スパルタローカルズ・ワンマンツアー2006「何だ、ばかやろう」 @ 札幌ベッシーホール(1st Nov. '06)
ばかやろうが言える男
スパルタローカルズが変わった。いや、変わったのではなく脱皮した。こんなにロックンロールだっただろうか、こんなにパンクだっただろうか。ちょっとややこしいという印象を持っていたスパルタローカルズの、何かが確実にハジけていた。
ベッシーホールに集まった人たちは、9月に出た新しいアルバムを聴いてスパルタローカルズの変化に気がついていたのか、それとも、ドラム脱退後初めて耳にする生音に緊張していたのか、何かを待っている高ぶった空気が流れていた。新しいアルバムを引っさげてのライブは、聞き込んだ聞き込まないにかかわらず、様子を見ているようにジリジリとしか乗らないことがある。今日のライブも前半のお客さんの動きが鈍く見えたが、様子見をしているというよりも、圧倒されてノれなくなったと雰囲気だった。
この日の彼らのいでたちは、以前のラフな服装から若干ステージ衣装っぽくなっていた。しかしそれとは比べ物にならないくらい、今日の彼らは一曲目からものすごくロックンローラーの風格があった。今までのイライラ感とか鬱屈感は、少し遠まわしだったんじゃないかと思わせるほど音が直接的に伝わってくるし、歌詞や音から感じる世界観も、ぐっと鮮明になったように思う。
次々と新曲が続き、ステージと客席とのテンションが同じになったころ、印象的なギターの音で"ピンクのバイクにまたがって"が始まると、スパルタローカルズらしいこの曲に大きな歓声が沸く。そして彼らには珍しいスローなバラード"Fry"へ。この曲は去年発売された曲だが、今のスパルタローカルズの手にかかると、この淡い色のラブソングにも鮮やかさが加わる。
リズムが強調された曲が多い中、ドラムの脱退で少し不安があったけれど、それを感じさせないドッシリとしたリズム、そして交錯する2本のギターの音にも迫力が増し、ベースの音もかなり前に出てくる。スパルタローカルズ=安部コウセイという方程式で成り立っている印象が強かったバンドだったが、それぞれが音で個性を発揮できるバンドへと移り変わってきたのかもしれない。"I LOVE YOU"の不安を引っ張り出してくるようなギターの音に胸がザワつき、声が裏返るくらい熱を帯びてるボーカルには色っぽささえ感じるくらいだ。ベースがメインになっていると言っていいほど、その音で踊らされる曲がたくさんあり、低く重く弾む音を耳と体で楽しんでいた。
後半は、ライブでお客さんが楽しみにしているであろう曲の目白押しで、"ザ・クラブ""東京バレリーナ"では、後ろがスカスカになってしまうほどステージに人が詰めより「やっぱりこういう曲でノせまくるのがスパローなんだよ」という盛り上がりを見せ、キマリまくる音と人の渦が一体となった時間だった。そして、私が一番楽しみにしていた"ばかやろう"が始まる。アルバムの一曲目を飾るこの曲だが、今までの彼らだったら、こんなストレートで感情剥き出しのタイトルすらありえなかったはずだ。体半分を客席に突っ込んで、かなりのキレっぷりでツバを飛ばして歌うコウセイ。この荒々しい曲に乗らない手はない。夢中になって「ばかやろう」と歌い叫ぶお客さんたち。スパルタローカルズでここまで精神的にも肉体的にも発散できる曲は他にはないだろう。
新旧の曲にかかわらずここまで変化を感じられたのは、ただ単にスパルタローカルズのニューアルバムの出来がよかったからという理由ではないということが、このライブを観てわかった。それだけの理由だったら、昔の曲は代わり映えしなく聴こえただろうし。「ばかやろう」や「I LOVE YOU」という言葉を堂々とまっすぐに言えるようになったことも、大きな理由なのかもしれない。
|
report by rica and photos by q_ta
|
Bessie Hall 20th Anniversary (intro)
Sparta Locals(review), Carrie, Sion, Gekkou Green, Milkteath, Bazra, Tomohiro Kondo, Matsutakeya Kiyoshi and Emerson Kitamura, Corner(review), Keiichi Sokabe BAND(review), Mo'some Tonebender, The 50kaitens(review)
|
mag files : Sparta Locals
ばかやろうが言える男 : (06/11/01 @ Sapporo Bessie Hall ) : review by rica
photo report : (06/11/01 @ Sapporo Bessie Hall ) : photo by q_ta
review : (06/11/01 @ Sapporo Bessie Hall ) : review by Aya
photo report : (05/03/27 @ Sapporo Bessie Hall ) : photo by q_ta
photo report : (05/01/31 @ Harajuku Astro Hall ) : photo by keco
2004年の大金星 新宿LOFTに集結。 : (04/12/26 @ Shinjyuku LOFT ) : report by sleepy, photo by keco
photo report : (04/09/10 @ Sapporo Bessie Hall ) : photo by q_ta
4つの夜明けの太陽たち : (04/06/11 @ Shinjyuku Loft ) : report by wacchy, photos provided by Space Shower
|
|
2006
緊急事態だったんです : ザ・たこさん (21st Oct @ 大阪あべのザ・ロック食堂)
ロックのゲンコツ : ザ・クロマニヨンズ (19th Jul @ ライジング・サン・ロック・フェスティヴァル)
9年振りの同窓会 : 米米クラブ (19th Jul @ ライジング・サン・ロック・フェスティヴァル)
漂泊のロックンローラー : ロックンロール・ジプシーズ (18th Jul @ ライジング・サン・ロック・フェスティヴァル)
やたらと沁みる傷薬 : 小谷美紗子 (18th Jul @ ライジング・サン・ロック・フェスティヴァル)
限界を超えたスタートダッシュ : マキシマムザホルモン (19th Jul @ 札幌ペニーレイン24)
札幌の涼しい夜が燃えだした : ファイアースターター feat. オーヴァーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド、テン・フィート、ブラッドサースティ・ブッチャーズ (15th Jul @ ゼップ札幌)
オヤジになりたかった夜 : シオンと松田文 (19th May @ 札幌アイビック)
2005
インビシ初体験物語 : インビシブルマンズデスベッド (23rd Jul @ 札幌すすきの810)
ロッキンポども、かかってきなさい : マキシマム・ザ・ホルモン (28th May @ 札幌ベッシーホール)
review (no title) : "第2回 日米ロックンロール馬鹿対決9本勝負 Dixied The Emons (23rd May @ 札幌ベッシーホール)
review (no title) : "恋とエレキと花束と"ツアーVol.3ファイナル〜涙の3マンショウ! feat. ミルクティース, ザ・サーフ・コースターズ, ノン・ドラッグス (24th Apr '@ 札幌すすきの810)
review (no title) : スパルタ・ローカルズ (27th Mar @ 札幌ベッシーホール)
|
|