South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (18th - 22nd Mar. '09)
Feature Special SXSW 2009
Peter Murphy @ Elysium, Austin (18th Mar. '09)
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おそらく、これは偏見なんだろうが、アメリカにはどこかでUK色の強いバンドは「似合わない」という、奇妙な思いこみがあった。ビートルズやストーンズといった60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンは遙か昔の話だから、それが強力なインパクトを与えたのを否定するつもりはない。が、その一方で、きわめてユニークなイギリス色を打ち出しながら、圧倒的な人気を誇っていたデヴィッド・ボウイが、それに見合う人気をアメリカで獲得するにはずいぶんと時間がかかったということも耳にしている。
さらに加えて、ハワイを除けば、アメリカで最南端にある州都がオースティンだ。そのイメージにポスト・パンク的なバンドがどうもしっくりこないというイメージがあったのだ。が、この撮影のためにできた列といったら... やたら長いのだ。しかも、彼らの会話に耳をそばだてていると、エコー&ザ・バニーメンあたりも想像を超えた人気があるようで、まずはそれに驚かされた。
しかも、会場に入るとステージ前はまるで東京のラッシュ・アワー並にカメラマンでぎゅうぎゅう詰めで、パスも持っていないアマチュアっぽいカメラの放列も尋常ではない。どうやら、バウハウスからピーター・マーフィの人気は本物のようだ。
その一方で、ステージではかなりどぎついMCが彼の口から飛び出してくる。
「ポスト・パンクだって? ふざけるんじゃないよ、それは俺にけんかをふっかけられているようなものだよ」
思いっきりの英国訛りで、話すかと思えば、ちょいと鼻を高くして、
「チケットが400ドルだって?(本人曰く)そんなのぼったくりだろう、商業主義まみれじゃないか」
と、そんな具合だ。
加えて、確かに顔はかつての鋭さを持つ、ピーター・マーフィーそのものなんだが、下腹部あたりがほっこりしているあたりや頭のてっぺんがちょっと薄くなっているあたり、やはり時間の流れを感じざるを得ない。その昔、20年近く前に一度、彼とは会っているのだが、その年月は確実に彼にのしかかっている。
それでも、ひとたび演奏が始まると、かつてと同じピーター・マーフィーがそこにいた。鋭くエッジの効いた、イギリスでしかあり得なかっただろうロックが会場を埋め尽くしたファンを包み込んでいくのがわかるのだ。
comment and photos by hanasan
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