バスク・レポート (9th to 21st Jan '08)
オフ日の息抜き (14th to17th Jan'08)
今回のツアーは、バスクそのものを感じる旅であったと思います。そんなこんなで、向こうの人の変なクセや、面白かったことなど、ひと休みの意も込めて簡単に書いてみました。次からはまたライブレポートが続きます。
■カフェ事情
バスクでは、手持ちぶたさな時はもちろん、食事の後も必ずといっていいほど、カフェに行く。そしてコーヒーやエスプレッソを頼むのだが、そこで面白いルールを見ることとなる。向こうの人は、店に入るやいなや「オマエ、なに飲む?」と聞いて回り、流れるように注文を済ませてしまうのだが、支払いの際にこちらがお金を出そうとすると「ここは俺が出す!」と言ってきかない。奢ってナンボの文化なのだ。油断していると、誰もが鮮やかな奢りっぷりを発揮しだすので、慣れていない日本人はたいてい出遅れる。それでも「なに飲む?」と聞かれた時に気づくことが出来れば、ひとつ断りを入れて自分の奢りにすることができる。それだけで、お客さんという扱いは消え、新たに友達としてのつきあいが始まるのだ。
小腹がすいているなら、カウンターの上に並べられた「ピンチョス」を食べてしまおう。輪切りにされたフランスパンの上に卵やアンチョビなどのオカズが乗せられ、種類は多いところで20以上。ほとんどが楊枝(スペイン語でピンチョス)でグサッとやられてる。大きなレストランよりも断然美味く、その上値段も2ユーロ前後と安くて、あれもこれも……と、どんどん食べれてしまう。しかし、あくまで「おつまみ」ということを忘れずに。食事の約束がある場合には、自分を抑える必要がある。なにせ、向こうのメインディッシュなんていうのは、とんでもなく大きな肉の塊がドン!ということもあるわけで。
あと、ポイ捨ては基本。ピスタチオのカラなどはもちろん、紙ナプキンも使ったなら床へ捨てちまえ。石畳は、洗い流せば掃除が一瞬で終る。タバコにしても、いちいち灰皿を使えば店員の手間が増えてしまい、むしろ、使うことで嫌な顔をされる場合もあるのだ。
■シードル(林檎酒)と小汚いサンタクロース
とにかく酒が好きなのがバスクの人々だ。中でも、年明けに解禁されるシードル(シードラとも言われる)という林檎酒が特に人気。少し黄色みがかった透明な液体は、あたりも柔らかでどんどん飲める。ボトルには専用の口がつけられ、コップから1メートルほどの高さから勢いよく注ぎ、きめの細かい泡がたつシードルほど美味しいのだそうだ。そんなこんなで、ウチらが着いてからというもの、周りのクルーはシードルに色めきだっていた。ひとりあたま25ユーロを払って飲みに行ったのだが、これがまた凄い。どでかい樽がいくつも並び、あの樽もこの樽も……と辛口甘口、様々な味を楽しめることができる。飛び出るアーチをコップで受け止めるというエンタメ要素も面白くて、ついついおかわり君になってしまうのだ。もちろん飲み放題だが、白身魚に肉の類いも食い放題でオイシイこと尽くし。食はひとつの文化なわけで、旅の醍醐味でもある。そんなことを酔っぱらいながら思ったのです。ヒック。
そして、シードル屋の店先に飾られているのがバスクのサンタクロース、オレンツェロの像。かつてムグルザ兄弟率いる「コルタトゥ」がテレビに出て、トークついでに彼の歌を歌ったこともある。ちなみにオレンツェロの仕事は炭坑夫。コカコーラのキャンペーンから生まれた赤い服は着ていないが、顔だけはしっかり赤い。いわゆる3K(きつい、きたない、きけん)の仕事のため、給料は良く、その稼いだお金で、良い子にはプレゼントを買ってあげ、悪い子には石炭のかけらをあげたという言い伝えがある。もっとも、今は石炭のかわりに、黒い角砂糖をあげることになっているそうだ。これは、日本のゆとり教育とは真逆な考えですね。
■アスレティック・ビルバオとレアル・ソシエダ、そして悪口
ドノスティ(サン・セバスチャン)の街に入るとただならぬ雰囲気が渦巻いている。テロではなく、たまたま午後にサッカーのクラブチーム、レアル・ソシエダの試合があるとのこと。水色のウェアで統一され、腰にバスク国旗を巻いている人もいる。クルーの中でも応援しているクラブチームはまっぷたつに分かれている。もうひとつはバスク人の選手しか在籍していないというアスレティック・ビルバオ。若手クルーの二人は普段は仲がいいのだけれど、サッカーのこととなると喧嘩をし始める。他の話になればあっさりと仲直りするところが面白くて、話題を変えたりまた戻したりして楽しむ。単純というかなんというか……まぁ、なにごとものめりこむのはいいことだ。
山のてっぺんでスタジオを開いているカキ(アルカラゾ。ネグ・ゴリアックのギター)は、盟友バンダ・バソッティを「あいつらは女にだらしない」とか何とか言って、そこでまた盛り上がる。悪口といっても認めているからこそ言う、ずいぶんと和やかなもの。それは、輪をつくるためのいち要素であり、酒と同じくつきあいには欠かせないコミュニケーション・ツールなのだ。
■Esan Ozenki(大声で叫べ)からMetakへ
フェルミンは、レーベルの名前をエサン・オゼンキからメタクへと変えた。フェルミンはネグ・ゴリアック時代に「警官がクスリをくすねている」というような歌詞を書き、それがスペイン政府からクレームがついて長年争っていたのだが、その闘争に勝ったときに、ひとつの区切りとしてレーベル名をメタクと変えた。「メタク」とは下の写真にあるような、バスクの伝統的な飼い葉の形である。新しく何かを始める時に徹底した切り替えを行なうところに、フェルミンの完璧主義者ぶりがうかがえるのだ。そんな彼は、3年に一回しかツアーをしない。あとは、家族サービスと曲作り、そしてレコーディングに費やすのだそう。 |
comment and photos by taiki
|
mag files : Artists from Euskal Herria
mag files : Betagarri
photo report : (04/11/29 @ Shimokitazawa Basement Bar) : photos by nachi
photo report : (04/11/29 @ Shimokitazawa Basement Bar) : photos by hanasan
ザ・クラッシュ→フェルミン→ベタガリ : (04/11/25 @ King Cobra) : photos by ken
photo report : (03/11/29 @ Ueno The Church) : photos by hanasan
photo report : (03/11/24 @ Takadanobaba Club Phase) : photos by hanasan
ライヴレポとバスクのこと : (03/11/25 @ Osaka Big Cat) : review and photos by ken
photo report : (03/04/11 @ Villaggio Globale Rome) : photos by hanasan
|
|
|