buttonコネクト・ミュージック・フェスティヴァル 2007
@ インヴァレアリー・キャッスル (31st Aug to 2nd Sep'07)

- ティーンエイジ・ファンクラブ : 〜1娘+3親父=スコットランド〜


■1娘

 スコットランドの山が闇と同化したなかでのライヴもよし。そして、こうやってインヴァレアリー城を取り囲む自然と色とりどりのカッパが描く絵もまたよし。この絵のなかには音楽バカだっているし、近くのお祭りにちょっと遊びにきたおじいちゃんだっているし、子供連れの姿も特異なものなんかではない。お父さんに肩車してもらってとっておきの特等席からティーンエイジ・ファンクラブを観ているチビっ子だって立派なオーディエンスのひとりなのだ。きっと目の前で演奏しているおじさんが誰で、どんな曲を歌っているなんてこと知らないのに、お父さんのおでこを自分の打楽器にしてリズムを取りながら、サビともなれば指揮者さながらに、ここで、はい、ギターをジャーンと入れようなんてやっちゃったり、曲が終われば、おくできましたぁ! とばかりにエールを送る。こうやってスコットランドの娘は大きくなっていくのだ。

■3親父 〜その1〜
 やせた土地で育ったじゃがいもと、小麦からできたビールを数十年の月日蓄えることによって見事に形成されたビール腹の中年おやじにだって、若かりし頃があったんだよ。もしかしたら自分がステージに立ってロックン・ロールのヒーローになる野望をギラギラと尖らせていた青い時代もあったのかもしれない。ビールを片手にした1人のおやじがそれはそれはご機嫌で最前列の柵をひょいと乗り越え、ステージにいるヒーローに握手を求めに行った。ほどなくして、険しい顔をした警備員に取り押さえられるのは誰もが容易に予測できた次の瞬間であったが、そのおやじは高らかと両手でピース・サインを掲げ、何もなかったかのようにビール片手に歌いながら、英雄きどりでご満悦で再びオーディエンスの一部と戻ってきた。やっぱりご機嫌そのもの。この親父の行為の善悪という観点は少しおいておいて……あの場、あの瞬間、脳みそがゴー! が出されて身体が動いてしまったスコットランドの大の大人がここにいた。

■3親父 〜その2〜
 スコットランドでティーンエイジ・ファンクラブを……こんな贅沢な昼下がりをすごすことができて大満足で、 オイスター・ステージを後にしようとすると、オレンジのパンツをはいたとあるひとりの親父が目に入った。これだけで誰だかわかる人もいるのではないかと思うけれど、そう、BMXバンディッツのダグラスだった。スコットランドのアーティストが勢揃いのフェスで、フェスならではの競演的ハプニングがちらりほらりとみられるのかと思っていたけれど、意外にそういうシーンに遭遇することがなかった3日間だったけれど、このティーンエイジ・ファンクラブ×BMXバンディッツという光景をスコットランドで目撃したことは、たまらない光景だった。

■3親父 〜その3〜
 そして最後は言うまでもなく……ステージに立つティーンエイジ・ファンクラブの面々。これが正しい楽器の構え方、音の出し方、極上3音ハーモニーの作り方というお手本をおしげもなく披露してくれ、いちいちオーディエンスをうっとりさせる。本当にここまでティーンエイジ・ファンクラブを観ることができた嬉しさがフツフツと湧いてくる昼下がりだった。いいおじさんになってきていても、手のひらサイズの小さなおもちゃのような鉄琴を持って、意外に難しんだよ! ほらほらちゃんと観ててね、なんて茶目っ気たっぷりに無邪気に叩いているノーマンはじめな面々は、アーティストである前に、やっぱりこの人たちも、スコットランドを形成するには欠かすことのできないスコットランドの一要素なのだ。1娘のように、そこに音楽がごくごく自然のものとしてあり、2親父のように時間をかけてスコットランドで培われた気質がしっかりと染み込んでいているなかでこそ生まれたのがティーンエイジ・ファンクラブであるのだ。



report by kuniko
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Connect Music Festival 2007 (intro)



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