朝霧ジャム - イッツ・ア・ビューティフル・デイ! @ 朝霧アリーナ (4th - 5th Oct '08)
- 幸せな顔の連鎖 -
「フェスには最大の仲間が集う」という言葉が、今もまだ色あせることなく思い起こすことができる。大トリを飾ってくれたダチャンボがステージでそういっていた通りに、この上ない幸せな顔をした人々ばかりであった。それはきっと、居合わせた誰もが、人や音楽に加えて朝霧ジャムを愛おしく想うからではないだろうか。
比べると日々の生活は、少なからず何かに捕われているように感じる。考えることの多さに押し潰され立っているのが精一杯の時もあるが、それでも自然が息づく場所に来るとリセットしてくれるようだ。
会場には朝の10時頃に到着し、早速テントを組み立てひと休憩。スタートするまでの間、緑の匂いが香りたつ朝霧をのんびり歩き回っていると、風に乗って聞こえてくるのは「明日の天気が、このまま晴れたらいいね」との声。何日か前までの予報は曇りだったことから安心していたのだが、当日になり改めて確認すると雨に変わっていたのだ。ところが、一日目はそれが間違いなのではないかと思ってしまうほどの空模様である。
遠足日和とでもいっていいだろうか。行く途中に腹ごしらえをしてきたにも関わらず、芝生の上で楽しそうに昼食を取る光景につられて、まずは屋台で名物だという巻狩鍋をいただく。ここから底抜けに食へ走ってしまったのだが。ただ、やはり大人数で囲むと何倍もの旨味が広がるのだから仕方がない。その証拠が、ライヴを見るよりもバーベキューに夢中になっている人の多さなのだろう。それは、制限されることなく過ごしているともいえる。
夜を迎えてからは、灯りに引き付けられたかのように、皆が焚き火の前に寄り集まる。そして、この日はじめて話した取材スタッフと暖まりながら、修学旅行に来たかのように盛り上がっていると、何組もの恋人達や子連れの家族が笑い合っている姿が目に映っていく。「この先、共に歩んでいく人が現れたとして、何年経っても一緒に来たいフェスって朝霧ジャムだね」と互いに頷きながら思わず口にした本音が、周囲の穏やかさを物語っている気がしてならない。
そんな会話を繰り広げた翌朝、ご来光を眺めようと思い早くに起きるつもりが目覚めずじまい。最後には雨が本降りになってしまったが、聞いたところによると、美しい日の出と富士山が顔を出してくれていたとのこと。これには、来年こそはと願うばかりである。けれども、ふたつのステージを繋ぐ草木に覆われた小道では、葉が擦れ合う音色と微かに入り込む日光が清々しい。そこには、小石が所構わず転がっていて進みにくいのだが、急ぐ必要がない自分にとっては、足下でぶつかり合う音をも感じ取っていけるのだ。そんな瞬間でさえ嬉しく思えてしまう。
朝食を終えて、昨年から登場した最奥地のカーニバルスターエリアに向かい、ハンモックに寝そべって辺りを見渡すと、大縄飛びをする人からコンガなどの打楽器を打ち鳴らしている集団を見かける。後者の方へ近寄ると、気軽に話し掛けてくれ同じ輪の中に入れてくれるのだ。人との出会いに溢れているのも魅力のひとつだろう。他には、書道やビートルにお絵描きといった様々な工夫が凝らされていた。もちろん、できる限りは参加をしたように思う。
アーティストの演奏はというと、どれをとっても素晴らしく、一部はどの場面に置いても全力であった。なぜかというと自分達の居たキャンプサイトには、出演者もちらほらいたのだが、朝方まで笑い声が上がっていたのだから。早々と睡眠を取っていた自身としては、見習いたい部分でもある。
忘れてはならないのが、大勢のボランティアの方達が笑顔を絶やさないフェスティヴァルだからこそ、一層輝きを放つのだということ。体を動かさなくては寒くなってしまう気温であろうとも、大きな声で案内をしてくれる彼らに感謝をせずにはいられないのだ。
今思えば、普段の暮らしに戻ったとしても頭に流れるのは、朝霧ジャムのことだったように思う。しかし、意志とは関係なく、時間を重ねる度に記憶が薄れてしまうのは悲しい。幾度もそのことを思い書き記したのだが、またここに帰ってくる日を心待ちしたい。同時に、再び素晴らしい時を伝えることができるようにと思ってならない。
なにより、喜びは連鎖をしていく。そのことを実感した2日間であった。
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report by ai and photos by keco
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今年は雨 (02/09/28 - 29) : review by nob, photos by ikesan
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