朝霧ジャム - イッツ・ア・ビューティフル・デイ - @ 朝霧アリーナ (7th to 8th Oct '06)
- ブリンズリー・フォード - マウンテンズ・オブ・スピリット
ザイオン・トレインがステージからそのアジテートなダブを吐き出しているとき、富士山は、洛陽の長い波長のスペクトルに、頂の先まで染め抜かれていた。日曜日、ウォリアー・チャージからのダブ三連発の大トリを務めるのは、元アズワドのブリンズリー・フォード。峰の向こう側にすがりつくかのように、雨ヶ岳の稜線の辺りを赤く焼いていた太陽の残滓も、その頃にはもう、頭上から降り注がんとばかりに準備万端に瞬いている大小無数の星座と、蒼白の光を湖面いっぱいにたたえたような満月に、主要な舞台装置の座を譲り渡していた。
古代のイランでは、死者の魂は星となって輝き、天球の回転作用によって船である月へと運ばれ、月が無数の魂で満ちたとき天界へと出航する、そう信じられていたとか…そんな寓話をふと思い出す。そういえば何年か前の朝霧で、クイーン・シーバのソロモンが「この夜空はアフリカと同じだよ」と言っていたっけ。
ステージ上ではブリンズリーが愛嬌たっぷりに、ミキサーのトランスフォーマーを駆使して、ぶっといリディムをリフレインさせる。ダブ三連発と意気込んだものの、CDJで鳴らされるのはダンスホール一辺倒…弱ったな、エレファントマンが何度かかかったくらいしか、わからない。ビーニー・マンやタンヤ・スティーヴンスもかかっていたのだろうか。DJセットの両脇に積み上げられた馬鹿でっかいモニター・スピーカーが、正しいルーツ・スタイルなのだが…まあ、いいか。ほどよくブーストされたベースラインにたゆたいながら、仲間が差し出したマイヤーズのハーフ・ボトルを煽る。正しい「スピリッツ」だ。胃の腑がちくりと温まる。
途中、デスモンド・デッカー"007"から同一リディムのダブ・プレートと、ルーツ・セットを少し挟んで、ふたたびダンスホール。片方のCDJが不調なのか、幾度となく曲が途中で切れてしまうのに、さすがにちょっと不満そうな表情を浮かべたのも束の間、気を取り直してすぐさま次の曲をつなぐ。ご機嫌なリディムにブリンズリーもこちらもニヤリと頬を弛緩させる。レインボー・ステージのボアダムズの裏で、ブリンズリーの人柄を映したような、温かくておおらかなリディムに引き寄せられてきたみんなの顔を見渡すと、仲間や、大阪の友人や、土曜日に富士宮駅で出会ってタクシーをシェアした男の子、など。なんだか今年の朝霧ジャムが、ここに凝縮されているかのようだ。
さらに振り返ると、アズワドの曲からその名を戴いたウォリアー・チャージの面々が、ザイオン・トレインのときからずっとステージを見守っている。その後ろに聳える群青色の背景に黒く浮かび上がった富士山が、なんだか遥かシオンの山にも思えなくもない。もっとスピリッツが欲しくなって、バーの列に並び、レモンと砂糖入りのダークラムのお湯割りを頼む。最後はブリンズリーのカラオケでの“Redemption Song"。「きみにもどうか歌って欲しい、この自由の歌を。だってぼくがずっと歌ってきたのは、みんな救いの歌なんだから」 往年の歌声に促され、ぼくらもそう口ずさむのだ。
|
report by ken and photos by hanasan
|
Asagiri Jam : It's a beautiful day - intro - (JAP / ENG)
over all view : 幸せな2日間
over all photo document : over all photo documentary - ikesan's version
|
mag files : Asagiri Jam
Jam Special '05 : JAP / ENG (05/10/01 - 02) : photos by hanasan, hiroqui, saya38, keco, ikesan, sam & yusuke
Jam Special '04 : JAP / ENG (04/10/02 - 03) : photos by hanasan, ryota, sama & yusuke
review (02/09/28 - 29) : review by akira noguchi, photos by hanasan & maki
今年は雨 (02/09/28 - 29) : review by nob, photos by ikesan
photo report (02/09/28 - 29) : , photos by ikesan
|
The official site
Brinsley Forde
unknown
check Aswad? -->
The best album

"The Best of Aswad" (US import)
|
a recommended album

"Live and Direct" (US import / )
previous works
check the albums?
|
|
2006
「熱」の伝播 : マイケル・フランティ & スピアヘッド (7th Oct. @ 朝霧アリーナ)
CD review : イェル・ファイア! : マイケル・フランティ & スピアヘッド (15th Sept.)
