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@ Austin, Texas (15th-19th Mar '06)

SXSW 2006 レビュー

Overall View Vol.3
『狙いと偶然、全てが面白い』


SXSW 2006
 そうだった、ライブの数々を見るために、乗り継ぎまでしてオースチンまで来たんだった。ハコに入ってなんぼ、それが当たり前の日本で、終電も気にしなけりゃならないのが日本。そんなしがらみを弾き飛ばして、ブラブラ歩ってるだけで、奇妙なアーティストにハイテンションな人達やら、図々しくてアッパーでどうしようもない人達が、様々な言語で話しかけてくるのがSXSW。なんとまぁ浮き足立った街なんでしょう、それでも、地に足がついていなかった日本での自分をかえり見れば、SXSW期間中のオースチンは合っているし、早いうちに体験するべきだったと思う。去年のチームと言葉を交わせば、ふた言目には「サウスバイ」。おおきなお世話をありがとう、俺はやっと理解した。しかし、俺と他の連中では受け止め方は違うだろう。様々な刺激があるわけで、同じものを見ているわけはないし、羨ましがるのもまた楽しい。何ですか、ダーティー・オールド・ラッパーってジジイは? ともあれ、個人の根幹から違うし、本人が望んだものがひょっこり現れる、そんなフェスだと思う。

SXSW 2006  白いバットマン風のコスチュームを身に纏いアヴァンギャルドなパフォーマンスを繰り広げるストリートのならず者、3月だというのにピチピチなTシャツにホットパンツを合わせたヒアカムザサマーな女の子。バーに入ればセクシーな淫力魔人の女が絡みつき、通りを抜けるオープンエアのダブルデッカーではフィエスタが始まってる。それも全部含めてSXSW…+α。αの中には、ライブ会場にならなかった店で行なわれた炎のリンボーダンスやセント・パトリックス・デイも含まれている。セント・パトリックス・デイは、たまたま3/17にSXSWが被ってるというだけのことなんだが、まるでSXSWの一部として、当たり前のように存在している。しかも相互に干渉しあっていて、ステージもどーんと奥に作られている。SXSWから流れてくるメディアの受け入れ態勢は整っているのだ。そのメディアクルーにしても、やれスタウトだ、エールだのと酒にめっぽう五月蝿く、年号を店先に飾るような連中の出す酒を求めてる。酒や音楽はもちろん、刺激するグリーンの装飾とグッズにいたるまで、需要と供給が成り立っているから面白い。 これ半端無く、面白い。SXSWがセント・パトリックス・デイを跨ぐことがわかったなら、是非グリーンの着衣をトランクに忍ばせておこう。チヤホヤされるぞ。

SXSW 2006  そういえばアイリッシュ。これに染まったおかげで、アイルランドの一点から、フィドルを通していよいよ世界に目を向けることができた。いざトラッドに足を踏み入れたならば、"ヌーヴェル・セーヌ"の殺し文句が用意されていた。異文化のミクスチャーと言い換えたらいいのだろうか、そこには様々な刺激的なレヴェルが凝縮されていて、世界の地方、または世界の田舎で受け継がれてきた独特のリズムにパンクのレヴェルが加わって鳴り響いている。あるもの全て、ぶち込もうとしている。ザ・クラッシュからポーグス、マノ・ネグラといった流れも、ある意味自然で、やっと落ち着く(と言っても、大暴れするんだが)ジャンルに縛られないジャンル、というものを見つけた矢先に飛行機はアメリカへ飛んで行った。世界中からバンドが集まり、トラッドや、常識外れのアーティストが決まりきったロック勢を切り崩しにかかっていると捉えていたから、さらに楽しくなってしまった。ここで"ヌーヴェル・セーヌ"のアーティストや、異文化が混じりあったアーティストを見まくってやろう、と思ったのは自然の事だ。

