buttonザ・グリーンマン・フェスティヴァル
@ グラヌスク・パーク、クリックホウウェル
ブレコン・ビーコンズ国立公園、ウェールズ (18th to 20th Aug '06)

- ジ・エイリアンズ -


The Aliens
 ジ・エイリアンズはザ・ベータ・バンドが解散してからジョン・マックリーンとロビン・ジョーンズに加え、初期コアメンバーだったゴードン・アンダーソンが活動を始めたバンドだ。このフェスに来て自分の目で確かめたかったことが2つあった。まず1つ目は、ジ・エイリアンズはザ・ベータ・バンドとはどう違い、8年前にザ・ベータ・バンドを離れ、スコットランドに残りローン・ピジョンとして活動していたゴードンと、その後もザ・ベータ・バンドのメンバーとして活動してきた、ジョンとロビンが、再び同じバンドとなり、今作り出すひとつの音楽とはどんなものなのか? 2つ目は、私の中でベールに包まれていたゴードン・アンダーソンとは一体どんな人なのか? 全てが単純明快に解決した。繊細で緻密に構築してきた『エリアノイド・スターモニカ』での音源とは一転、ライヴとなるとあの弱小エイリアンはどこへやら、男臭くてラフでサイケで…そして間違いなくロックンロールしていた。そう、ロックではなく、ロックンロール!!

The Aliens  安そうなピンクのTシャツにギラギラのジャケットや赤いライトチカチカ点滅するサングラス、それぞれのチープなエイリアンは、心の底からからそのセンスを疑ってしまう……やっぱり期待を裏切るどころではない30半ばの男が3人、まだまだ笑わせてくれるようだ。新曲の"セッティング・サン"はジョン的なキーボード要素の強いロックンロールでこれまでのフォーキーなフェスの流れを方向転換した。ゴードンがおもむろにピアノに向かいアンビエントでしっとりとした姿も見せた。

The Aliens  この日の個人的なハイライトは"ハッピー・ソング"や"ロボット・マン"ではなく"lonas(Look for Space)"だった。ミドルテンポのアコースティック・ギターに合わせてゆるやかに始まり、中盤から高らかに響き渡るゴードンのギターソロと変化し、ロビンのドラムとジョンのキーボードが重なり合い、最高に心地よい壮大なサイケデリアを築き上げていった。これこそが、ローン・ピジョンとして活動してきたゴードンの音楽性と、ザ・ベータバンドの舵取り役となってきたジョンの音楽性の融合だったのだ。その余韻を打ち破るかのように"ハッピー・ソング"やダンス・ビートがより強調された"ロボット・マン"のようばテケテケ・ダンス・ロックンロールでは、天才的な大人気のなさでステージを狭い檻の中でストレスをためたゴリラのように歩き回り、時として、ジョンやロビンにちょっかいを出しにいく。ふっと自分の世界に浸ったり、ステージを飛び跳ね回ってジョンとロビンに絡んでは呆れて笑われるゴードン。20時をまわりやっと日も沈んでぐっと冷え込んできたにも関わらず、はしゃぎまわるゴードンからは湯気が立ち上っていた。一体どれが本当のゴードン・アンダーソンなのだろうか……今となってはきっと後者であるとしか思えない。

The Aliens  そう確信させたのは、大いにわき上がる"ハッピー・ソング"の真っ最中にぶっきらぼうに自分勝手なタイミングで曲を無理矢理ストップさせた時だった。おもむろにゴードンは"明日はキング・クレオソートが出るんだよ、よろしく"と話し出し、"ケニーはどこかにいる?"と繰り返した。もしやこのオーディエンスの中にゴードンの兄であるキング・クレオソートのケニー・アンダーソンが"ここだよ"って人をかき分けながらステージに上がり、感動的な兄弟競演シーンが観られるとあの場所にいた誰もが疑わなかった。……がしかし、むなしく響くのは"ケニーはどこ?"という応答のない呼びかけのみ。今更"ジョークだよ"って言っても、カッコ悪いったらありゃしない。最後はそんなこともなかったかのように、よりダビーでスロウな"ロボット・マン"の別バージョンに始まり、プライマル・スクリームの"ハイヤー・ザン・ザ・サン"へと流れていく、また新しいジ・エイリアンズの引き出しを披露しステージを去っていった。"ゴードンと再び音楽をすることはごくごく自然なことだよ"ライヴ後のラジオのインタビューで答えていたジョンの言葉通り、目の前にいたジ・エイリアンズは無防備すぎるほど自然体だった。ザ・グリーン・マン・フェスティヴァルに行くと決めてから4ヶ月、本当の意味でそれまでの長い道のりが報われた瞬間となった。



report by kuniko and photos by izumikuma

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The Green Man Festival 2006 (intro)



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The Aliens

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The Aliens

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