ストリート・ビート・フェスティヴァル 2007 feat. バンダ・バソッティ、ボイコット、DDR、和気優 & ソウル・フード・インターナショナルズ・ロックステディ・レヴューとドクター・リン・ディン @ ムセオ・セルヴィ, レッジョ・エミリア (25th Apr. '07)
- イタリア解放記念日で幕開け - part1 -
ローマから時間にして4時間ほど、農耕と牧畜が主な産業であるレッジョ・エミリア県ガッターティコにあるセルヴィ博物館に到着。かつてパルチザンとして戦ったセルヴィ爺さんが遺した記念館の庭がSBF開始の舞台となる。ステージ正面から50メートルほどいったところに銃を持ったセルヴィと、その子供達をかたどった記念碑がある。立派な石でもなく、丁寧な加工が施されているわけでもない。だが、ザラついたその肌触りに、武力行使という選択肢しか遺されていなかった当時の複雑な思いが迫ってくるように感じる。
イントロでも言ったが、この日はファシズムからの解放記念日(1945年4月25日)として、イタリアでは最も大切にされている日だ。しかしイタリア北部ではナチスがムッソリーニを操り、イタリア社会共和国(1943年9月〜1945年4月)を成立させていた。バンダ・バソッティが南ではなく、北へと足を向ける理由はここにあると思うのだ。
同じ敷地内ではライブだけではなく、講義が行なわれ、屋台までもが出店する町をあげたイベントとして、かなりのにぎわいをみせている。ステージがざわつきだすまでは、ぼーっとしたり、くっちゃべったり、当然人が集まりゃ呑んだくれたり…と各自で楽しんでいる。しかし、イタリア国旗の三色で彩られたタスキを斜めにかけた政府の役人らしき女性がスピーチを始めると、爺さん婆さんはもちろん若者までもが、真摯な眼差しを向けて話に聞きいる。こちらも、まるでわからん巻き舌言葉を追っかけるが、かろうじて聞き取れたのは「アンチ・ファシスト」らしき響きのみ。一緒になって歓声をあげたいけれども、話の脈絡がわからんもんで完全に取り残されている。しかし、周りの尋常じゃないたかぶりが、スピーチの内容を大まかに翻訳してくれたように思える。傷ついたり犠牲を払いながらナチズム/ファシズムを追い払った功績を皆でたたえ、ときに声をあげて騒ぎ、4月25日という日を噛みしめている、そんな内容だと信じている。
スピーチののち、ワンピースを着たおばさんとセッションをしていたシスコ(ラディカルなコンバット・フォーク、軍団、モデナ・シティ・ランブラーズの元メンバー)が舞台へと上がり、ギター2本とアコーディオンで演奏を始める。決して厚みがあるわけではないのだが、ナイロン弦の軽やかな響きとアコーディオンが音階の昇り降りを始めれば、お客さんから自然発生的にコーラスが飛び出す。おそらく、戦中戦後から代々歌い継がれてきたパルチザン讃歌を歌っているのだろう。説明があったわけではないけれど、それしか全員がフルコーラスを歌う理由は見つからないのだ。次に出てきたDDRは音圧にまかせて荒削りに弾けてみせたが、"ベラ・チャオ"でシガロの飛び入りを誘うまでに盛り上げたアコースティック・セットのシスコには到底及ばない。とりあえず嫌いじゃない、どちらかといえば好きだ。が、イタリアという土地は民衆の心をつかんでこそ感じるものが生まれるところ。オーディエンスがバンドの生死を決めてしまうのだ。なわけでDDRは後日に期待、といったところだ。
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調子良いMCが乗っかる出囃子でドクター・リン・ディンとロックステディ・レビューの面々が登場。ガードマンという例えがぴったりはまるスキンヘッドの巨漢、ドクター・リン・ディンが気難しい表情を浮かべている。これはあとでわかることだが、不機嫌なわけではなく、綿密に練られた騙しあいのきっかけとしてあるのだった。
彼を初めて知ったのはシニア・オール・スターズを率いていたころ。音源ごとの毛色がスカだったりレゲエだったりダブだったりと見事にバラけていて驚たような記憶がある。そんな探究心旺盛な彼が、若手中心の新バンドを率いてやってきたのだ。キーボードの太っちょは若干21歳で、毎回現場で鍵盤を乗せる台を探さねばならないという仕事も請け負っており、ムセオ・セルヴィで見つけてきたのはかなりグラつく台。なんとか機材を支えようとする姿には笑ったが、ステージにあがれば皆パリッとしたスーツを着、襟を正す男前集団となる。モニターにはきらびやかな布がかけられ、ホーン隊の前には足元を隠す板があり、スカやロックステディというよりはジャズのビッグバンドのようだ。
ローレル・エイトキンの"ザイオン・シティ"に始まり、アルトン・エリスの"ダンス・クラッシャー"、ロード・タナモの"ムード・フォー・スカ"などの名曲群にドクターの朗々とした声が乗せられ、オーディエンスは惹き込まれては踊り狂い、土を踏みしめていく。ドクターは毎回のMCで「ストップ!」と言っては黙らせようとするが、オーディエンスはやれ叫べ! とばかり騒ぎ立て、大男の眉間にさらなるしわを刻もうとする。しかし、このやりとりこそ彼が意図したところ。かつてパルチザンとして勝利をつかんだ者の孫世代も知らず知らずのうちに転がされていたのだ。ドクター・リン・ディン、かなりの皮肉屋である。
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report by taiki and photos by hanasan
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Street Beat Festival
2007
review feat DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, You Waki & Banda Bassotti (28th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, Boikot, You Waki & Banda Bassotti (27th Apr. @ Estragon, Bologna)
