グラストンバリー・フェスティヴァル @ ワージー・ファーム、ピルトン、サマーセット (22nd - 24th Jun. '07)
モデスト・マウス @ アザー・ステージ (22nd Jun. '07)
紳士の奏でる狂奏曲

ちょこちょこラジオで音源を耳にしていて良い曲だなーとは思っていたが、このモデスト・マウスを観賞するにあたって筆者を突き動かす理由はただ一つ、ギタリストのジョニー・マーが観たい、それだけである。ザ・スミスではモリッシィの辛辣でアイロニックな歌詞に惹かれるものの、それと並行して優雅に響くジョニーのギターの音色は掛け値無しに素晴らしく、世間の評価同様に彼らを語る時にはそのどちらか一人でも欠けたら意味 が無い、ある意味彼らは表裏一体の存在であったから、後追いでもザ・スミスに魅了されたものとしては、かたやどっぷりしてきたモリおじちゃんをとっくに観た以上、今回はジョニーその人を是非にこの目に焼き付けたかった。何ともモデスト・マウスの他メンバーに失礼な話である。
ちょうど筆者サイドに颯爽と現われたジョニー、遠目とはいえ、ボトックスでも打ってんのか知らんと思わずにはいられぬ程、肌がつやつやである。そして、若い!!ザ・スミス時代には潤んだ瞳に痩身、前にすだれた前髪と、二昔前の美少年をまさに地でいっていた彼は、無駄な贅肉で皮パンがぱつぱつになるのでも無く、爽やかで、素敵な紳士そのものだ。他のメンバー、特にヴォーカルがいかついセキュリティみたいな人だけに、更に彼を引き立てて見せてくれている。
同じUS圏であるコールド・ウォー・キッズを更に逞しくしたような聴き応えあるハイ・トーンのヴォーカルと、職人集団の如く、壮大に響くバンドのアンサンブル。最初はジョニーの華麗なギター・プレイばかりに目を奪われていたが、曲が進むにつれ、モデスト・マウスのクオリティの高いインディ・サウンドに、バンドの全体像を見渡しながら音楽を楽しむ心の余裕が生まれて来た。デス・キャブ・フォー・キューティやザ・シンズら、USのインディ・バンド陣には、UKのそれらに欠ける持ち前のカラっとした明るさでこだわりの音を聴かせる良いバンドが多く、二つのインディ・バンド大国の大きな違いがここでも感じられた。加えてモデスト・マウスにはダイナミズムと鋭敏な叙情性があり、その迫力がバンドを大きく見せ、音もそれに乗じて力強い。楽しい週末をね、と観客に言い残して去っていったジョニー。生きるレジェンドの余裕の笑みに雨が邪魔するはずもない。
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report by kaori and photos by emi
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紳士の奏でる狂奏曲 (07/06/22 @ Glastonbury Festival, Pilton) : review by kaori, photos by emi
photo report (07/06/22 @ Glastonbury Festival, Pilton) : photos by emi
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