Smashing Mag / Elbow @ Cohesion Live, Manchester (23rd Sep. '06)

　今や地元マンチェスターのヒーローとも言えるエルボー。始まってすぐにものすごい歓声が上がり、どの曲も観客が一緒に歌っている。本当に愛されているバンドだって言うのをものすごい感じる。彼らの曲の中にも故郷マンチェスターのことを歌うものも多く、『フォゲット・マイセルフ』を演奏し始める前に「次は君達の歌だよ」と言う。歌詞の中に「やつらはまた群れを成してピカデリーを闊歩してる」というのが出てくる。この曲はマンチェスターのナイトライフを歌っているもの。グラマラスどころか、どこか滑稽なものさえ感じさせる極一般的な情景をまるで物語りのように歌ってしまう。この街を知ってる人ならすぐに情景が頭の中に浮かんでくるだろう。それどころかまるで自分のことを歌われてるような気分にもなるかも知れない。

　でもそれ以前に彼らの歌詞の中には気取らない正直さが含まれている。これはマンチェスターの人たちだけでなく、どの街、どの国の人も共感できる人の心の原点がある。ステージ上の彼らもちっとも気取らず、ヴォーカリストのガイはまるで友達に話しかけるように観客に話しかける。観客も同じように返す。なんだか心がすごく暖かくなる。