変ハワイもスカも関係ない : ゴー・ジミー・ゴー (17th Apr. @ 鰻谷 燦粋)
変わるもの、変わらないもの : BMXバンディッツ (14th Feb. @ 新世界ブリッジ)
2005
ささやかなる祝祭 : 鬼怒無月 with ゴンザレス三上, Baku Sawada & 松田美緒 : (17th Dec. @ Ten-On Osaka)
テヘラン〜ワルシャワ〜マダガスカル〜そしてアイヌ : Warsaw Village Band, Kilema, OKI, The Tehran Brothers : (08th Oct. @ 鰻谷サンスイ)
感性を原体験にするジャズ : 矢野沙織 (6th May. @ ブルーノート大阪)
Out of This World : shiba in car, Youcan, Kumi (24th Apr. @ jaz'room "nuthings")
この美しさは… : Mozaik, ソウル・フラワー・モノノケ・サミット, 岸田繁(くるり): (05th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
ありやまなお湯だ !! : 有山じゅんじ, ゴーゴー木村 etc. (28th Mar. @ 浪花温泉)
ビッグバンを垣間見る : Ozomatli (16th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
語りかけると、彼の音楽がわかります : Tete, cutman-booche (15th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
report and photo : 有山じゅんじ (25th Feb. @ 安治川ヒポポタマス)
おんなボーカル歌合戦 feat. FREE FROM DISGUISE, shiba in car, ひでこりべるたんset, WEDNESDAY_EVE : (13th Feb @ Namba Bears)
心象風景のピアノフォルテ / photo report : リクオ (30th Jan @ Juttoku Kyoto)
世代を超えた贅沢な一夜 : ありやまな夜だ!! 新春スペシャル feat. 有山じゅんじ, ムーヤン, saigenji, 高田 漣, TOMOVSKY, リクオ (28th Jan @ 神戸チキンジョージ)
10年分のイャサ、ホォヤ : 『つづら折りの宴』feat. ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、山口洋他 (16th Jan @ 長田神社)
2004
iphoto report : 矢野沙織 (18th Dec. @ Osaka Royal Horse)
「ザ・クラッシュ→フェルミン→ベタガリ」 : BETAGARR, GELUGUGU, COBRA (12th Nov. @ King Cobra)
interview : 続 : 極東戦線異状あり : 中川敬 (Soul Flower Union) (12th Nov.)
日本とキューバ、新しい才能の共演 : 矢野沙織 with ALEX CUBA BAND (28th Oct. @ Shinsaibashi Quattro )
CD review : 『Humo De Tabaco』 : ALEX CUBA BAND (19th Oct)
愛おしいファド ~カティア・ゲレイロという響き : Katia Guerreiro (28th Sept. @ Shinosaka Melpark Hall )
旨い酒のように : Soul Flower Union (26th Sept. @ Shinsaibashi Quattro )
interview : 極東戦線異状あり : 中川敬 (Soul Flower Union) (20th Sept.)
CD Review : Nas Maos Do Fad - ファドに抱かれて : Katia Guerreiro (6th Sept.)
かわちながの世界民族音楽祭 〜トランス・ヨーロッパ・フェス〜 : FANFARE CHIOCARLIA, THINK OF ONE and KiLA (29th Aug. @ Kawachinagano Lovely Hall )
波の音が聞こえない : Jack Johnson & Donavon Frankenreiter (4th Aug. @ Namba Hatch )
謙虚さと幸福のカタルシス : FERMIN MUGURUZA KONTRABANDA in Radical Music Network Festival (27th July. @ Club Chitta Kawasaki )
侘び寂び : Cat Powerand Women & Children (1st Jun @ Shinsaibashi Quattro )
ローマ -ベティ・イサンゴ・ドゥグ・ビルバオ- : Street Beat Festival (18th Apr. @ Piazza dei Tribuni in Rome )
ミラノ -ボブ・マーリーとジョー・ストラマーと- : Street Beat Festival (17th Apr. @ Leonkavallo in Milan )
ボルツァーノ -bad dog outside!- : Street Beat Festival (16th Apr. @ Ku.Bo in Bolzano )
ボローニャ -赤い街から煙る街へ- : Street Beat Festival (15th Apr. @ Estragon in Bologna )
フィレンツェ -日本にはない空気- : Street Beat Festival (14th Apr. @ Auditorium Flog in Firenze )
祭りだ、祭り : Shibusa Shirazu (10th Mar @ Shinsaibashi Quattro )
ポストモダン・ニンジャたちに時代は追いついたか : NINJA TUNE (4th Mar @ Osaka Mother Hall)
沖縄小旅行〜国際通りの喧噪と喜納昌吉&チャンプルーズ、基地の町嘉手 : (Mar @ Okinawa)
泥酔エンターテイナー : Gaz Mayall (13th Mar @ Osaka Big Cat)
Amore E Odio : Banda Bassotti (3rd Apr.)
僕たちはみんな同じ血の色をしている : Soul Flower Union (9th Mar @ Osaka Banana Hall)
これほど罪深いものは、ない : Ben Harper & The Innocent Crimiinals (1st Mar @ Namba Hatch)
|
|