South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (18th - 22nd Mar. '09)
Feature Special SXSW 2009
Andy White @ 18th Floor at Hilton Garden Inn, Austin (18th Mar. '09)

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振り返ってみると、おそらく、ほぼ20年ぶりぐらいに顔を合わせることになったのがアンディ・ホワイトだった。なんでも、現在はオーストラリア在住というのだが、まだ、イギリスを中心に活動をしていた頃、よく取材をしていたビリー・ブラッグと同じマネージメントだからというので、幾度か顔を合わせたことがある。当時の印象はというと、けっこう地味な感触のシンガー&ソングライターという感じで、素直に言葉が通じることのない国、日本あたりでは、どれほど素晴らしい歌を歌っていても、なかなかアピールできないのではないかと感じていたものだ。
それでも、好きなタイプのアーティストで、ずっと気になっていた。 しかも、デビュー当時から頻繁に取材をしていたホットハウス・フラワーズが一時、活動休止のような状態になったとき、そのヴォーカルでフロントに立っていたリアム・オ・メンリィやスプリット・エンズからクラウデッド・ハウスを通じて知られるティム・フィンと一緒にALTというバンドを組んでいたこともある。そんな流れもあり、アンディ・ホワイトの名前を今年のラインアップでみつけたときには取材を即決。あまり撮影条件はよくない会場なんだが、ラッキーなことに自分が宿泊していたホテルの18階だというので、ちょっと余裕を持って取材に出かけていた。
どこかで、飄飄としたイメージのあるアンディがサウンド・チェックを終えたころ、ほんの少し目があったんだが、面白いことに、「ん? どこかで会ったことがあるよね」と話しかけて来たのには驚かされた。なにせ、20年ほども前に会った人間のことを覚えているなんぞ、驚異としかいいようがない。
さて、そのライヴなんだが、今回は写真でもチェックできるように、バンドでの演奏と、遙か彼方の昔に見たときとは大違い。地味なシンガー&ソングライターという印象が完全に変わってしまった。特に、キーボードが素晴らしい。ときおり、アコーディオンを手にとって、演奏してくれるんだが、このアコーディオンの響きがいい感じで、アンディの歌に花を添えてくれるのだ。また、ゲストで登場したドブロも交えながら、なにやらアットホームな雰囲気でライヴが進んでいった。
実は、このライヴの後、今年の初めに発表された新しいアルバム、『Garageband(ガレージバンド)』を受け取っているんだが、これが素晴らしい。これを聞いていると、「メッセージ・トゥ・ユー」や「ザ・キャピタル・オヴ・ナウ」などが演奏されたのを簡単に思い出すことができる。もちろん、アルバムの方が遙かに作り込まれているんだが、キャッチーなメロディの素晴らしさ所以だろう。一度聞いただけでも、まるでずっと聞いてきたかのように記憶に残る歌の完成度を思い知らされたように思える。
ちなみに、アンディもかなりの本数のライヴをこなしていたようで、最終日の日曜に、レコード屋さんで再び彼と遭遇しているんだが、その時はアコギにアコーディオンといったシンプルなセットであったにもかかわらず、これも素晴らしかった。昨年、同じオースティンでビリー・ブラッグを見ているんだが、彼があの頃に発表された『Mr. Love & Justice(ミスター・ラヴ・アンド・ジャスティス)』の傑作ぶりに驚かされたように、同じ時代から歌い始め、すでにヴェテランの域に達しているだろうアンディの新しいアルバムにも同じような感慨を抱いてしまうのだ。この『Garageband(ガレージバンド)』を、みなさんにもぜひ聞いていただきたいと思うのだ。
comment and photos by hanasan
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