ゲット・ローデット 2007 @ クラッパム・コモン・パーク (26th Aug '07)
- ザ・ゴー!チーム - ポジティヴは勝つ

さる6月のグラストンバリー・フェスティヴァル、最終日にて彼らのダイナミックでパワー溢れるパフォーマンスが未だ記憶に新しいが、場所を変えて同じく野外フェスにて彼らの姿をまた観る事ができたのはこの上ない喜びであった。多国籍な面々から成る6人の男女混合メンバーと、これまた雑食性に富んだユニークなサウンドは、彼らをあまり良く知らない者でさえもその魅力で惹きつけるに十分な、まさに観て良し、聴いて良しのマイティ・チームである。来月にはニュー・アルバムの発表を控え、続く単独ツアーを前に、国内外の夏フェスで新たな手応えをファンに披露し続けて来た。空は未だに抜ける様な青さで、陽気さ満載のザ・ゴー!チームにはぴったりなシチュエーションも揃い、胸は既に昂っている。
楽器隊がぞくぞくとステージに現われ、歓声の中でヴォーカル、ニンジャがステップを踏み始める。もの凄い気合いと集中力を見せる各メンバーの間を自由に行き来し、軽快なニンジャのラップが広い空間にどこまでも響き渡り、早くも体が揺れ出した。演奏スタイルに濃い緊張感を保ちつつも、彼女の明るい表現、オーディエンスとナチュラルに一体となろうと盛り上げてゆく牽引力はこの人が特有に持つ魅力で、彼女を中心に据えたバンド・メンバーの結束したプレイがどこまでも崩れないからこそ、最終的にはザ・ゴー!チームというバンドとしての良い部分が前面に発揮されるのだ。時折照れた様に笑顔を浮かべるギタリストのカオリが鍵盤ハーモニカを吹き、その横でジェイミィが我が道を行くといった表情でギターをがしゃがしゃ掻き鳴らす場面あり、リーダーのイアンが遠くで恍惚と目を閉じ、二人のドラマーが時にマシーンと化したように無機質にリズムを叩き続ける場面あり、そしてやっぱり中央ではニンジャが行け行け押せ押せなノりで激しく踊っている。
バンドを観ていれば大概はリード・シンガーか、ギタリストの動きが目立って見えるものだが、このバンドが面白いのは、各メンバーの動きどれを取ってもそれが各自のキャラクターを反映しているようで目を引き、実に愉快であるということだ。それらがひとつになり、やがて肥大化し炸裂するポジティヴなメロディが、彼らザ・ゴー!チームの持ち味に他ならない。今回のフェスティヴァルでも存分にその勢いを感じる事が出来、秋から行われる本格的なツアーが待ち遠しくてたまらなくなった。
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report and photos by kaori
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Get Loaded in the park 2007 (intro)
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report and photos by kaori
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2007
可愛いだけじゃあ、だめなのよ : ライロ・カイリィ (20th Aug. @ イズリントン・アカデミィ、ロンドン)
宵を彩るファンタジスタ : シザー・シスターズ (26th Jul. @ ジ・オートゥ、ロンドン)
悲しくても泣けない時がある : ブライト・アイズ (4th Jul. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
暴れん坊がゆく! : ノイゼッツ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ワンダーワールドはキリの良い所までが丁度良い : ミーカ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
叫ぶなら中身を詰めよ : ザ・ホラーズ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
陽気で緻密なサウンド・マジック : ザ・ゴー!ティーム (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
大団円はもらった : ザ・ゴシップ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夢見る頃は過ぎない : パトリック・ウルフ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
極めずに進み続ける野心 : ザ・クークス (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
辿り着いたメッカ : クラクソンズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夜を制した男 : イギー・アンド・ザ・ストゥージズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
旬に乗ったらどこまでも : CSS (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
不思議少女のラビリンス : バット・フォー・ラッシィズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
洗練されしお茶目心 : ルーファス・ウェインライト (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
紳士の奏でる狂奏曲 : モデスト・マウス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
血は雨よりも濃く : ザ・クリブス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
純粋なる純白 : ブライト・アイズ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ソウルが無くても昂るの? : ブロック・パーティ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ビョークがビョークである所以 : ビョーク (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
楽団と狂騒 : アーケイド・ファイア (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
腐った魚は食えない : ジ・オートマティック (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
胸に巣食うよ、インディ病 : ザ・ピジョン・ディテクティヴス (30th May @ HMV、ロンドン)
指先の革命 : DJクラッシュ (27th May @ ココ、ロンドン)
じゃじゃ馬歌姫、KO勝ち : ザ・ノイゼッツ (24th May @ ココ、ロンドン)
かくも熱き音魂 : コールド・ウォー・キッズ (21st May @ ココ、ロンドン)
グロウスティックの震撼 : クラクソンズ (18th May @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
大波に乗れ! : ザ・マッカビーズ (17th May @ アストリア、ロンドン)
嵐を呼ぶ男 : ザ・レモンヘッズ (16th May @ ココ、ロンドン)
虎穴に光る虎児の牙 : プル・タイガー・テイル (11th May @ プラウド・ギャラリィ、ロンドン)
娯楽なロックは裏切らない : マキシモ・パーク (10th May @ アストリア、ロンドン)
壊れたおもちゃ箱 : ディアフーフ (2nd May @ ココ、ロンドン)
命短し、踊れよ乙女 : キャンセイ・デ・セイ・セクシィ - シーエスエス (23rd Apr. @ アストリア、ロンドン)
汗くさメタルよ、さようなら : ロストプロフェッツ (23rd Apr. @ HMV、ロンドン)
腹に響くぜ、ロックン・ロール : ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ (18th Apr. @ アストリア、ロンドン)
大人しいのは見せかけさ : ピーター・ビョーン・アンド・ジョン (15th Apr. @ ココ、ロンドン)
金の卵探しはオール・ナイトで : ザ・ナインティーン・ハンドレッズ、ジャック・ペネイト、グッド・シューズ、ビッフィ・クライロ (13th Apr. @ フォーラム、ロンドン)
行儀良く聴きたい夜には : ジョアン・アズ・ポリス・ウーマン (12th Apr. @ スカラ、ロンドン)
眠れぬ森の王子 : パトリック・ウルフ (11th Apr. @ アストリア、ロンドン)
裸の俺様 : レイザーライト (8th Apr. @ アールズ・コート、ロンドン)
耳を肥やせ、インディ・ファンよ : リトル・マン・テイト (5th Apr. @ アストリア、ロンドン)
あと、もう一歩 : マキシモ・パーク (4th Apr. @ HMV、ロンドン)
泣く子も黙るライヴ天国 : フォール・アウト・ボーイ (2nd Apr. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
二枚目の分かれ道 : ザ・レイクス (31st Mar. @ ブリクストン・アカデミー、ロンドン)
ボヘミアン・ラプソディ : ゲット・ケイプ・ウェア・ケイプ・フライ (30th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
失われぬ青春ポップス : ザ・シンズ (28th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
ジャンル無法地帯警報 : エンター・シカリ (21st Mar. @ HMV、ロンドン)
加速するエモ・ポップ特急 : キッズ・イン・グラス・ハウジーズ (17th Mar. @ ココ、ロンドン)
天才とセンティメンタリズム : ブライト・アイズ (16th Mar. @ ココ、ロンドン)
音楽が音楽であるために : ジ・アワーズ (15th Mar. @ KCL、ロンドン)
踊るインベイダー : ザ・レイクス (12th Mar. @ HMV、ロンドン)
怒れるスコッツ : ビッフィ・クライロ (9th Mar. @ HMV、ロンドン)
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