South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (12th-16th Mar '08)
Feature Special SXSW 2008
Overall View 初めてのSXSW
世界で一番大きなバンド見本市。次にデカくなるアーティストを発掘する場。
サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)とはそういうものだと思っていた。もちろん、フェスティヴァルとしての楽しさもあるのだろうとことは承知していたつもりだ。泥まみれにならなくてもいいフェス、そう捉えていた。
私にとっては初めてのSXSW。果たしてどんな発見があるのだろう。期待はしてみるものの、その出演者のあまりの多さに、いつ・どこで・だれを見てくればよいものやらさっぱり分からない。おまけに、街全体が会場である。移動するにも体力が必要。なにせこの国、私からすれば、何もかもがやたらと無駄なくらいにデカいのだ。建物も、道も、食べ物も、そして、ヒトも。
結果として、それほど新しいバンドをたくさん見られたわけではないし、むしろ逆に、すでにキャリアを築きあげているベテランばかりを見ていたような気さえする。ラジオの仕事で来ていたイギリス人に、誰のライブが良かったかと尋ねられて「ビリー・ブラッグ」と答えれば、そりゃぁ不思議そうな顔をされてしまうさ。彼らのように仕事で来ているギョーカイ人のごとく次々と会場をハシゴして新人をチェックすることもできず、そうでない人たちのように楽しむことに徹することもできなかったが、それは要領が悪かっただけのこと。一日中、街のいたるところで音が鳴っているのだから、音楽好きにはたまらない空間である。
そりゃぁ確かにメインの通りのひとつ隣の通りには地元の人たちが集まっていてごく日常な空気が流れている場所があったり(ひとりで通ると緊張感を覚えた)、何かを探すように道路をじっとみつめながら歩いている人もいたり(突然拾い上げたのは吸いかけのタバコ)、消防車の周りでくつろぐ消防士に遠くから名前を呼ばれたり(バッヂの名前が見えたようだ)、いきなり小銭は余ってないかと声をかけられたりもする。交通規制のため渋滞に巻き込まれる車。人力車のような自転車タクシー。重い機材を自分達で運ぶバンドの人たちや、ホットドッグの小さな屋台に補充されていく大量のパン。深夜2時を過ぎる頃に集団でホテルに戻ってくるイベント・スタッフのTシャツを着た若者たち。現地に来てみて見えたのは、オースティンの非日常とわずかな日常の風景。
天候には恵まれ、むしろ、真夏のような太陽に負けそうになったくらい。3日目の最高気温は華氏93度。熱中症になってしまいそうだった。無料で配られていたアイス・キャンディーがこの日ばかりはどれほどありがたかったことか。
まあそれでも、薄暗くて小さな会場内でひとたび演奏が始まってしまえば、ここがどこの国だろうと何のフェスだろうと関係なくなる。確かに、観客はかなり様子見な状態であることは多いが、そんな彼らさえも夢中になってしまうようなパフォーマンスを目撃した時、音楽って、ライブって、やっぱりエエよなあと思ってしまうのである。
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