South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (18th - 22nd Mar. '09)
Feature Special SXSW 2009
Doug Sahm tribute feat. Shawn Sahm and Augie Meyers and Alejandro Escovedo @ Austin Music Hall, Austin (18th Mar. '09)


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調べてみるとテキサス州オースティンの人口は約65万人で、都市圏を含むと125万。全米本土で最も南にあり、15〜6番目の規模の都市だというんだが、国の大きさが比べものにはならないとはいえ、日本で言えば、いわゆる地方都市のひとつにすぎない。ところが、この町でこのフェスティヴァルの時期に行われるのがオースティン・ミュージック・アワード。いわば、音楽賞の式典で、それが開かれていたのがこの会場、オースティン・ミュージック・ホールだった。
そこではここ1年の最優秀ヴォーカリストやアルバムから、最優秀メタル・バンドやブルース・アーティスト等々、多岐にわたるジャンルのさまざまなミュージシャンが表彰されることになっている。といっても、単に、ミュージシャンにとどまらず、最優秀インディ・レーベルから音楽ショップにカバー・バンドまでが選ばれているに驚かされるのだ。といっても、このカバーとはトリビュートの意味と思うのだが、今年選ばれたバンドはザ・ビートルズを演奏しているらしく、MCが「偉大なるザ・ビートルズの音楽を生で楽しませてくれていることが素晴らしい」と口にしたのが印象的だった。すでに、レコード(記録)でしか聴くことのできない音楽を、目の前で楽しむことのできるライヴで、文字度通り、記録として残された音楽に命を吹きむのことができるのがトリビュート・バンドの数々。そういったバンドさえをも真正面から評価しようとするその姿勢が音楽ファンには、実に嬉しいのだ。
そんなアトラクションのひとつとして、この日の大きな山場となったのが没後10年ということもあるんだろう、テックスメックス(だけじゃありませんが)の巨匠、ダグ・サームのトリビュート・ショー。ステージではダグの息子、ショーンが中心となって、さまざまなゲストが登場するという趣向で、彼の嬉しそうな表情や異様な盛り上がりが全てを物語っていたように思う。ダグとは切っても切れない縁のあるオーギー・メイヤーズがステージに登場したあたりから、明らかにお祭り騒ぎ的な盛り上がりを見せたのが会場。ラスト近く、日本ではそれほども売れていないようなんだが、アメリカで強力な人気と実力の持ち主として評価されている、アレハンドロ・エスコヴェドの登場でピークに至ったという感じがする。
これまでそれほどテックスメックスを意識したことはなかったんだが、このライヴを見たおかげで、彼へのトリビュート・アルバム、『Keep Your Soul (キープ・ユア・ソウル)』を始めとして、『The Best of Doug Sahm & the Sir Douglas Quintet (ザ・ベスト・オヴ・ダグ・サーム・アンド・ザ・サー・ダグラス・クインテット)』から、ボブ・ディランやデヴィッド・ブロムバーグといったところがバックをつとめる傑作、『ダグ・サーム・バンド』を購入してはまりまくっているというのが実情だ。加えて、アレハンドロ・エスコヴェドへのトリビュート、『Por Vida (ポル・ヴィーダ)』も素晴らしい。C型肝炎で死の淵に立たされた彼が医療保険にかかっていなかったというので、仲間のミュージシャン達がこのアルバムで彼を救ったらしいんだが、そのおかげもあって見事に前線復帰している。この日のライヴを見て、彼自身のショーも見てみたいという衝動に駆られてしまうのだ。
素晴らしきかな、テキサスの音楽。ここでまたその奥深さを思い知らされる... そんなライヴだった。
comment and photos by hanasan
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