review feat DDR, Boikot, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. RIng DIng, You Waki & Banda Bassotti (26th Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
intro + photo document & review feat Cicso, DDR, Soul Food International's Rocksteady Revue feat. Dr. Ring Ding, Boikot, You Waki & Banda Bassotti (25th Apr. @ Muse Cervi, Reggio Emilia)
2006
Banda Bassotti (8th Apr. @ Zapata, Genova)
Talco & Banda Bassotti (7th Apr. @ C.S.A. Paciana, Bergamo)
Banda Bassotti (4th Apr. @ Piazza Mercato, Marghera)
Brigada Flores Magon & Banda Bassotti(1st Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
2005
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (19th Mar. @ Villaggio Globale, Rome)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (18th Mar. @ Babylonia, Ponderano)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (17th Mar. @ Teatro Polivalente Occupato, Bolgna)
Bombshell Rocks, The Slackers & Banda Bassotti (16th Mar. @ Auditorium Flog, Firenze)
2004
Sandokan & Manicomio Latino, Doberman, Banda Bassotti & Burning Heads (25th Apr. @ Museo Cervi in Reggio Emilia)
Sandokan & Manicomio Latino, Burning Heads, Doberman, & Banda Bassotti (24th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (17th Apr. @ Leonkavallo, Milan)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (16th Apr. @ Ku.Bo, Bolzano)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (15th Apr. @ Estragon, Bologna)
review feat. The Movement, Fermin Muguruza & Kontrabanda, & Banda Bassotti (14th Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
2003
Brahman & Banda Bassotti (19th Apr. @ Paci' Paciana, Bergamo)
Brahman & Banda Bassotti (18th Apr. @ Zapata, Genova)
review feat. Brahman & Banda Bassotti (17th Apr. @ Giornata dell'Arte e della Creativita Studentesca, Pisa)
The Unity Squad, Rude Bones, Mongol 800 & Banda Bassotti (12th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
Betaggari, Brahman, Banda Bassotti & Obrint Pas (11th Apr. @ Villaggio Globale, Rome)
review feat. Dobernman, Capdown & Banda Bassotti (29th Mar. @ Leonkavallo, Milan)
Capdown, Doberman & Banda Bassotti (28th Mar. @ Pedro, Padova)
Doberman, Capdown & Banda Bassotti (27th Mar. @Container, Bologna)
Capdown, Doberman & Banda Bassotti (26th Mar. @Auditorium Flog, Firence)
2002
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (6th Apr. @Villaggio Globale, Rome)
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (5th Apr. @ in Padova)
Banda Bassotti with Brahman, Senza Sicura, & King Prawn (3rd Apr. @ Auditorium Flog, Firenze)
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