Down Beat Ruler @ Ebisu Garden Hall (3rd May '06)
mama!milk
石畳の町並みを思わせるアコーディオンと、ウッドベースの深い響きが絡み合うmama! milk。歩調の違う2つの音がぶつかると、気泡が湧いて、体をなぞってくるようなゾクゾク感が襲ってくる。演奏する生駒の黒い衣服と抜けるように白い肌と、照明が音楽からイメージを汲み取り、長い影をステージ奥の壁に映し出していることで、えもいわれぬ大人のムードが生まれていく。大柄で寡黙な清水の手つきも妖しい。
白と黒、光と影、コントラストといった「対」な演出に、小柄と大柄のコンビが奏でるフレーズがこぼれ落ちてきて、ここにダミ声のヴォーカルが乗ったらどんなもんだろうと、酔いどれ親父トム・ウェイツを思ったりしてしまう。体に沿って波打つ蛇腹からは妖しさが放たれ、ヘッドが揺れる木組みは整地されていない音色が流れ出してくる。
ピンと張りつめた空気を感じているにも関わらず、体の力が抜けていく。紅色に染まったホールにはなまめかしさが立ちこめて、不良というよりヨーロッパの社交場、ビールというよりはワインが似合う環境が生まれていた。
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report by taiki and photos by naoaki |
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