South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (18th - 22nd Mar. '09)
Feature Special SXSW 2009
Eli "Paperboy" Reed & The True Loves @ Sonny's Vintage, Austin (18th Mar. '09)


|
 |

会場となったのは、おそらく、50年代から60年代のアンティック.. といえば、聞こえはいいんだが、要するに中古品を中心に売っているようなお店で、フェスティヴァルのメインとなっている会場からは少しはずれにある。しかも、公式プログラムには記載されておらず、日頃からライヴをやっているような店には見えなかった。とはいっても、なにやら展示されている中古品が生まれたであろう時代の臭いがぷんぷんする、そんな音楽が封じ込められた7インチを回す、とんがった感じの、まだちょっとあどけなさの残る若そうなDJが、いい感じの顔と音楽で出迎えてくる。
と、今でこそ余裕を持って書くことができるんだが、中心部から離れているというのでタクシーを飛ばしてここにたどり着いたとき、店のなかにオーディエンスとおぼしき人影は皆無で、「ひょっとして、終わってしまったんですかね?」と、店の人に尋ねたほどだ。すると、「いや、そこで準備しているのがイーライだよ」と返事が返ってくる。店の片隅のちょいと高くなったスペースでマイクをセッティングしていたのがその人物なんだが、昨年から惚れ込んで聞きまくっていたアルバム、『ロール・ウィズ・イット』のジャケット・イメージとはかなり違って「普通の青年」といった趣。しかも、人影もないというので、なにやら不安にもなったのだが、本人たちはそんなこと慣れっこなんだろう、着々と準備を進め、わずか数人のオーディエンスを前に当たり前のようにライヴを始めていた。
なにせ全てのライヴがショーケースを名乗っていることからもわかるように、サウス・バイ・サウスウエストは数多くのバンドがその魅力をアピールしてプロモーションをする場でもある。だから、これぐらいのことでひるむバンドなんぞ皆無で、わずかな時間でも全力で演奏をしてくれるのだ。この日も、演奏を始めたときにはまばらだったオーディエンスが、ちょっと遠巻きに演奏を見ていたんだが、バンドが熱を帯びてくると共に徐々に人が増えて、いい雰囲気が生まれているのが手に取るようにわかったものだ。
すでにどこでも紹介されているように、オーティス・レディングからサム・クックといった正統派の骨太ソウルをそのまま現代に甦らせたかのような演奏を聴かせてくれるのが、この「どこにでもいそうな青年」、イーライ率いる本物の好き者たち。写真を見ていただいたら充分わかるだろう、彼の顔からはシャウトするソウルがひしひしと伝わってくる。はったりでも作り物でもない血湧き肉躍る汗まみれのソウル。彼らを生で初めて体験することになったこの日、その魅力をめいっぱい楽しむことができた。当然のように、アンコールを求める声が止まらなかったんだが、「俺たち、毎日どこかでライヴやってるから、また見に来てよ」という言葉が彼らの口から出ていた。なにせ、フェスティヴァル期間中の4日間になんと10本のライヴをやることになっていたのが彼ら。最終的にかなりの人たちが彼らのライヴを見たんだろうことは、容易に想像できる。
すでにご存知の方もいるだろう、今年のフジロックに姿を見せてくれるのが彼ら。見逃すと後悔することになると断言しておこう。特に、やわなR&B擬きに辟易している真性ソウル・ファン、ディープでガッツのこもった本物のソウルが好きな人にとっては、おそらく、彼らが最大のプレゼントとなるに違いない。
comment and photos by hanasan
|
==> Feature Special SXSW 2009 : Intro (JPN | ENG) |
==> Smashing Mag top page : JPN / ENG |
|
Feature Special SXSW 2009
REVIEWS & PHOTOS
Overall View
Overall Photo Document
photo reports & reviews
on the 18th
on the 19th
on the 20th
on the 21st
on the 22nd
mag files : SXSW
Staff data base
|
|