South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (12th-16th Mar '08)
Feature Special SXSW 2008
Kitty, Daisy & Lewis
@ Ninety Proof Lounge, Austin (14th Mar. '08)
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SXSWの問題点はというと、照明の貧しさとPAのクオリティ。日頃からライヴをきちんとやっているところならば、最低限、サウンドに関してはある程度の機材を抱えていたり、それなりの人間が操作をしてくれるんだが、そうじゃないところとなると、かなり疑問を感じてしまうような小屋が少なくない。このフェスティヴァルのために遠路やってきたミュージシャンには同情を禁じざるを得ないんだが、海外をツアーしたことのあるバンドならこんな状況は日常茶飯事といってもいいだろう。が、それがバンドを鍛えていくし、なんでもそろっている小屋で当たり前のように演奏できる日本というのは実に幸運な国... その一方で、不幸な国だと思うことがよくある。まるでぬるま湯のような居心地の良さに慣れきっていて、「退屈」な演奏でもなんとかなるような趣を感じるのだ。
そんな状況の下でライヴをせざるを得なくても、「なんじゃぁ、これはぁ!」と思わせるバンドが面白い。その典型がこのキティ・デイジィ&ルイスじゃないかなぁと思う。彼らのことを真っ先に教えてくれたのはロンドンのギャズ一派、彼の弟でDJでもあるジェイソン・メイオール。どうやら、ギャズのクラブで頻繁に演奏しているようで、彼らの音を聞くと、完全にそのタイプなのだ。といっても、ロンドンで最長不倒を誇るこのクラブでそんなお皿が回されているかを知らなければ話にならないんだが、簡単に言えば、ルーツ・ミュージック。ブルースからジャンプ、リズム・アンド・ブルース(といってもおしゃれなそれじゃなくて、40年代から50年代の土臭くて黒っぽい、本物のそれよ)にロカビリーからカントリー... 生で演奏していても、レコードのノイズが聞こえてきそうな、レトロであっても、どこかでけっして熱を失うことはない生粋のダンス・ミュージックが彼らの演奏する音楽だ。
しかも、彼らがすごいのは、見てくれとは真逆の本物さなんだろう、なにせ、一目でわかるのはウルトラ・セクシーな出で立ち。まるで死語になってるのは承知の上でいえば、フロントに立つのは超ボインのお姉ちゃん二人に兄弟ひとり。正直言って、この二人を見ているだけで、卒倒しそうになるぐらいにまぶしいのだ。その兄弟をバックで支えるのは母親のウッド・ベースに父親のリズム・ギター。とんでもない家庭だと思うんだが、彼らのことを調べていくと、もっともっととんでもないことを発見できる。なにせ、この兄弟、全員がマルチ・インストゥルメンタリストなのだ。要するに、どんな楽器でも、全部演奏してしまうのだ。ギターやキーボードにドラムスにハーモニカに... 思いつくまま生の楽器の種類をあげていけば、おそらく、ほぼ全てを演奏してしまうのが彼ら。しかも、テクノロジーとか、デジタルなんてのは彼らにとっては死語に等しい存在で、これまでに発表したなかには78回転のシングルもあるというこだわりを持っている。今時こんなことをするバンドなんて、あり得ません。
というので、正直言って、彼らに一目惚れしました。というか、すでに彼らのことが関係者のなかでは噂になっているようで、このときのオーディエンスにもそういった人たちがわんさかいたものです。ということで、これから追いかけ回してしまいそうなほどに惚れ込んでしまったのが、このキティ・デイジー・アンド・ルイス。四の五の言わずに、誰か彼らを来日させてくれないものかと願ってやまないのです。
comment and photos by hanasan
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