Asagiri Jam It's a beautiful day @ Asagiri Arena (1st to 2nd Oct '05)
Inokashira Jinba-no Taki Taiko
「おはよう」代わりのドンドコ
ハッスルしているMCとは裏腹な、ゆるい"ラジオ体操第一・第二"を終えると、けだるい昼間の陽気が二度寝を誘う。何をするでもない朝霧の雰囲気は、グラストに似ておりますなぁ、とオッサン風情のコメントを吐きつつ、ごくごく自然の流れで焼酎を流し込み、ポーッと赤らんできたところで炸裂したオーガニックなショック療法、猪之頭・陣馬の滝太鼓。陽気に晴れ上がった富士の麓に、サラシを巻いた太鼓叩きがいっぱい。何よりも本当の生音が朝に相応しいし新鮮だ。和太鼓奏者の息子である僕は、過去に和太鼓イベントへ連れて行かれていて、退屈だなぁと思っていたが、年を重ねた今になって結局ハマってしまうのであるから、血は争えない。
単音で山や川や滝を表現するにはヴァリエーションも必要だ。今回は山をチョイスして、長胴太鼓中心の構成になったのだと思う。おそらく川をイメージすると、締太鼓と呼ばれるちんまりとした太鼓がフロントを陣取ることになるのだろうが、力強さをアピールするならばやはり長胴ということになる。右手をすっ、と上に伸ばしてまっすぐに打ち下ろし、左も後へ続く。タイミングに多少のズレはあるものの、壮大な環境下で、のびのびと放出されるα波が心を躍らせ、日頃まったくと言っていいほど縁のないシンプルなサウンドが体に染みわたる。ステージで繰り広げられる躍動の数に比例するトライバルサウンドは、息つく暇をまったく与えないし、無呼吸で速筋を使うのは短距離と何ら変わらない。時間にしておよそ15分間、清々しい風が休みなしに吹き抜けていった。
簡単な楽器であるし、大したテクニックもいらないのだが、クッションとして膝を少し曲げて、背筋を伸ばさなければ良い音は出ない。都会の猫背社会では、シャープな音ひとつを出すだけでも、相当な労力が要りそうだ。やってみたらいい、思ったよりも難しいぜ。
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report by taiki and photos by keco
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mag files : Asagiri Jam
Jam Special '04 : JAP / ENG (04/10/02 - 03) : photos by hanasan, ryota, sama and yusuke
review (02/09/28 - 29) : review by akira noguchi, photos by hanasan and maki
今年は雨 (02/09/28 - 29) : review by nob, photos by ikesan
photo report (02/09/28 - 29) : , photos by ikesan
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