buttonGwang Myeong Music Valley Festival
in Gwang Myeong City, Korea (7th to 9th Oct '05)

韓国ロックの黎明期を体験 - part2 -


Music Valley Festival
 メイン・ステージへ向かう途中に建物の隙間から花火が見え、それと同時にセレモニーがスタート。そしたら今度はスーツ姿のいいオッサンが会場外のモニターに大きく映し出されていた。それがまた市長かなんかとしか思えない風貌で、じっさい市長さんだったみたいで不思議な感覚。やはりこのフェスティヴァル、ただごとではないな、という印象。

Music Valley Festival やはり気になるパイプ椅子には老若男女それはそれはバラエティに富んだお客さんが座っていて、これから始まるイヴェントの展開が全く読めないという意味でこれほど刺激的な環境は無いと言える。なんたって子連れ家族率高い。とはいえ当然音楽が好きそうな出で立ちのひともいるわけで、だけどこの日のメンツがそもそもベテラン勢の占める割合が高く、客層もそれに若干比例した印象。しかし、このなかで継続して音楽を聴き続けているひとがどれだけいるだろうか? あくまで肌で感じた印象だけど、音楽をリタイアしたオトナがほとんどだったと思う。そういったところからも、ベテラン・アーティストが継続的に活動する日本とは違って、歌詞の検閲やそれ以上の制限のなかで縮小を余儀なくされた韓国のロック・シーンに根っこの太いリスナーが付いていない感じが伝わってきて、なんだか悲しい想い。文化を迫害すな! という気持ちがふつふつと。

Music Valley Festival この日はハナ・ミュージックなるレーベル出身のアーティストを前半、後半は黎明期を支えた大御所たち、といった流れで、前半のそのレーベルというのがアコースティック色の強いもののようで、韓国ロックの歌心のようなものがやんわり伝わってきた。ハン・ドン・ジュンやジョ・ドン・ジンといったアーティストは、日本でフォーク・ソングを歌うひとたちと雰囲気は似ているのだけど、声を張り上げ歌い上げる感じだとかバラード調なメロディ展開だとか、やはり韓国独特な肌触りというものがあって面白い。また、ジャン・ピル・スンという女性はカヒミ・カリィばりのウィスパー・ヴォイスで音楽はボサノバというオシャレ系。そして、このひとたちが共通して話す「久しぶりに歌います。今日はこんな素敵な場所に呼んでくれてありがとう」というMCから、これだけベテラン感のあるひとたちでも歌う機会そのものが少ないという韓国ロックの状況が浮かび上がる。再びフェスティヴァルの意義を考える瞬間だった。

Music Valley Festival ハナ・ミュージックの時間が終わった頃には、朝からパラパラと降り続けた雨もすっかり止んだ。しかし、雨は止めども風が冷たく、凍えるような寒さと戦わなくてはならない状況。そんななか現れたイ・ビョンウというギタリストの演奏がコレほんとに凄くて、大袈裟な表現なしに寒さを一瞬忘れるほど。はじめはゴンチチのようなアコースティック・アンビエント調で会場を温めてゆくも、次第に体温が上がってきたかと思うと突然ひとりプログレ状態に突入。美しいアルペジオと鬼のギター・プログレ、これには舌を巻いた。

 そして最後ハン・デー・スー。さすが韓国ロックの生きる証人、観客がドッと前へ押し寄せてきて、いきいきとした表情で彼の登場を待つ姿、そんなところからも、その期待値たるや他のアーティストの比じゃないことが分かる。

Music Valley Festival
 音ははじめ思っていたフォーク・ロックっぽいイメージと完全に一致するわけでもなく、実はコーラスのねぇちゃん達を従えメタルっぽい曲を演奏するなんていう離れ業も披露する器用な音楽性。とはいえ本領を発揮するのはボブ・ディランから始まるフォーク・ロックの流れを汲んだ楽曲だったりして、「ホーチミン!!」と連呼するメッセージ性の強いものからアクの強い自省ソングまで、強烈なオーラを放つ親爺ロック。日本の民謡にも通ずる馴染みやすさもあり、どこをとっても目からウロコの世界。最後まで気の抜けない圧倒的なライヴだった。

