グラストンバリー・フェスティヴァル @ ワージー・ファーム、ピルトン、サマーセット (22nd - 24th Jun. '07)
ブロック・パーティ @ ピラミッド・ステージ (22nd Jun. '07)
ソウルが無くても昂るの?

2年前のテント水没という、大災難で幕開けたグラストでは、電気系統トラブルの為に初日に予定されていた演奏の多くが中止を余儀なくされた、まことに悔しい一幕があったのを覚えている。その時はチケットを手に入れられず、友人宅でラジオ中継を聴きながら、 あー、行けなくて良かったね、こりゃ、などと呑気に思っていた。何とか設営も終わり、午後の部の陣がちらほら聴こえてきたのだが、音は割れるわ、飛ぶわ、マイクのスウィッチが入らないわ、と状況は悲惨この上なかった。下手くそなバンドはラッキィだったろうが、演奏力を自負する人達にとっては相当歯痒かったことだろう。とりわけブロック・パーティは最悪だった。声もギターもドラムも全滅。CDは良い彼ら、その後目にしたライヴ映像でも、ヴォーカル、ケリーの声がはったり気味で、はっきり言ってライヴの彼らにはほとんど期待していない。今回もそうであった。
ピラミッド・ステージにレヴェル・アップした彼ら。国内チャートは順調だし、通常のギグもすぐに売り切れている。歳月を経てバンドの演奏力は随分向上した。ドラミングも逞しくなった。けれど、ヴォーカルがCDに比べると全然エモーショナルじゃないし、ここぞと言う時の高音も誤摩化して出ていない。レディオヘッドの叙情性とピクシーズの凶暴性を彷彿させる楽曲のセンスは抜群だし、ノリを促すリズムも素晴らしいのに、やっぱり、ケリーさん、この人の歌にどうしても納得できないのだ。こんな筆者は多くを求め過 ぎだろうか?そんじゃおまえが歌ってみ、などと言われたらそれまでだが、こちらはあくまでレヴューする側、それは言わない約束である。盛り上がり時にはやっぱり期待してしまう高揚感、突き抜けるハイ・トーン。何故に、ソウルが生まれないのかね。ブロック・パーティはインストルメント・バンドじゃなかろうに。
大舞台だけに、客層も様々で、概ね観客の反応は良好である。新旧交えたナンバーに一緒に歌ったり、ダンスで盛り上がる人の数はおびただしい。別にライヴなんだからCDと違ったっていいじゃんかよ、なんて肩を叩く人もいるかもしれないが、この後目にしたライヴのバンドや、シンガーの、CDを上回る歌いっぷりに感激した場面に多々出くわした以上、ここはあえて筆者の感想は曲げないでおく。ライヴ・バンドというのは演奏は勿論、心臓でもあるヴォーカルの責任は重い。そりゃ昔よりはすっと上手くなった。ただ、彼らより知名度が低くても、強烈な歌い手が率いるバンドは沢山いる。雨が降らなきゃ全て良しって訳じゃないぜよ。
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report by kaori and photos by emi
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ソウルが無くても昂るの? (07/06/22 @ Glastonbury Festival, Pilton) : re view by kaori, photos by emi
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