South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (18th - 22nd Mar. '09)
Feature Special SXSW 2009
Plouen Catximbes @ The Parish Downstairs, Austin (20th Mar. '09)

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いつも思うんだが、自分たちの知っている音楽なんぞ、星の数ほどもあるだろう、地球上の素晴らしいアーティストの、氷山の一角に落ちているホコリ程度にしか過ぎないんだろう。どれほどアルバムを持っていても、自分が知っている音楽なんぞ、無に等しい。一歩踏み出せば、自分たちの想像を超えて聴く者を感動させ、背筋をゾッとするような衝撃を与えてくれるアーティストが待ってくれているはずだ... と、いつも思っている。だから、こういったフェスティヴァルに行くと、今回もひょっとしてそんなアーティストに出会えるのではないかと期待してしまうのだ。
このSXSWのどこが嬉しいかというと、日頃接することが極端に少ない国々からやってきたアーティストに出会えるチャンスに溢れているということ。というので、公式サイトをチェックして情報を集めたり、コンヴェンション・センターで開かれているブースを訪ねて、「なにかいいことはないかなぁ」と歩き回ることになる。スペインはカタロニアのバンド、プロエン・カチンバスとの出会いも、そんなところから生まれていた。
取材を決めた理由は、彼らのレーベルが幾度かイタリアで取材しているレベル・ロッカー、Obrint Pas(オブリエント・パス)の最新作、『Benvingut Al Paradis(ベンビンフット・アル・パラディスと読むように思えます)』を発表していたこと。彼らとの出会いはここでチェックできるのだが、スカからパンクに地元の音楽のエッセンスを感じさせながら、生み出している血湧き肉躍る闘いの歌は実に力強い。このとき、彼らから受け取ったこのアルバムも傑作で、マヌ・チャオからフェルミン・ムグルサあたりのエネルギーを感じさせるのだ。そのあたりが好きだったら、絶対に買っても間違いがないと思うので、なんとか入手して欲しいと切に思う。
今回取材したプロエン・カチンバスはスペインでもマイノリティとされるカタロニア語で歌っているらしく、じゃぁ、見てみようかというのがきっかけだ。といっても、彼らの演奏している音楽はオブリエント・パスようなコンバット・ロックとは大違い。といっても、全く理解不能な彼らの言葉からなにを歌っているのかは想像することすらできないから、ひょっとすると過激なことを歌っていたのかもしれないが、どうもそんなニュアンスではないように思う。
サウンドに関していえば、どこかで80年代のUK的なニュアンスを感じる。美しく、同時に、ポップなメロディに流れるようなコーラス、そして、シャープなカッティングのギターが、どこかでさわやか。写真からは、どこかでちょいと小太りのお兄さんと思えるヴォーカルが、けっこう染みる声を聞かせてくれる。加えて、面白いのはレゲエの影響もあること。今回、彼らから入手した最新作、なんでも3枚目のアルバムだという『Telescopi(テレスコーピ)』には、どこかで、まだまだフレッシュだった頃のポリスを思い起こさせるような曲も収録されているし、彼らのサイトをチェックしてみるとレゲエ系のフェスティヴァルでも演奏しているというんだが、ひょっとすると、初期にはそういった曲がもっと収録されていたのかもしれない。
いずれにせよ、いいバンドだと思う。どうやら、本国ではかなり売れているようだし、大きなステージもやっているようなんだが、彼らがイギリスやアメリカあたりで普通に英語で歌って活動していれば、かなりの人気になっただろうということは容易に想像できる。いやぁ、世の中にはいいバンドがいっぱいいるものです。
comment and photos by hanasan
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