South by Southwest Music Festival + Conference @ Austin, Texas (15th-19th Mar '06)
SXSW 2006 BULLETIN
"Guapapasea!"
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スペインのマドリッドからやってきたGecko Turnerは、"アフロビートニク"の異名にふさわしい強固なアフロビートだけかと思いきや、レゲエ、ファンクにジャズボッサと手を変え品を変え、多彩な表情を見せつけていた。ドラムがリズムを打ち出して、ドレッドロックのパーカッションが隙間を埋め、ギターやトランペットが被さって生まれる音の根幹も、やはり近所のメキシコと似ておるわけで、テキサスの人達は無条件にそのグルーヴに狂喜していた。バラバラな個性がまとまった、はみ出し者ばかりのバンドだった。
(review by taiki and photo by ryota)
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"Pioneer"
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チューバは深く鋭い音色を生み出し、コサックのテーマにも似たせわしないメロディの構築に一役買っていたが、なにもロシア独自の音をクローズアップするだけではない。各自がソロ経験で培った小ワザが寄り集まって、さらに特異なバンドへと変化していったのだろう、ホーンがマイナーコードで進行する傍ら、トレモロアームを多用したギターは民族的な色を排し、実験的なサウンドを挿入している。そして中央に立つ巨漢のヴォーカリストは音の変化に過敏なまでに反応して痙攣にも似たステップを踏んでは、パーカッションの小物を振り回す。ひとたびマイクに向かえば目は見開かれ、霧状の唾が口から吹き出して、カメラマンは葛藤にさいなまれる。その行動を収めたい気持ちと、唾を被りたくない気持ちの中で、揺れ動くのだ。
(review by taiki and photo by ryota)
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"Living Like A Refugee"
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今年のフジロックに出演するRefugee All Stars。90年代初頭から世紀をまたいだ辺り、シエラレオネでは混乱が相次いだ。それによって数多くの難民が生まれ、キャンプ生活を余儀なくされた名もなきミュージシャンが自然と集まり、歌ったところから全ての話が始まっている。
戦争をなくすという意思を、楽しさとの表裏一体で表現するレヴェルミュージック。「森林の緑」で彩られたカホンと、カリンバ(指ピアノ)を装着した木の実が、自然から分け与えられた音を生み出してコーラスを誘っていく。ジミ・ヘンドリックスと同じく天地を逆にしたギタリストが早弾きを披露した時もしかり、終始会場中が沸いていた。
(review by taiki and photo by ryota)
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"Clap Your Hands Say Yeah"
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ハッピーだね音楽! レコード店でよく見る&フジロックにも決定、バンド名最高、幸せなら手を叩こうとくれば態度で示してくれクラップのみんな。ライヴもこれ、盛り上がりを確実に攻めてくる感じ。下品なくらいテンション上げてきて困ってる暇もなく合図に合わせてみんなで手を叩いている様、このそこに居合わせたひと達でしか味わえない、とか意地悪も言いたくなります。やはりダンス・ミュージックはマン・パワーでこそ、というひとにも、やはりエレクトロありきダンス・ミュージックでしょう、なひとにも愛されるであろうこの逃れられない高揚、こいつで今一度セイ・ヤーと腕挙げたい今です。
(review by toddy and photo by keco)
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"Persephon's Bees"
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4人のしもべを従えた女王様の奏でるは、鍵盤の甘い調べ。ポップでキュートなサウンドにも必ずひとさじの毒を忘れません。60年代風懐かしポップでほのぼのムードだったり、突如嵐になったり、ダバダバラウンジ風サウンドだってお手の物。
4人のしもべたちは、ひたすら自分の演奏に徹して女王様に奉仕します。こうした腕利きの働きバチのおかげで、Persephone's Beesの甘い蜜は作られているのです。
そんな密に引き寄せられるように、会場にはたくさんの人々が押し寄せたのでした。
(review by taeko and photo by sam)
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"THE LIFE PURSUIT"
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なにが嫌いかって抑揚の、感情の起伏が無い表現が。それで言ったらエアロビクスより民族舞踊、ロボットより生き物、後者が好きです。で、比較的前者の感じでパフォーマンスが進むものだからヌヌヌ、と構えていたのだけどその態度を一変させる獅子舞の違和にガッツとやられました。ドラム・セットが過剰にダンサーも過剰。そのカオスにどう間違ったのかキレの良過ぎる獅子舞の動きはどう考えても文化超え。その誤解具合といったら抑揚も起伏もなんもホカしてただただお腹を抱える楽しさでした。
(review by toddy and photo by sam)
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"Within a Mile of Home"
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会場から続く長蛇の列は、ギネスビールを浴びる程飲もうとするいい歳をした永遠のキッズ達だった。その人の列は演奏中でもなくなる事はなく、曲に合わせて場外で拳を揚げるオーディエンス。ああ、皆4つ葉のクローバーが大好きなんだ。
