buttonkemuri @ Blasting Room in Fort Collins (13th May. '98)

 成田からコロラド州デンヴァー・インターナショナル空港に到着。その翌8日にケムリが演奏することになっている町、オーロラのホテルにたどり着いたのは夕方近くだった。着陸したとき、窓から町を見ると.... なにもない。平原ばかりが続くこんな町でライヴをして人が集まってくるんだろうか... この時は、そう思ったものだ。

Kemuri 韓国系アメリカ人、マイク・パークがぶちあげたSka Against Racismというツアーが始まったのは3月26日。ワシントン州Auburnの初日からこのツアーに参加しているケムリは、すでにこの時点で6週間にわたって全米をツアーしていたことになる。8日の午後3時頃にOgdenという小屋で彼らと久しぶりに再会したのだが、さすがに旅の疲れが出ているような表情が見て取れた。それでも、全員元気で、日本と同じようにメンバー全員がひとつになって仕事をしている。会場に到着すると、まずは物品売場でTシャツやバッジを飾り付け、出番を待つのだ。サウンド・チェックもなにもなしで、いきなりステージに上がるというのだが、そんなの当然といった表情でいつも通りにライヴに飛び出していくという感じだ。

 出演しているのはLess Than Jakeをヘッドライナーに、Toasters、Mike "Bruce Lee" Park、 Kemuri、MU330、 Five Iron Frenzy、 Musterd Plug、Blue Meaniesで、ここにそれぞれの地方のローカル・アクトが前座ではいるというのがいつものパターン。アメリカでわずか1枚のアルバムを発表しているにすぎないケムリの出演順はたいてい3番目で、彼らがステージに上がる時点で小屋がめいっぱいに膨れあがっていることはほとんどない。6分から7分入りといったところだろうか。

 でも、ケムリにとって、そんなことは全然無関係だ。客がいようといまいと、目の前にいる観客に向かって連日100%のエネルギーを爆発させる。それだけのことなのだ。前のバンドが終わるとメンバーがステージに上がり、自ら楽器のセッティングを始め、音をチェック。それがまとまるとリード・ヴォーカル、フミオが「We are Kemuri from Tokyo, Japan」と語りかけ、「New Generation」でライヴの幕を開ける。それからわずか20分のステージなのだが、その密度の濃いこと! 1曲目からパワー全開で、息をつく暇もないほどのペースで彼らの演奏が炸裂すると言ったらいいだろうか。

Kemuri そんな彼らに対して、ストレートに応えてくれるのがオーディエンスだ。おそらく、会場にやってきた人でケムリを知っているのはほんのわずかだろう。今回のツアーのオーガナイザー、マイク・パークがインディで発表しているコンピレーションにケムリの曲が収録されていて、それが観客と彼らをつなぐ唯一の接点だといってもいい。もちろん、アルバムも発表されているのだが、ヘヴィ・メタルを中心としたレコード会社と言うこともあり、アメリカでのケムリのアルバム・セールスは数千枚にしかすぎない。言ってみれば、アメリカでの観客にとってケムリは全く無名のバンドにしかすぎないのだ。

 ところが、ライヴでこそ本領を発揮するケムリのパワーはそんなハンディをさらりと乗り越えて、オーディエンスをぐいぐいと引き込んでいく。「ケムリ? どんなバンドなんだぁ、こいつら」って顔でいたオーディエンスの表情がわずか数分の演奏で「わぉ、こいつら、すっげぇや」といった具合に変化し、ライヴが終わりかける頃になると完全にケムリの世界に引き込まれている。それが証拠に、今回のライヴで取り上げられた日本語の曲「あと1年」に合わせて、大声で「Ato-ichinen!」と一緒に歌っているのがアメリカの観客。そして、ラストの曲「Giving Up」の終わり、ステージからフミオが観客にこう語りかけるのだ。

「さぁ、みんな言ってごらんよ。『Ai-shite-masu』わかる?」

 すると観客が大声で「Ai-shite-masu!」と返してくる。これにはびっくりだ。しかも、本当に大声で嵐のように観客の声が響いてくる。それを何度も繰り返したあと、フミオが「We love you too!」と言ってステージを降りるのだ。その時、オーディエンスの興奮がどれほどのものになっているのか、容易に想像できるだろう。残念ながら、数バンドがステージで演奏すると言うこともあり、アンコールはできないのだが、観客が満足しているのは手に取るようにわかる。

 本当はそんなステージの様子をデジカメで撮影すべきだったのだが、今回は写真を撮るというのも仕事で、35mmの一眼レフでしか撮影していない。現像は日本に帰ってからなので、それは日本に帰ってからのお楽しみと言うことにしておいてもらいたい。というので、ここに掲載しているのは、ステージが終わってからの様子ばかり。非常に申し訳ない。

Kemuri ちなみに、今回のツアーの詳しい情報は日本に帰ってから様々な雑誌にアプローチして掲載していくことになると思う。今回、彼らのライヴを見ることができたのは40本のライヴの最終日の3日間で、8日のAurora(コロラド州)、9日のCasper(ワイオミング州)、10日のHelena(モンタナ州)。わずか3日間とは言うものの、強力に濃厚な本物のライヴを見せてもらったという感じだ。しかも、毎日ライヴが終わって次の町に移動するという強行軍。この3日間だけでもおそらく、軽く3000Kmは移動しているはずだ。そんなツアーを7週間も続けてきたのがケムリ。彼らが今までにもましてタフに、そしてワイルドに、変貌しているのは間違いない。おそらく、その成果が6月の凱旋コンサート(本人たちはそういった大げさな言葉は好きじゃないようだが)で充分に発揮されるはずだ。

 ということで、今回の彼らの演奏曲目はこんな感じとなっている。
1.New Generation
2.Knoking on the Door
3.Deepest River
4.あと1年
5.Sun-Set
6.Prayer
7.Working Days
8.Giving Up
 また、Ska Against Racism以外のライヴで演奏したときには「Along the Longest Way」や「Rainiy Saturday」を加えたり、あるいは、スタッフに誕生日の人がいたりすると、「Birth Day」がここに加えられたと言うことだ。

 さて、そのケムリだが、現在、コロラド州フォート・コリンズにあるデセンデンツのスタジオ、ブラスティング・ルームで新しいアルバムの録音に入っている。その様子は近いうちに報告できると思うので、お楽しみに。
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