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@ 朝霧アリーナ (6th Oct '07)

- マラジューブ - ねじれたポップスの光と闇 -


Malajube
 朝霧JAM一日目の夕暮れ時。空が徐々に色と香りを変え、深い表情を見せる絶好の時間帯に現れたのは、カナダ出身の5人組、マラジューブ。日本デビューからまだ日は浅く、彼らに関しての情報源は決して豊富ではない。それにも関わらず、「朝霧ではマラジューブを観たい」という声が周りで日に日に増していった。

Malajube 事前に音源を聴いたが、ひとつとして似たような曲がない。歌詞はなぜかフランス語。いい意味でつかみどころのない音を出す浮遊インディポップ集団という印象。視覚を通して、ライヴにて実際に体感することでその想いはさらに強くなるのだった。

 メンバーは、登場した時からほんわかしたマイペースなオーラを醸し出している。ソフトでドリーミーなヴォーカル・ジュリアンの声は、”pate filo” のような極上ポップソングではもちろん本領発揮。透明で伸びやかな声は、甘い綿菓子のようにふわふわと優雅に空へ舞ってゆく。

 バンドの演奏自体も実にしっかりしていて、メロディーやリズムを着実に、かつ丁寧に刻んでゆく。ただ音を大切にするあまり、演奏に時々リアルなライヴさがない、どこか予定調和的なものをはじめは感じていた。しかし一曲一曲を終える度に変貌を遂げていく彼らの姿を目の当たりにして、一瞬でもそんなことを感じてしまった自分を恥じた。観るものを動揺させ吸い込んでいく、秘めた力は徐々に沸点を超えていった。

Malajube 極めつけは、終盤に見た底力。インストでかき鳴らした音はシューゲイザーやサイケ、プログレの要素までも含んでいて、これでもかとぶちまけた音の粒は制御不可能な方向へ飛び散っていった。序盤で見せた顔とは180度違う、狂気じみた雰囲気さえ醸し出す。はじめて知るマラジューブ・ワールド。周りは溶けるほど甘く、奥には苦さとダークさをも持ち合わせた、最強の計画的エンターテインメント集団だったのだ。

 朝霧の空の表情は無限大。開放感に溢れた眩しい青い色から、霧吹きでスプレーしたような星の数々を飾りつけた夜の顔まで。様々なものを思い起こさせてくれたあの日の空と、マラジューブの音はどこかシンクロするものがあった。光と闇、表と裏、硬と柔。相反するもの同士をうまく混ざり合わせることで、彼らの変態ポップサウンドは完成していく。充分すぎるほどの才能を見せつけてくれた至福の50分間だった。
Malajube

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