Down Beat Ruler @ Ebisu Garden Hall (3rd May '06)
ラバダブ・マーケット
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DJブースの脇につくられたステージで、DJが「Down Beat Ruler」の言葉を巧みに挿入していく…こう書くと何が何だかだろうけど、ダンスホールレゲエの世界ではレコード回すのがセレクターで、言葉を乗せる者をDJと呼ぶのが基本らしいので、ここではそのルールに乗っ取る。ダブの反響するトラックを使ってひしゃげた大音量をたれ流す横で、タオルを振り回すDJは、スカ目当てに恵比寿へ流れ込んだオーディエンスと真暗なフロアに、最深部から突き上げる重低音と矢継ぎ早に繰り出すライムを投げては飲み込んでいく。裏打ちだけにこだわらず、打ち込みまでも駆使したトラックに、フロアでは縦ノリが生まれている。ダンスホールレゲエは正直言うと全く通ってないんだが、それでも何故か高揚する。それはきっと低音が強調されたトラックのリズムがとめどなく着き上がってくるからだろう。我がもの顔で煽るDJは、タオルを振り回しながらメインのホールをかき混ぜて、わやくちゃな展開へと持っていき「オドレ、サワゲ、ノセロ、サケベ!」と刺激的な単語の羅列はトラックの隙間を埋めながら走り続けていた。
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ジャー・ライト・サウンド・システム &プレッシャー・ハイ・サウンド・システム feat. リクル・マイ
メインフロアから、長い階段を降りたところには別のロビーがあって、ドアとさらに暗幕で仕切られた奥に、暗黒の世界がある。上とは全くの異空間は、重低音を"放出"しているものの、佇まいはまるでブラックホール。はなれを与えられたのは、プレッシャーが他の音をかき消しては飲み込んでいくからだ。そんなサウンドシステムが設置されたガーデンルームに入れば、四方から音の壁が迫ってきて、体の産毛を撫でると同時に、内臓に働きかけ、満腹時なら吐いてしまうような振動が内側からわき起こる。ちょっと待て、満腹? ジャマイカ発祥の文化ならば、満腹感などありはせず、肉体と精神の両方でハングリーなのだとすぐさま結論が出てくる。闇の中でサウンドシステムに囲まれると、神経が鋭くなるようだ。もちろん、それとは逆に虚脱している人もいて、それぞれにトリップがある。映画で見た青空サウンドシステムではなくて闇だからということもあるだろうし、ハッパの代用品としての闇ってこともあるのかもしれない。暗くすれば、無機質なスペースも奥行きのある別次元となる。
そんなトリップ空間に一人の小柄な女性が降り立って、透き通った高いヴォーカルをのせていく。まるで太刀打ち出来ないと思っていた重低音の壁をたやすくザックリやる楽器がLikkle Mai自身の声だ。つかみ所のなかった振動が声で切られ、それを飲み込めないでいる。体が低音と共振し、ヴォーカルが耳を突き抜ける不思議を体験している。圧倒的な壁に飲み込まれる自分に対し、ソロアルバムの詞をリズムも成分も全く違うトラックにのせて軽々と歌い上げる彼女の器量にやられたのだ。
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report by taiki and photos by hanasan & naoaki |
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