ストリート・ビート・フェスティヴァル 2007 feat. バンダ・バソッティ、ボイコット、DDR、和気優 & ソウル・フード・インターナショナルズ・ロックステディ・レヴューとドクター・リン・ディン @ ムセオ・セルヴィ, レッジョ・エミリア (25th Apr. '07)
- イタリア解放記念日で幕開け - part2 -
スペインからやってきたボイコットの基本となるメンバーは、ジャン・カルロス(Vo. B.)、コスタ(G.&Vo.)、アルベルト(G.&Vo.)、そしてグラス(Dr.)の四人。今回のツアーにはサポートでトランペットとトロンボーンが入っている。長髪にヒゲといった無精面が半数を占めていて、連想するのはストリート・ビート・フェスティバルというよりはオズ・フェスト。おかげで、ザ・クラッシュが作った筋道があって、マノ・ネグラが道を広げて…という、自分の中にでき上がっていたパンク路線の土台が揺るぎはじめる。
ラテン圏のバンドがスカを取り込むのは、キューバからジャマイカに渡ったアーティストと共通の言語を持つという部分で理解できるし、パンク・バンドがスカをやるのも、ドン・レッツがいたことですんなりと説明がつく。ところがどうだ、蓋を空けてみれば、ロシア民謡がひょっこりと顔を出す。裏打ちで走る"コルサコフ"の衣を剥げば"カチューシャ"で、曲の中盤からはヘヴィ・ロックの圧力までもが頭をもたげてくるのだ。ひょっとすると、労働者の赤い星が旧ソビエト連邦と結びつけたのかも知れない、きっとそうだ! …とは今になって気づいたのだが、その時はただただ驚くばかりだった。
ラテン圏の結束を垣間見せてくれたのが、SBF全日程を通して、この日のみの演奏となった"ベラ・チャオ"。もちろんこの場所でこそ、という意味もあるが、ナチスとの協力関係を築いたフランコ政権時代(スペイン。1938年〜1975年)を意識していたとも思えるのだ。
ドレッドロックの日本人・和気優は一人で乗り込み荒々しいブルーズをかきならす。独特のしわがれた声を武器に、完全アウェーのイタリアへ日本語で闘いを挑んでいく。引きつったリフを繰り返して空気を削り、麻雀の言葉をぶつけていくのだ。慰問で培った度胸があたりを震わせ、言葉が通じずとも身振り手振りが一人ひとりに刺さる。ギターを痛めつけ、余韻が響いていくと同時に「おまえに!」と自らの声だけを発射する。堂々とした佇まいに押され、期待すらしていなかったオーディエンスはいつしか拳を握るようになっている。ここでは日本語の曲だけ演奏したのだが、翌日からは、とある曲がセットリストに加わることとなる。それはまた、後日のレポートで明らかにしたい。
和気優の演奏中、そのバックではいそいそとバンダ・バソッティのメンバーが機材を設置し、セットチェンジの時間がほとんどないまま、メンバーが登場してくる。レーベルも自分達でやるならば、荷下ろしもすべて自分達でこなす。セキュリティも用意せず、あるがままの状況を受け入れようとする彼らは、なにからなにまで自主制作だ。もし職人がステージを設置してくれなかったら、きっと早々に現地入りし自分達で作ってしまうのだろう。
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メンバーはすでに、にこやかな親父から血管を浮きだたせて反抗する親父へと変わっていて、ここにいること、ステージに立つこと、そして叫ぶことでローマと北の大地の民意を繋げ、オーディエンスとぶつかりながら走る。シスコが奏でたパルチザン讃歌がオーディエンスの合唱を誘うように、ここ数十年で生まれたバンダ・バソッティの曲もコーラスが返される。過去を飲み込んだ上で成り立つ現代のレベル・ミュージックが鳴らされたのだ。
長渕を崇拝するファンもコーラスを返すが、それは彼に対する個人崇拝でしかないのに対し、バンダ・バソッティはまるで崇拝の対象にはなっていない。叫ばれる主張やスタンス自体が共感を集めるわけで、リスペクトとはほど遠い。イタリアで生活する民衆としての基本的な反抗を言葉にしてくれるから、自らの生きた言葉として発せられる。ステージの上も下も関係なく皆が同じ立場だと感じているし、たまたま声をあげるきっかけとして、バンダ・バソッティが中心にいる。
歳を考えれば、血圧を気にしていてもおかしくないメンバー達だが、健康よりも真っ赤な顔をして叫ぶことが先に出る。正直言えば、演奏はさほど上手くないし、ホーン隊のダンスもまとまっているとはいえない。だが、彼らにとっては同じ立場で叫ぶことが重要で、言い換えればダサくても見た目がバラついていてもいい。引くに引けない主張を叫ぶために、ピッキオ(Vo.)が歯茎を剥き出しにしながら飛び跳ねたり、つきでた腹に乗っかるギターにありったけの思いをぶつけて奮闘する結果、これ以上ないまでの一体感が生まれる。若者はもちろん爺さん婆さんにも平等に世界をぶつける。荒療治ともいえるが、差別の撤廃とも繋がる立ち位置を変える気など、彼らには微塵もないのだ。最後はやっぱり"ベラ・チャオ"が用意され、歌い歌わせて大円団。誰がヴォーカルかと聞かれれば、間違いなく「この場にいる全員」と答えてしまう大合唱だった。
労働者が寄り集まったバンドが生み出した気流は、社会の底辺から突き上がる。お偉方へと届くまでに、様々な人々を巻き込んで力を持ってしまう。そんなイメージが降ってきた。最初にスピーチをした役人の姿は確認できなかったけれど、まさか、この民意の盛り上がりを見てないってことは…ないだろうねぇ?
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report by taiki and photos by hanasan
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Street Beat Festival
2007
review feat DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, You Waki & Banda Bassotti (28th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, Boikot, You Waki & Banda Bassotti (27th Apr. @ Estragon, Bologna)