 1日目を振り返ってみるとやはり最後のハン・デー・スーが印象深い。バンド・メンバーにひとり若者のベーシストが居て、彼がハン・デー・スーに向けるキラキラの視線は相当なものだったし、パイプ椅子のおじさんたちもめっちゃノリノリで、大御所らしい人気をうかがい知ることができた。しかし、彼の存在から韓国ロックを感じることはあっても、彼の音楽から強く韓国を感じることは無かった。これは、彼が韓国を離れアメリカに渡って音楽活動を行ってきた経歴が大きく影響していると思われ、韓国政府が行ってきたロックへの圧力も背景としてある。素晴らしい音楽ではあったが、強いオリジナリティをもう少し期待していた。この期待はひとまず90年代を駆け抜けたインディ・バンドが多く出演するという2日目にかけてみることにして、1日目はホテルへ帰ってぐっすり眠ることに。韓国ロックの黎明期を体験したのだ、当然のように長い一日であったよ。

report by toddy and photos by hanasan

photos : intro | ->part1 feat. Snowdrop Sixteen, & Tearliner

Gwang Myeong Music Valley Festival Special - intro(JPN) -

buttonon the 7th

 review:
 簡単にお隣フェスとはいかないぞ
 韓国ロックの黎明期を体験

 photo report :
 part 1 - feat. Snowdrop Sixteen, & Tearliner
 part 2 - feat. Underwear Band
 part 3 - feat. Edao, O So-Young & Bird
 part 4 - feat. Han Dong Jun & Jang Pil Soon
 part 5 - feat. Jo Dong-Jin
 part 6 - feat. Yi Sung-Yol
 part 7 - feat. Lee Tzsche
 part 8 - feat. Lee Byung-Woo
 part 9 - feat. Hahn Dae-Soo
buttonon the 8th

 review:
 韓国ロックの現在を体験

 photo report :
 part 10 - feat. Hata & Ran, Monotype, Starry-Eyed & Murmur's Loom
 part 11 - feat. Cabinet Singalongs, Oh! Brothers, Amature Amplifier
 part 12 - feat. Peppertones, Mongoose
 part 13 - feat. Sogyumo Acacia Band, Kafka
 part 14 - feat. Slow June, Cosmos
 part 15 - feat. Bluedawn
 part 16 - feat. Sweater
 part 17 - feat. 49morphines
 part 18 - feat. Vassline
 part 19 - feat. Lee Jang-Hyuk, My Aunt Mary
 part 20 - feat. Huckleberry Finn
 part 21 - feat. Deli Spice

韓国ロック特集 '04- Rockin' Seoul!

buttonmag radの韓国インディー・ロック・レポート : report by rad, photos by hanasan
 Intro : 韓国ロックをチェックせよ!
 part 1 - はじめに
 part 2 - 韓国到着
 part 3 - Cocore LIVE in ソウル
 part 4 - Interview Sugardonut
 part 5 - Interview Cocore vol.1
button番外編 photo report of cocore with Sagitta and 59 (04/04/24 @ Koenji UFO club) : photos by nachi
buttonphoto report (04/06/12 @ Ssamzie Space Baram, Seoul)

buttonmag files on Korean Rock :

buttonphoto report (04/06/12 @ Ssamzie Space Baram, Seoul)
buttonphoto report (04/04/24 @ Koenji UFO club) : photos by nachi
buttonphoto report (04/02/28 @ SSAMNET , Seoul) : photos by hanasan
buttonphoto report (04/02/28 @ SSAMNET , Seoul) : photos by nachi
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The official site

Gwang Myeong Music Valley Festival/

http://www.mvalley.org/

Hahn Dae-Soo

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