信州ロックンロール旅情
Side B - インタビュー編 帰京後、主催者マッキー・ウエダ氏に訊く
----茅野ではお世話になりました。ぼくは終電の関係で最後まで残れなかったんですが、あの後はどうなったんですか?
「あの後出たバンドもすごくいいライヴをやりましたよ。バンドは旅館に戻ってから打ち上げをやったみたいですね。で、翌日は僕が地元の蕎麦の美味い店を案内したりして」
----元々は長野にお住まいだったんですか?
「そうです。諏訪地方の出身ですね。マッキー・ウエダというのは、槙原敬之に似ているというところからついたあだ名です。メガネをはずすと槙原似で、かけた時はサンボマスターとか言われちゃうんですが(笑)」
----それで長野県で企画をされてるわけですね。始めたきっかけは?
「元々オーガナイザーではなく、バンドやってる側の人間なんですよ。ギター&ヴォーカルで、フーとかキンクスが好きで。もっと遡ればビートルズですけど。で、"GOOD LOVIN'"っていう名前をつけて、自主企画を地元で数回やってたんですよ。ところがある時、出演バンドにドタキャンがありまして。それが悔しくてね。よし次回はゲストバンドも入れて絶対いい企画にしてやるぞ、と。そこで決意して、だんだん(外のバンドにも)交渉を始めていった感じですね」
----でも、最初は素人ですよね。それでよくバンドの出演交渉なんて……
「もちろん最初は何もわかりません。だから、できる範囲で、連絡可能なバンドにまずはとりあえず連絡してみるところから始めて。まあやっぱり、オファーを出しても中には返事も貰えないバンドもありましたよ、最初のうちはね。でも僕は仕事営業やってるんで……『足を使ってなんぼだ!』と思って。好きなバンドは、県内の長野市や松本市はもちろん、東京・名古屋・大阪まで…何度も何度もライヴに行って、なんとか顔を覚えてもらって。終いには『またお前か!』なんて言われたりしてね(笑)」
----そうやって企画を実現させていったんですか。でも、今回のイベントではご自身のバンドは出演されてませんよね。
「僕はそんなに器用な人間ではないので、両方をいっぺんにやるのは無理があるなあって途中から思ったんですね。主催なら主催、バンドならバンドで集中しないと、結局いっぱいいっぱいになっちゃうから。バンド活動も休止しているだけで別にまだやめたわけじゃないんですけどね」
----他にも苦労は色々あったんじゃないですか。
「今まで7回ほどイベントをやったんですが、会場が企画を話しても乗り気じゃないケースって意外に多いんですよ。あまり外のバンドを呼びたがらない。閉鎖的――という言葉はできれば使いたくないんです、それをいう人間こそが閉鎖的になっちゃうと思うから。ただ、地元にいることで過去の文化しか大事にしない、という傾向は実際問題としてあると思いますね。音楽は進化してるじゃないですか。過去の文化をリスペクトしつつも、外の新しいものも誰かが取り入れなければならないと思うんですけど」
----そう思ってイベントを繰り返し、動員もだんだん増えていったと。今回の企画なんかも、集客のために何か工夫はしたんですか?
「う〜ん、特には……。長野って、ちょっと離れた地方までいってプロモーションかけても、茅野まではなかなか来てくれないんですよねえ(苦笑)。でも、だからこそ、実は上諏訪駅で早朝から駅前でフライヤーを撒きまくろうと思ったんですけど。夜明かしで甲府始発に乗って、上諏訪駅に7時13分に着いたんですけど、肝心なフライヤーを渡しておいた地元の人間が寝坊をしちゃって、結局実現してないですね」
----あ、そうなんだ…じゃああれはウエダさんじゃなかったのかな。ぼくが当日の10時ごろ特急スーパーあずさに乗った時、モッズコートを着たウエダさんに似た人が車内にいたのを覚えてるんですけど。キャリーカートに機材を積んで。
「それ、僕ですよ」
----えっ? だって今、当日の早朝はすでに上諏訪にいて、フライヤー配るつもりだったって言ってたじゃないですか。
「それは前日とか前日の話」
----えッ!? じゃあフライヤーを撒くだめだけに、東京⇔長野を何日か往復してたんですか!?
「そうですね」
----すごい行動力だ。それは地元に何かを根付かせようという思いから? ライヴ企画を通して何かを変えてやろうとか、盛り上げてやろうとか思ってるんですか。
「そんな大それたことは考えてないですよ。何かを変えてやろうとかまでは思ってない。ただ、僕の企画やライヴに来てくれた人が、そのことによって少しハッピーになれば最高ですよね。音楽によって、明日をほんのちょっと楽しみに迎えられるようになってくれれば嬉しいかな。それだけです」
----なるほど、ありがとうございました。最後に今後の企画予定などがあれば。
「いや、次回はまだ未定ですね。しばらくはバンド活動に戻ろうと思ってますよ」
マッキー・ウエダ氏への連絡先はこちら
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report by joe and photo by tommy
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