Asagiri Jam It's a beautiful day @ Asagiri Arena (1st to 2nd Oct '05)
Sandii - ハワイ経由で体感した朝霧のマナ -
風は気持ちよく、空は真っ青。朝霧二日目の朝は素晴らしいお天気とラジオ体操ではじまった。軽く体を動かした後は心地の良い風に吹かれながらブランチタイム。そこへ突如あらわれる、可愛らしい衣装を着たフラの女の子たちと、サンディーのα波出まくりの穏やかな歌声……。
だらしなく散乱したワインや果物、ボンヤリと霧のかかったデカダンな脳みそで、気分はすっかりマネの「草上の昼食」だったのだが、一気にヘルシーな「タロイモ畑のお日様ブランチ」へ転換。
私がサンディーを初めて知ったのは、スネイクマンショーでのジミー・マックという大昔である。その頃はサンディー&ザ・サンセッツ名義で久保田真琴とニューウェイブ・ロックにワールド・ミュージックの要素を入れた作品を発表していた。そういえばPILの来日公演のオープニングアクトもサンセッツだった。それから一皮も二皮も剥けた目の前のサンディーは、力強く太鼓を叩き、堂々とした貫禄のオーラに包まれているが、優しげな歌声はまったく変わっておらず、神秘性はますます増している。
「これはペレの曲です。ペレというのはハワイの火の女神で...。」と話すサンディーを見ていると、彼女はペレの母、大地の女神ハウメアではないかとさえ思えてくる。奔放で、怒るとすぐに火山を爆発させてしまうという娘のペレを豊かな包容力でたしなめそう。余談だが、ペレの怒り癖といったらそりゃーもー凄いなんてモンじゃなく、気まぐれで、いつ怒りだすかわからないMy ever changing moodsなのだ。機嫌をそこねた男達は次々と溶岩に呑み込まれていった…という伝説が山の様にある。話だけ聞いていると神というよりもデストロイヤーな大魔神を想像してしまうのだが、絶世の美女で、ワガママ…と、ある種の憧れがカタチになったような女神なわけ。しかしながら、サンディーのたおやかな声は、力強くも、そんな怒りの感情を浄化してしまう母性に満ちている。
こののんびりした空気がずっと続くかと思われたが、「巻きがはいっちゃってるので、急がなきゃ。」と、サンディー。ちょっと焦っている様子。
ステージのフラの女の子達、何人いるんだろう?次から次へと衣装を変えながら登場。まるでお人形の様に愛らしい。お皿とグラスを置いて、草の上に裸足で走り出る。ふわふわとした猫の背中のような草原、足の裏がくすぐったい。
見よう見まねでフラダンスを踊る。目の前でヒラヒラと手をふる友人は、どうしても阿波踊りになってしまうと言い笑っている。しかもそれは男踊りで、その姿を見ているこちらも笑いがとまらない。案外難しいのだ、フラダンスは。
きゃあきゃあ言いながら腰をふりふり、「あの衣装が可愛い!」「ココナツブラしたい!」と騒ぎながら子供のようにはしゃぐ私達はメネフネ(ハワイの伝説にでてくる小人の妖精)になったかの様な幸せな錯覚をおぼえる。
こんな風に書いていると、まるでド・ハワイアーンなステージかと思われるかもしれないが、きっとアナタの思い描いている、マジック・ショーやアラモアナショッピングセンターに代表される賑やかな「ザ・ハワイ」ではない。自然と共存したおっとりとしたポリネシア文化圏に、アジアやブラジル、Jazztronikのテイストが加えられた独特のものだ。そして、それは日本人の私にもどこか懐かしさを感じさせる。
時折ふきぬける秋風は、まだまだ頑張るゾと照りつける太陽にあたためられて、ぬるく髪をそよがせる。ハワイアンな朝霧楽園は自然の魅力をこれでもかと見せつける。
「雪〜わたし」を聞きながら、きっとサンディーの焼いたオムレツはとびきり美味しいんだろうなあ〜なんて妄想の美味に酔ったりするブランチのひとときであった。
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