいろんなツボを押される感じだ。
set list
1.カツオ
2.アンコウ
3.カジキ
4.サワラ
5.ブリ
6.タイ
7.マグロ
 鳥肌実はなんと言っていいのやら。基本的には漫談で時事ネタを扱うのだけど、ネタがブラックすぎて、テレビに出られないのは当然だな。アブないどころか、これが全国放送に乗ったら外交問題に発展してしまう。だからライヴハウスでしか聞けない貴重なものなのである。思わず笑っちゃうのだけど、笑う自分にぞっとする感じ。
 それからお決まりの演説、そして最後に全裸でオナニー。あまりの毒で、終わると笑い疲れがどっとやって来る。これで帰ろうかと思ったが、この日はもう一個。
 百怪の行列は2年くらい前にたまたま観たのだけど、当時と比べ今はメンバーも減り、ルックスも変化。ヴォーカルのダイナマイト和尚がウッドベースも弾くようになった。何よりも、以前は「昭和歌謡+スカコア」みたいな感じだったけど、もっと昭和歌謡よりになって、もっとスウィングするようになって、メンバーもお客さんも、より楽しんでいるようになった。以前は殺伐としていたと記憶していた歌詞も浅草を舞台にした色恋沙汰のバラエティーみたいになっている。しばらく見ないうちに、こんなに変わってしまったのかと嬉しい驚きだ。
 一番印象に残ったのはソプラノサックスのミーカチントが可愛くて、可愛くて、笑顔が素晴らしくて、鳥肌実を観た後では砂漠のオアシスみたいだった。連れは「可愛さを必死に演出している感じで、ヲエーだった」と言っていたが。男と女で、こうも見方が違うとは。というわけで、濃い〜メンツで笑い疲れ。凄まじい日だった。でも、最後がちゃんとした音楽だったんで良かった。
part2
report by
nob
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