 ジャズやスカのリズムに、アラブ独特の声を張って読み上げるようなヴォーカルが絡む127(イラク)、そのアラブとは遠くはなれているけれども、どこかイスラム圏のリズムを感じさせるSTORSVEIT NIX NOLTES(アイスランド)は変拍子をポップに作り替えている。踊るには、予期せぬ切り返しがあって戸惑うのだが、それもまた新鮮だった。ユーラシア大陸を漂流したジプシーの流れをくんだAUKTYON(ロシア)の血管を浮き立たせて霧のツバをまき散らすライブで度肝を抜かれ、マヌ・チャオがさらにファンクへ接近したようなGECKO TURNER(スペイン)はスペイン語しか話さない。しかし、彼らが、世の中に対し半旗を翻しているのは誰でもわかるはずだ。 また、激しいメキシコ経由のラテンサウンドに乗せたラップで血の音塊をぶつけるGENITALLICA(メキシコ)では瞬間を切り取るカメラマンになりたいと強く思い、おっさんのシャウトとおちゃめなアプローチで度肝を抜いたメキシコ・アンダーグラウンドシーンの重鎮BOTELLITA DE JEREZ(メキシコ)はカッコつけた大人がいかにしょうもないかを教えてくれた。 SXSW 2006 ここに挙げた127以外のバンドに問題があるするならば、日本人にとってとんでもなく難解な名前を持っているってこと。なんて呼べばいいのかわからないので、アルファベット表記のまんまです。すんません。

 フジのアーティスト発表の前に、たまたま取材リストに入れていたリフュージー・オールスターズ(シエラレオネ)。狙っていたわけでもなんでもなくて、ただ試聴して気持ちよかったから入れた。おそらく、早い段階で見た日本人の一人になるんだろうが、誰が言ったか「ワイクリフ・ジーンとの接点もある?」との情報が乱れ飛び、多少の混乱は"日本で"あったよう。それに関しては、まったく知らない。バンドを見た限り、誰が突出しているというわけではなく、皆が同じ立ち位置で、入れ替わり立ち替わりでメインを張るバンドだった。木の実を改造した指ピアノとドラムを合わせたような楽器も飾らない音をたて、右利きのストラトをひっくり返して左仕様にしたジミヘンスタイルのギタリストがいた。奇をてらう様子も無い自然体のバンドは冠などなく、難民から生まれたという説を裏付けていた。これはフジで見ておいた方がいい!

SXSW 2006  ベト&ザ・フェアレインズ(オースチン)はラテン風味のスウィングバンドで、譜面を見ながらの演奏だった。名曲"シング・シング・シング"を、水分を抜き取って炸裂させた時には、慌ててステージ前に歩を進めた。テックスメックス(テキサスとメキシコの意)という言葉があるようにオースチン出身のアーティストは特にラテンを取り込んだバンドが多い。それだけならまだしも、20年に渡って、世界からあらゆる音が流れ込んでくるから、突然変異種も多分にある。これから先のオースチンにおける音楽シーンなど、予想できるはずもないし、むしろどうなっていくのか楽しみになってくるのだ。

 移民の国アメリカ。キューバン・カウボーイズはオルタナの洗礼を受けつつも必ずキューバの民族音楽であるソンに立ち戻るバンドで、様々な表情を見せているし、デソルはラテンのきらびやかさを見せつける。ロマと呼ばれるジプシー音楽を中心に据えたゴーゴル・ボールデッロは、さんざん言ったように、ライブのリミッターをあっさりぶっちぎった。若くはないが、溢れ出す勢いはオゾマトリもしくはそれ以上。追っかけになりたいくらいのライブで、カルチャーが詰まっていて、ダサさもあって、自然体で、衝撃的。言葉もすでに要らないかもと感じたら、!!!!!!!!!!!。ビックリマーク、これしかない。

SXSW 2006  重要な出会いがありすぎるのもSXSWの魅力のひとつ。ジャック・ジョンソンやGラブの流れに通じるアコースティックな音で、ゆったりとしたロックステディをやっていた男、クリス・ピアース。滅茶苦茶な(はずの)英語で「通りすがりで入っちゃったんだ、是非日本に来てくれ!」と言ったら「5月に行くよ!」と予想外の返答。帰ってみると、マネージャーからメールが来ており『クラッシュ』という、アカデミー作品賞をとった映画のサントラに参加している人でまたビックリ。来日はTHE GREENROOM FESTIVAL(@横浜大さん橋ホール)の二日目、5/28。雰囲気が統一されているフェスを、まさか外国の人に教えられるとは思っても見なかった。日本で数少ない理想的なフェスだと感じたんだが、どうだろうか?

 そんなこんなで、超都会的フェスも楽しく、得るものがたくさんある。食わず嫌いはもうやめました。そうだ、余裕がある限り、フェスへ行こう。

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