アンプの上に置かれた水の代わりのギネスビールに象徴され、た酔っぱらいソングは当然シンガロングが起こるし、フィドルやティンホイッスル、バンジョーにマンドリンやアコーディオンといった楽器達の音色に、モッシュピットの温度も最高潮。酸素がありません。後ろではダンスに興じる人たちや、飲みながら観る人など様々だが皆の重いは一緒。Flogging Mollyに乾杯ってことだ。
(review by taisuke and photo by sam)
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"Los Abondoned"
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SXSWの中心地である6番街からちょっと離れた場所にあると、どうしても少なくなってしまう客足。そんな事には構っちゃいられないと、Los Abandonedは全開でトばす。
昨年のSXSWで観た時よりも演奏や歌が良くなっていたし、ヴォーカルのLady Pの可愛さも一段とアップ。黒のフリフリのスカートが彼女のキュートな部分を更に上げる。ポップでありながらもロックやパンクなんかの音が散りばめられていて、Madnessあたりの遊び心が満載。
ロサンゼルス出身のこのバンドがアメリカでどれだけ売れているのかは分からないが、是非日本に来て渋谷クアトロ辺りで演奏している姿を観てみたい。その時はきっと日本のオーディエンスもこのバンドに骨抜きになるだろう。
(review by taisuke and photo by sam)
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"Are You Thinking What I'm Thinking?"
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ステージ上の立ち姿を一目見ただけで、もうノックアウト。かっこよすぎ。かわいすぎ。
音はさすが西海岸という感じで、ElasticaとThe PretendersにDinosaur Jr.のいなたさが加わったような感じ。ボーカルのハスキーな声自体はすごくロックなんだけど、ベースの甲高い声が入ることでポップにも聞こえる。楽曲の完成度も高くて、ハタチそこそこでこんなに分別があっていいのかしらと思ってしまうくらい。
それにしても若くてカワイイ女の子のバンドというだけあって、観客にはやたらと業界人風のオジサマが多かったなぁ。
(review by taeko and photo by sam)
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"Mo Mo Ci"
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いやぁ、気持ちがいい。音も場所も人も全てが気持ちがいい。ブルースやカントリーをごちゃ混ぜにして、思わず踊りだしてしまいそうな音楽が聴こえてきたら、そりゃあフラフラっと入ってしまうさ。若いのからお年寄りまで寄っといで。ここに来たら絶対面白いから。
スティール・ギターがギュイーンと絡んだ音にブルース・スケールが唸ればルーツ・ミュージックの顔がヒョコっと出てきて、目を閉じればもうそこは別世界となる。ステディとダンスしようが、酒に酔おうがあなたの自由。テレキャスターが、ジャズベースがジルジャンのシンバルが、あなたの脳内の端から端まで駆け回り、頭の中から離れることはないでしょう。
(comment and photo by taisuke)
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"Frontline"
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繊細なメロディーを哀愁感漂うボーカルがなぞり、そこにコーラスが重なって透明感のある美しさを作りだしてゆく。メロディーとコーラスの重なりと反復によって徐々に激しさを増してゆくステージ。静かな中にも秘めた激情がほとばしる。最初は地味に思えたけれど、気付いた時には思いっきりCaptainの世界に引きずり込まれてしまった。
何十ものステージが同時進行するSXSW、必ずしもいいライブにたくさんのお客さんが集まるとは限らない。このバンドも、観客がまばらだったのがもったいないくらいのすごいステージを見せてくれた。
(review by taeko)
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"Redd Volkaert - For The Ladies"
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いやぁ、気持ちがいい。音も場所も人も全てが気持ちがいい。ブルースやカントリーをごちゃ混ぜにして、思わず踊りだしてしまいそうな音楽が聴こえてきたら、そりゃあフラフラっと入ってしまうさ。若いのからお年寄りまで寄っといで。ここに来たら絶対面白いから。
スティール・ギターがギュイーンと絡んだ音にブルース・スケールが唸ればルーツ・ミュージックの顔がヒョコっと出てきて、目を閉じればもうそこは別世界となる。ステディとダンスしようが、酒に酔おうがあなたの自由。テレキャスターが、ジャズベースがジルジャンのシンバルが、あなたの脳内の端から端まで駆け回り、頭の中から離れることはないでしょう。
(comment and photo by toddy)
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SXSW 2006 (06/03/15-19 @ Austin, Texas) : report by ryota,sam,keco,toddy,taisuke,taeko,taiki,hanasan
SXSW 2005 (05/03/16-20 @ Austin, Texas) : report by ryota,sam,toddy,taisuke
SXSW 2004 (04/03/17-21 @ Austin, Texas) : report by ryota
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