グラストンバリー・フェスティヴァル @ ワージー・ファーム、ピルトン、サマーセット (22nd - 24th Jun. '07)
アーケイド・ファイヤー @ アザー・ステージ (22nd Jun. '07)
楽団と狂騒
メディアを始めとしたアーケイド・ファイアを絶賛する一連の声は、その音源もさることながら、彼らのライヴ評に如実に集約されている様な気がしていた。まあ、彼らの記事を目にすれば、ベタ褒めされていることはあってもこき下ろしたり、否定的な見方をする者の評価はついぞお目にかかった事が無い。とりわけ、デビューしてから地元カナダよりもUK側で注目を浴び、各地でのライブ、フェスティヴァルのパフォーマンスを高く買われ、やれ、ミュージシャンも認める鳥肌もののアクトだの、言葉に現しきれないほどの感動だのと、どこもかしこも感激、感動とかまびすしかった。ほんじゃ、まあCDをと思って手にしてはみた。決して悪くは無い。スケールの大きなサウンド、幽玄的なヴォーカル。決して個人的にも嫌いな音では無い。ただ、それだけで自発的に彼らのライヴに足を運びたいか、と言われれば正直そこまで強い思いは抱かなかった。
前方に身を滑り込ませているのも、後に控えるビョーク観たさ故であるところが大きい。ダイナミックなバンド・サウンドならば、寧ろちょっと遠巻きに聴いた方が全体像を掴めて良いのだが。ともあれ、舞台に上がった総勢9名のアーケイド・ファイア、観客の声援は凄まじい。カナダからやって来たアーケイド・ファイアです、とフロントマンのウィンがバンドを紹介し、ほどなく爆音の演奏体制に入った彼ら。噂通り、耳にこだます音の凄まじさは相当なものである。勢いというか、それぞれのメンバーが楽器を奏でる姿は狂気じみてすらいて、特に打楽器やアコーディオンを担当するウィンの妻、レジーナのエナジェティックな動きが誰よりも目立っている。真っ赤なドレスに可愛い長靴を履いて、大きく体をのけ反らせるその姿は圧巻。空にスネア・ドラムを放りつつ打つメンバー、横に於いたヘルメットをばこばこ真剣に叩く姿にはどこかミステリィ・ジェッツの姿が重なる。
大仰にシャウトするわけでも無いのに体の中心を貫く様なヴォーカルや、それに追い打ちをかける様に鬼気迫るバンドの演奏。その姿はまさに、劇団、音楽集団と評するに相応しい、音楽の演奏を越えたアクロバティックなライヴ・パフォーマンスだ。一ついうならば、そこまで大仰にすん晴らしいっっ!と力説するほどの感動は覚えなかったが、後は、好き嫌いの問題であろう。トータルな意味でライヴってこんなに凄いものなんだ、と思わせるには十分白熱したひと時であったことは間違いない。
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楽団と狂騒 : (07/06/22 @ Glastonbury Festival, Pilton) : review by kaori, photos by q_ta
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