review feat DDR, Boikot, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, You Waki & Banda Bassotti (26th Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
intro + photo document & review feat Cicso, DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. Ring Ding, Boikot, You Waki & Banda Bassotti (25th Apr. @ Muse Cervi, Reggio Emilia)
2006
Banda Bassotti (8th Apr. @ Zapata, Genova)
Talco & Banda Bassotti (7th Apr. @ C.S.A. Paciana, Bergamo)
Banda Bassotti (4th Apr. @ Piazza Mercato, Marghera)
Brigada Flores Magon & Banda Bassotti(1st Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
2005
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (19th Mar. @ Villaggio Globale, Rome)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (18th Mar. @ Babylonia, Ponderano)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (17th Mar. @ Teatro Polivalente Occupato, Bolgna)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (16th Mar. @ Auditorium Flog, Firenze)
2004
Sandokan & Manicomio Latino, Doberman, Banda Bassotti & Burning Heads (25th Apr. @ Museo Cervi in Reggio Emilia)
Sandokan & Manicomio Latino, Burning Heads, Doberman, & Banda Bassotti (24th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (17th Apr. @ Leonkavallo, Milan)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (16th Apr. @ Ku.Bo, Bolzano)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (15th Apr. @ Estragon, Bologna)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (14th Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
2003
Brahman & Banda Bassotti (19th Apr. @ Paci' Paciana, Bergamo)
Brahman & Banda Bassotti (18th Apr. @ Zapata, Genova)
review feat. Brahman & Banda Bassotti (17th Apr. @ Giornata dell'Arte e della Creativita Studentesca, Pisa)
The Unity Squad, Rude Bones, Mongol 800 & Banda Bassotti (12th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
Betaggari, Brahman, Banda Bassotti & Obrint Pas (11th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat. Dobernman, Capdown & Banda Bassotti (29th Mar. @ Leonkavallo, Milan)
Capdown, Doberman & Banda Bassotti (28th Mar. @ Pedro, Padova)
Doberman, Capdown & Banda Bassotti (27th Mar. @Container, Bologna)
Capdown, Doberman & Banda Bassotti (26th Mar. @Auditorium Flog, Firence)
2002
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (6th Apr. @Villaggio Globale, Rome)
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (5th Apr. @ in Padova)
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (3rd Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
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